第8話  おっさんは魔法覚えられるのか!?

はあ!?そんなバカな!?

相愛昇華は流石にあり得ない!

そもそもアレはお互いに深く

あ、【愛し合う】事が前提だし!

ん?あれ?愛ってなに?

好きって事?私が誰を?ミカゼ様を?


いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや!!!!


そりゃぁ、会って直ぐに勝てないってのは分かったし、私より強い、、ってレベルじゃなくて攻撃が通用するイメージすら付かなかった人、、それも【男】なんて初めてだったし、、動揺したのは確かだけど、、流石に会ってすぐのオトコを好きになんてなるわけないし!?

いくら強すぎる魔力で未だ生娘だからって!

そんな!そんな女じゃない!!

そ、そうだ!これは何かの間違いだ!

たまたま、そう、、たまたまだし!

一時的なものかも知れないし!

き、キスすら交わした訳でも無いのにそんな事、、


そう!コレは【事故】のような物!


お互いに合意の結果じゃなかったし!


うん!そうだ!


無かった事にしよう!


よし!そうしよう!!



アリーシャ「そ、そう、ですか

      それはお見苦しい所を見せて

      しまいました」


長い思考の末に直人の魔力の事は一旦忘れる事にしたが、ウズき火照る身体に顔は真っ赤になってるアリーシャ


メル「ううん、ごめんね

   大事に至らなかったって言うより

   何故か運良く強化されてる

         みたいだけどね、、

《リアリナはどう思う?

 このままアリーシャに任せるのは、、》」


リアリナ「《そう、、ですね、、

   幸いにもアリーシャの状態は良好

   ですから、我々ドリアードで周囲を

   固めれば被害を最小限に抑えて

   の魔法取得は可能です

   しかしながら

   ミカゼ様の力が未知数ですから

   想定より大規模になると思います》」


メル「《そうだね、、想定より大規模

  になるのは誤算だけど、、それだけ

  直人の力が強いって事だから

  喜ばしい事なんだけどさ、、》

  やっぱり今からでも辞めても、、」


念話でリアリナと会話したメルは直人の力の強さが想定を超えており、このままでは、魔法を【取得させるだけ】で少なくない被害が出る事が分かり、思わず声に出して辞める事を呟くと  


アリーシャ「いえ!予定通り

        私に任せて下さい!」


アリーシャの言葉にハッとするメル


メル「声に出してた、、?、、ううん

 それより、アリーシャ分かってる?

 メルが言い出した事だけど、想定より

 ずっと大変な事態になっちゃったから

 アリーシャ1人の話だけじゃなくて、」


アリーシャ「分かってます!!

   だからこそじゃないですか!

   ようやく!ようやくですよ!!

 ここで辞めたらもう後がありません!!

   お願いです!やらせて下さい!!」

  


直人(え?え?何か凄い剣幕なんだけど、、

   どゆ事?何を辞める辞めないで

   言い争いしてんの?)


リズ(恐らくはマスターの

  魔法取得に関しての話だと思います)


直人(マジで!?俺に魔法教えるって大事なの?普通なんかちょっと修行すりゃぁ覚えられるもんだと思ってたけど、、)


リズ(マスターの場合は既に高いステータス保持してますので、これまでの対応見る限り教える側が魔力低いと問題が生じるのではないでしょうか?)


直人(そ、そうなのか?じゃぁ、

すげぇ大変ならそんな

無理して教えて貰わなくても、、)


小声で会話する直人とリズ、ただ事では無い状況にアリーシャを気絶させた上になんか無理させる様な雰囲気にエロエロモードは霧散し、申し訳なさで自分が情け無くなる直人


リアリナ「私からもお願い致します。

 デーメステーエル神様のダンジョン

攻略にはミカゼ様の魔法取得は必須です」


《それにメル様、、

ドリアード族一同覚悟は既に出来てます

この機を逃し

【共に滅びる】か【逃げ延びて】生き残るかの選択をするなら間違いなく共に滅びゆく選択をします!ならば!

ミカゼ様に賭けるしか無いではありませんか!

我々ドリアード族の『意思』は1つ!

デーメステーエル神様のダンジョンを攻略

出来る者が現れたのならばどんな犠牲を払ってでも総力を上げ全力でサポートする!

それが我々ドリアード族の【悲願】であり

存在意義なのです!

メル様!我々にチャンスを下さい!

【あなた様】を救えるチャンスを》



メル「リアリナ、、、

《まったく【君達】は頑固だね、、もう自由に出来るじゃないか、、》


リアリナ《はい!だから

      【自由】に選択します!》


はぁ、とため息を吐きながら覚悟を決めた顔したリアリナとアリーシャを交互に見つめた後。


メル「分かったよ、、

  本当は全然分かってないけど、、さ

  じゃぁ!メインはアリーシャに

   やって貰うけどそのサポートは

   7人の団長にちゃんと任せてね?」

    

   

アリーシャ「お気遣い頂き

    ありがとうございます!!

