無能職の弓使いと言われててますが?

干し肉太郎

第1話

…俺は弓使いだ


弓使いってどう思う?


…はっきり言うとこのご時世は無能職と言われている職業だ


ここは魔物やら魔族やらがいる世界


なぜ弓使いが無能とされているか…


その理由は銃器の発展だ


弓よりも早く打てそして飛ばす弾も小さいため、弓よりも持ち運び安くてしかも操作しやすいときた、もちろん金はかかるがそれを補ってもすごいものだ


しかもその銃器とやらの中にはは魔法を圧縮して飛ばすためとても威力が高い代物があるそうだ


それに比べて弓は矢が持ち運び辛くそして魔法使いの弓もどきのマジックアローとかなんやらに威力が負けるほど弱い…


そんなことがあるため弓使いは数ある戦闘職の中でも最弱職でもあり無能職でもあった



…世界には職というものがある…それは加護を受けている職種…つまり自分に向いてる職業であるということ


まぁ説明はそこまでにして俺は今


死にかけている




「うぉぉぉ!来るんじゃねぇぇぇ!」


「ギギギ!!」


ゴブリンに追われて…


ゴブリン知ってる?魔物の中で最弱と言われてるやつ一メートルくらいの子供みたいなやつね?


単体だと普通の大人でも倒せるんだけど

奴らはまとまって行動するからめんどくさい生物でもあるんだが…


「マジごめんって!謝るから!逃して!」


単体に追われてる


それはなぜかというと俺がゴブリンが捕まえてきた女を助けた


だってさ?あいつら人間の女に出産させて繁栄するんだよ?

誰だってあんな気持ち悪い緑色のゴブリンに孕まされるなんてことは絶対嫌だと思うしな


助けたよ?助けたよ、けどね?…裏切られた


あの女俺の弓盗って逃げやがった!


そのおかげであいつは助かり俺は死にかけ!


そんなことを考えていたら

木の根につまづいてこけた


「ギギギ!」


ニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべるゴブリン


「マジでさ?ごめんって!本当に死にたくないから!」


ゴブリンは棍棒を振りかぶり俺に叩き落とした


それをなんとか反応し体を捻ってよける


「うぉ!危ねえ」


「ギギギ!!」


ゴブリンは棍棒を乱暴に振り回す…のだが


俺は木に登った…俺はあくまでも逃げるだけだアイツを倒そうなんて考えてはいけない


誰だ!アイツを最弱って言ったやつ…あっ俺が無能職の雑魚なんだ…って信じられるか?恨むぜ決めたやつ!


…おいおいおい!なんで登ってきてんの?


「おいくんなよ!」


俺は木を折りゴブリンに投げつける

すると偶然目に入ったのかゴブリンは落ちた


が、それがどうしたものか俺は木を折り投げ折り投げをずっとつづけた


しかし木の枝のダメージなどたかが知れている


「ギギギギギギギギギ!!!」


「ほぇ?」


ゴブリンは木の枝などものともしない態度で登ってくる


その様子は勇敢な戦士並だった…俺が恥ずかしくなるほどに


しまった!木の枝を折りすぎてもう投げるものがなくなってしまった…


それに気づいたのかゴブリンは卑しい目を向けて口元を歪ませる


「ギッギッ!」


俺の人生はここで終わりなのか…なんて柄に思う人間でもない

最後まで逃げるだけだ!


ゴブリンが登ってきて俺の足をつかもうとした瞬間俺はやつの顔面を蹴り飛ばした


「バーカ!簡単に上がらせると思ったか!」


ゴブリンとは人間の子供程度の大きさしかないそのため成人している俺が蹴ったらかなり飛ぶ


そのためゴブリンは高さ5、6メートルの高さから頭から落ちた


ゴブリンの頭からは緑色の液体…すなわち血が流れている


が俺は油断しないゴブリンは姑息な手を使うのだ


木を少し登り木の枝がまだある場所から折って投げた


「オラっオラっ!」


しかし反応はない…


死んだかな?なにか確認するものでもないかと探すと俺の腰回りにはナイフがあった

…まぁ緊急事態は何気に普通のことが考えられてなくなるものだ…投げナイフか


ゴブリン死体〔仮〕に向かってナイフを投げる


頭にブッ刺さるとゴブリンが小さな呻き声をあげで動かなくなった


「やっぱり生きてやがったか!」


死んだことを確認し俺は木を降りる

そして再度頭を切りつけてナイフから血を拭ってしまう


「そういえば、はじめて魔物殺せたな…」


まぁいいか兎に角、助かった俺は日が暮れないうちに俺はゴブリンの棍棒を奪って街に戻った


なんで盗ったかって?だって武器盗られたんだもん

何かに襲われたら怖いじゃん



小一時間ほどだ歩くと街が見えたなかなか深いところまで森に入ってしまったのであろう


街に入ろうとする時俺は衛兵から話しかけられた


「よぉ~今日も頑張って薬草採取頑張ったか?無能の弓使いくん?」


こいつら衛兵は俺が弓使いだからバカにしてくるクソウゼェ奴等だ


こいつは剣士とか槍使いとか恵まれた才能を持ってるから人生クソチョロなんだろうな

…クビになって路頭に迷えばいいのに


まぁそんなことはいいだろう


「おいおいなんだ?その棍棒!はっはっは!弓使いやめてゴブリンの棍棒使いってか?これは傑作だな!」


それを無視して街に入って寝床である馬小屋へ行き不貞寝した

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