ショッピング1
「だって、なんか恥ずかしいんだもん。私が年取った人みたいなことをいうなんて」
荒川の悪意なき(と信じたい)圧力によって白状した。
「いいではないか、美海よ。人間は例外なく年を取り死ぬのだ。何を恐れることがあるというのでしょうか。さあ、その自分は特別だという認識を改めなさい」
「すごく宗教臭い」
それっぽいことを言ったら、すごく中二病みたいになった。俺はもう高校生だから中二病は卒業する年齢だ。
「怪しさを意識したからな。でも、そんなことを恥ずかしがる必要は無いと思うけどな」
「そうかな」
「そうさ」
「ねえ、二人ともいい感じになってるね」
「そうだな。でもあたしにはこれはわざと引き起こされたようにも見えるけどな」
「三浦さんは考えすぎじゃない?」
俺たちが話をしている横でなんだか物騒なことを話しているな。ここはそうだな、聞かなかったことにしてしまおう。そのほうが俺の精神衛生上安全に違いない。
「ねえ、あの二人……」
美海も感ずいたのだろう。俺に近づいてきたって、近い!
「いうな美海。触れないほうが幸せなことも沢山ある。それとその…距離近いぞ」
「いいじゃない。君は今は女子なんだし、別に恥ずかしがる必要は無いよ」
「俺が動揺してしまうんだ」
美海はつまらないと言い、俺から離れた。つまらないってなんだよ。俺、体はともかく、中身はまだ男そのものなんだぞ。
さてさてそろそろここを離れようか。いい加減、昼休みも終わりだ。
と、そのあと、のんびりと過ごしていた。土曜日に美海から連絡があり時間のほうがわかって一安心した。そして俺は指定された時間に駅前にいた。まだ5月ではあるが今年は暑い。
「どっか、日陰はないかな」
日陰を探していると、ちょうどコンビニがあったので、そこに入りすずんでいると、スマホに通知があって合流できそうだったので、コンビニを出て三人のいる場所に行った。
「お待たせ、待った?」
俺は三人を待たせてしまったかもしれないと思い聞いたが二人は待っていいないよと言ってくれたのでこれ以上気にしないようにしよう。
「それで今日はどこに行くんだ?」
「駅前には沢山お店があるからね。ま、私たちについてきてよ」
美海たちに大人しくついていくことにした。この三人なら信頼できるから大丈夫だ。
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