    では、早速各団長に連絡し、

   緊急会議を開きたいと思いますので

  決行は明後日でよろしいでしょうか?」


メル「そうだね、、

  被害を最小限に抑える為には

  相応の準備もあるし明後日にしよう!

   舞台の準備もしないと行けないし

   それとアリーシャ張り切るのは

   良いんだけど、相手は直人だからさ

   只の魔力基礎と思わず

   リアリナとも協力しながら

   事に当たって欲しいんだよ

   体調悪くなったら一旦やめても

   良いから無理しないでね?」


どこまでも突っ走りそうなアリーシャに釘を刺すメル。

    

   アリーシャ「はい!

    全身全霊を持って挑みます!

    では!メル様、ミカゼ様!リズ様!

    失礼致します!リアリナ!

    後は任せた!」

   


メルの心配もアリーシャには伝わらず、

高揚したまま後の事を

リアリナに丸投げすると

3人にそれぞれ頭を下げて挨拶し、

アリーシャは颯爽と転移陣まで行くと、何処かに転移して行った。


その様子を終始ポカンと見ていた直人。



直人「なんか

   嵐みたいな女性だったなぁってか、

   あの、アリーシャさん?もう体調は

   大丈夫なの?」


言葉を掛ける間も無くアリーシャが消えた転移陣を見ながら少し心配そうに聞く直人。


メル「う〜ん、、身体自体は寧ろ良好な位

  なんだけどね、、なんか想像以上に

  張り切っちゃってるから、、

  そっちの方が心配かなぁ、、

  やる事はやってくれるだろうけどさ」


リアリナ「はい、その為に私達ドリアードも

   全力でアリーシャ達を

   サポート致しますで万が一でも

   しくじる事は御座いません」


断固たる決意の元そう宣言した。


メル「そうだね、、そこは、心配してないけどさ、、(死地に向かわせるのを黙って見守る事しか出来ない【神】に想いを寄せてくれる子達が不憫でしょうがないし、、そんな無力な存在に居る価値なんて、、)」


リアリナ「メル様!!!!」


突然大声を出したリアリナ

その顔は今直ぐにでも大粒の涙を流しそうなほど悲しみに満ちていた。


直人「え?え?急にどうしたんですか!?」


メルとリアリナをキョロキョロと見る


メル「ううん、ごめんねリアリナ

  直人ももう大丈夫だから、、

  安心して、、明後日になっちゃったけど

  その時に魔法覚えられるからさ

  その、、、図々しいかも知れないけど

  魔法覚えたらさ、、ダンジョン攻略、、

  頑張って欲しいなぁ、、なんて、、

  思っちゃったりなんかして、、、」


今にも泣きそうな顔を無理矢理笑顔にして

冗談ぽく言うメル


直人「え?そんなの当たり前だろ?

  元々その為に来たんだし」


何を当たり前の事をとキョトンとした表情で言う直人。


直人「って言うか、さっきから俺の

  魔法取得に色々問題ありそうだけど

  そんな一大事な事なの?」


メル「そうだね、、直人に黙ってても

  仕方ないから言うけどさ

 エルフ族70万人の頂点に立つ

  アリーシャと各分野で

  トップの実力を持つ幹部7人

  それと

  ファーシンア国最多人数を誇る

  ドリアード族500万人を統率する

  リアリナが挑むミッションなんだから

  ファーシンア国最大の難関と言っても

  過言ではないかな」

  

   

直人「ま、マジかよ、、思ったより

  大事でしたわ、、それにエルフ70万

なのに、ドリアード族500万も居るの!?

  そのトップがリアリナさん!?

 め、めちゃくちゃ偉い人なんですね、、」


ギギギと鳴りそうなほどぎこちなく首を動かし、口をヒクヒクさせながらリアリナの方を向く直人。


1度顔を伏せた後、そこには先程の悲しそうな顔ではなく、優しいそうな妖艶な微笑みを

浮かべたリアリナは


リアリナ「ミカゼ様に意見を申し上げるのは

    恐縮なのですが、

    私にはさん付けではなく

   気安くリアリナとお呼び下さいませ

   それと、メル様のお言葉は【マジ】

   で御座います。

   基本的に私が直接動くのは

   ファーシンア国の緊急事態

   が発生した時だけなので」


笑顔のまま直人に容赦なくとどめを刺した。

   

直人「うぇ!?

  国の緊急事態!?何それ!?

  それってつまり俺って存在が

     そんな大事件なの!?」


悲鳴に似た直人の叫びが室内に虚しく響き渡る。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る