ブラックボックス6

いまだ瓦礫の片付かぬヴァルハラ地区を悪夢ナイトメアが歩いていた。次に悪夢をばら撒くものを探しに。「なかなか有望なものはいないゾ」地下都市ガフは夜の時間帯であり青空の照明は消え、人工の星空が都市を見つめている。


「すべてを飲み込んでひとつにしちゃうようなそんなやつがいいんだけどな」寒さを感じないのにコートを着込みナイトメアは独り言を続ける。次の犠牲者がそれをききつけるのを待っているからだ。


嘔吐をする音がする。「へへっ、飲みすぎちゃったあ」泥酔者は陽気に笑った。「もっともっと飲み込む力が欲しいと思わないかい」ナイトメアが声をかけた。


「ふふ、ほっしーい」「じゃあ、あげるゾ」ナイトメアはコートを脱ぎ捨て水着姿になる。その手にはノイズギアが握られている。「さあ、君も悪夢になろう!」「わーい」


泥酔者はノイズギアを受け取るとその針から不気味な液体を体内に注入する。「きもちいい!さいこう!」泥酔者は今晩最高の笑顔を見せると泡立ってどんどん体積を増していく!


能異頭ノイズ鯨飲世界ワールドイーター”っていったところか」ナイトメアは微笑んだ。巨大な蛇めいた能異頭がナイトメアを見つめる。「ありがとう!さいこう!」不気味な呪詛めいた声で能異頭が感謝を伝える。「それじゃあ、なんでも飲み込んでいくんだゾ」


「はーい、いただきまーす」能異頭が巨大な口を開けた!「ゾ?」ナイトメアは能異頭に飲み込まれた!「げふっ。ああ、おいしかった!どんどんいこう!」能異頭の目が光った。


「ブラックストマック」につづく

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