ドリームキャッチャー4

ついに直接対決!この男は私の体を奪い取った!それを今日こそ取り戻す!俺のその意思を知らずに闘技場の観客達は新しいエース同士の対決に胸を躍らしている。


クソ喰らえだ!俺の、私の人生は無茶苦茶になっているのにそれを見せ物にしやがって。……無論彼等は何も知らない。だから教えてやる。これがマカネ・アキタであるということを。


あの日、私が私でなくなった日。私はダイセンが不要と残したおっさんの体で私自身の体を取り戻す為に仮面を被った。俺はもう戦士なのだ。俺の体を取り戻す戦いの。


美少女に戻る事ができればこんな仮面はもう不要だ!「さあ、来いダイセン!」会場がどよめく。ダイセンの名を知るのは私だけ。ヤツはこのヴァルハラ地区の闘技場に現れた謎の美少女戦士なのだ。


「気を張っているな」私の声でヤツが喋る。その度に不愉快だった。「当然だ」「引っ張られるなよ」引っ張られる?「さっさと終わらせよう」DREAMCATHERが消え……。





見失った!歓声が起こる!これはダイセンの十八番の戦法だ!俺は上を向いた!いた!セイントメシアの系譜を正統に継ぐ空中殺法!地を這う他のアームヘッドを尻目に空を駆り、数多のアームヘッドを屠ってきた必殺の戦法だ!


この三次元機動に適応出来なければ初手敗北で終了だ!「ダイセンッ!」俺は猛った!CENDRILLONの拳が俺の闘志に応え、俺たちを狙うDREAMCATHERの振り下ろす光の剣を捉えた!


更なる歓声!DREAMCATHERがCENDRILLONの拳によって弾かれ、体勢を崩す!まだDREAMCATHERの戦いを観れるという喜びの歓声が闘技場を包む。まだ俺をヤツの引き立て役の悪役だと思っているらしい。おめでたい連中だ。


「もう逃げ場は無いぞ。ダイセン。俺の体を返してもらう」俺の?、私の体では?

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