國崎家の次男坊
霧島なお
プロローグ『國崎家の次男坊』
「兄さーん!届いた新聞、ここに置いておきますよー!」
早朝の名古屋のあるお店の中に1人の声が響き渡る。
若々しく、少しだけ声が高いが、男性の声のようだ。
身なりは…学生服に学生帽、そして靴はブーツを履いているようだ。
「そんなことしなくて良いから、ほら、さっさと行け。」
奥の方から身長の高い男性が1人現れた。
見るからにこの店の主人であろう人物だ。
その男性は新聞を置いた学生さんに対して、『早く行け』と口でも手でも合図をしていた。
「だって、こうまでしないと夕方まで新聞取らないじゃないですか。」
「別にいつ取るかなんて俺の勝手だろ。ほら、時間なくなるから行け。」
先ほど、この学生さんはこの男性のことを『兄さん』と呼んでいたので、多分、この2人は兄弟であろう。
男性が言い放ったことに対して、学生さんはこう答える。
「言われなくてももう行きますよー!じゃあ、行ってきますっ!」
と言い、店から出た。
そしてその店前で真っ白な紙に青色の絵具で塗りつぶしたような青い空を見て、
「めちゃくちゃ青空じゃん。」
と言い、歩き出した。
『
その店の看板にはそう書かれてあった。
この物語はそんな國崎家の次男坊が多くの人物と関わり、日常を紡いでいく、
そんな大正時代の物語である。
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