鳥ではない何か

車で走ってたら道路に鳩がいた


とことこ歩いては何かを啄み

まったくもって傍若無人

歩くよりも遅いくらいに徐行しても

道を空ける気配がない


運転席で私が苛ついていると

助手席のあなたが言った


突っ込めばいいのに


私はびっくりして

鳩の命の尊さを口にする

しかしあなたは言い切った


大丈夫

車に突っ込まれて

逃げられない鳥はいない


轢かれた鳩を見たことがあると

私が反論すると

さらに答えて曰く


それは鳥によく似た

鳥じゃない何かだったんだよ




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る