第4話  班メンバー

 俺たちの学校は5月のはじめに、全学年合同の遠足みたいなものがある。で、俺たちは今その遠足の班決めをするところだ。

 先生の「4人くらいのグループで一班な~」の言葉を合図にクラスのみんなが動き出す。俺たちは3人しかいないのであと1人なのだが、あと一人が決まらずほとんどは決まったのか次々に座っている。ただ一人を除いて……、その一人というのが俺たちのクラスの眼鏡をかけた地味係女子の茂原泉美もはらいずみだ。俺は、あと一人決まっていないこともあり、咲と颯太に聞き泉美を呼んだ。


「俺たちあと一人いないから俺たちのところに来なよ」


「え、あの……。良いんですか?」


「あぁ」


 俺たちも班員が決まったので自分の席戻ると泉美が俺の方に来た。「何かようか?」と聞こうと思ったが先に言葉は俺でも分かった。


「私を誘ってくれてありがとう! じゃあね」


 と、手を振って戻っていった。これで俺たちの班は決まった。


 今日の放課後俺たちは親睦を深めるために学校の近くにあるmaonと言うショッピングモールに来た。かなり広くて初めて来た俺と泉美はびっくりしたが颯太と咲は慣れているのかどんどん先に進んでいく。


「おーい早く来いよ!」


「分かったって」


 ショッピングモールを少し歩いて俺たちは服屋に来た。女子は女子で、男子は男子で服を見ていた。俺と颯太は男物のところに行きいろんな服を見ていく。


「準は服のセンスがないからね、いつも春香ちゃんに選んでもらってるんでしょ?」


「え? あ、うん。まぁね」


 颯太の言うとおり俺の服のセンスは壊滅的だ。ただ、ファッションに興味がないだけなのだが……。しかしよく春香には「お兄ちゃん以外にスタイル良いんだからおしゃれしたほうが良いんじゃない?」と言われる。ちょっとやってみるか。


「颯太。おれが今からまぁ自分用の服持ってくるから良いかダメか言ってくれない?」


「え?あぁ、うん。まぁ良いけど」


「サンキュー」


 颯太にそういった俺は服を選びに行った。

 さて、どれが良いかな。いつもの俺は、ジャージとかチェック柄のTシャツにジーパンというオレ流おしゃれなのだが今日は別で行くか……。そう思った俺は、無地の白Tシャツに黒のズボン。そして、この時期にぴったりだと思う紺の薄いジャケット。これがおれの真剣に選んだ服なのだが颯太はどう思うのだろう。服を選び終わったおれは颯太に見せに行った。


「颯太。これでどうかな」


「おぉ準早かったな。どれどれ~。んん!?」


「な、何だよ」


「こ、これ。お前、自分で選んだのか?」


「当たり前だろ? 誰が選んだんだよ」


 何なんだ颯太のやつ。おれだって服くらい選べるっての。……あれ? もしかして、おれが服を選べるのが意外だったりするのか?


「なぁ、どうなんだよ」


「あ、あぁ。良いんじゃないか? むしろお前がその服着たら似合いすぎてびびった……」


「あ、そう」


 なんか褒められるのはちっと嬉しいな。なんだかんだあったけどこいつも良いやつだからな。

 そして選び終わったおれは颯太にそれ着て待ってろと言われたので、会計した後、

着替えて颯太と二人で咲達を待った。

 しばらくすると、咲達が来た。そして、俺のことを見た咲は驚いて「あ、あんた。普通に選べるのね」と言われてしまった。なんか嫌なんだけどポジティブに捉えよう。これで俺たちの親睦会は終わった。








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 さて、いかがだったでしょうか。次回は、このあと家に帰ったときのお話になります。

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