第20話〜かんさつ日記2-⑨

◯月◯日(◯)


◇◇◇


なぜ?


食べ物も生活環境も暇つぶしも、色々とそろえた。


それなのにリトが元気にならない。


ロッキーやホームズといる時とか、食べてる時、遊んでる時は本当に楽しそう。


でも不意に寂しそうだったりする。


考えているとリトが話しかけてきた。


◇◇◇


リトも簡単な言葉は覚えたから、ちょっと苦労はするけど会話くらいならできるようになった。


ジェスチャーを交えて、時間をかけて。


リトは私に伝えてくれた。


ここ数日落ち込んでいた理由が分かった。


リトは、故郷に帰りたいみたい、だった。


◇◇◇


その日の夜まで、リトはロッキーとホームズと遊んでいた。


その姿はいつも通りで、けどなんとなくだけど寂しさみたいなものも見えた。


もう荷物はまとめてある。


リトサイズのリュックに、食べ物とか水とか、他にも色々詰めて。


あと、苦労して作った髪飾りとか、新作のお菓子とか。


リトは明日の朝、この家を出ていく。


◇◇◇


夜、初めてリトと一緒に寝た。


私の枕元に、クッションとタオルを敷いて。


リトは興奮してなかなか寝付けなかったみたいだけと、子供らしく日付が変わるずいぶん前には寝ていた。


結局、私は眠れなかったけど。

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