二度目まして入院

 入院準備は前日にだいたい終わらせていたので、余裕を持って病院に到着。

 棟を間違えて、反対側のナースステーションに行ってしまうというミスを犯したものの(だって前回そっちだったから!)無事に部屋に入る。

 今回も大部屋で、同じ4人部屋だったけど、前回より個々のスペースが少し広かった。まだ誰もいない部屋の窓側に案内される。

 前回の入院が11月と直近だったこともあり、「じゃあ、だいたいのことは分かりますね」と説明は端折り端折りで終わった。

 麻酔科医の面談と耳鼻科の先生の話を旦那と一緒に聞いて、午前中の2つ目の手術だと説明を受けた。1人目が終わる時間によって前後するけど、だいたい10時半〜11時くらいに呼ばれるとのことだった。たまたまというのか、お向かいのベッドの方が1番目の手術で、その後に私らしい。

 麻酔については前回、意識戻った時に吐き気があった話をすると、今回は吐き気止めを入れてくれると言ってくれた。ちょっと気持ちが軽くなる。

 ぽつぽつと同室になる患者さん達が来て、軽く挨拶する。

 初日は夕食以降の飲食時間だけ気を付けていればいいので、和やかな雰囲気だった。



 § § §



 手術当日。

 前回同様、旦那と両親が来てくれる予定になっていたけど、予定より少し早く手術室に呼ばれたので、間に合わなかった両親は後で来てもらうことに。代わりにというか、たまたま学校が休みだった息子が旦那に連れられて来てくれたので、手術室(の一角)まで一緒に行く。

 今回は朝のうちに脱水予防という形で点滴を入れていたので(今回は手首のちょっと上くらい。前回手の甲で痛かったり滴下スピード変わったりしやすかったけど、今回は始終快適だった)、術着に着替えるのと麻酔科医に話を聞くくらいだった。が。麻酔の先生、別の手術か何かで手が離せなくて、ちょっと待ってくださいと言われて、前回よりは長い時間、ストレッチャーの上で待機することになった。


 麻酔の先生が来たら、軽く質疑応答があって、そのまま手術室に向かう。入口の所で旦那と息子と別れて、今回は右の通路へ。2つ目か3つ目の部屋に入ると、もうすでに術着を着たスタッフが5〜6人スタンバっていた。

 前回と同じようにバイタルを取る吸盤をつけられ、麻酔の点滴を開始。

 視界の外側がぼやっとしてきたなと思ったら、そのままぷつりと意識は無くなった。(前回とほぼ同じ)


「終わりましたよ〜」


 と、声をかけられて目を開ける。前回よりはかなりスッキリした目覚めだった。

 吐き気も無く、前回のように咽喉のイガイガした感じもない。ただ、首の下あたりに軽い痛みを感じる。そのままストレッチャーで部屋まで戻り、3時間のベッド上安静。目の周りがちょっと不快で、目ヤニのようなものがついている感じだったけど、左手は点滴、右手は酸素濃度チェックの機械を指に挟まれていて上手く動かせない。口元には酸素マスクもまだついているので邪魔だった。

 息子の姿はなく、手術が始まると帰っていったとのことだった。ただ待つのは暇だからね。この病院にWi−Fiないし……薄情なものである。


 30分〜1時間に1回程度看護師さんがチェックに来てくれるのだが、前回は手術終わったのが夕方で夜にかけてだったのと、熱もあったからか、ずっとうとうとして3時間があっという間だったけど、今回は熱も微熱程度、明るいし全然眠れない。暇過ぎてどうしようかと思った……

 それでも時間は過ぎるもので、3時間後には酸素マスクも外され、尿をとっていた管も外された。

 目の周りについていたのはやや黄色っぽいジェル状の物体で、やっぱり目ヤニの一種なんだろうか。それ程多くは無かったものの、麻酔とか薬品の類の影響とかあるのかもしれない。拭き取って以降は特に目ヤニが出ることもなかった。


 着替えてしまうと、起き上がる時に頭を後ろへ反らすと喉の傷に負担がかかるので、自分で首を押さえながら起きるか、一度横向きになってから起き上がるよう注意を受けた。

 上向きで寝ていると腰が痛くなるので、だいたい横向きで寝るから、この辺はあまり意識しなくても大丈夫だった。

 ずきずきというか、じわっと痛いのは血抜きの管が通してあるところ。傷の方はほとんど痛みはない。

 元気だったので動いてもいいのか聞くと


「いいですけど、今日はなるべくお部屋で過ごしてください」


 とのこと。

 まあ、当然と言えば当然か。

 他は麻酔の影響が残ってないか(歩くのにふらついたりしないか)見るので、この後トイレに行く時呼んでくださいと言われた。尿道に通してある管はだいたい手術室で取れてくることが多いようで、私は入ったまま帰ってきたので次に膀胱に尿が溜まるまで時間がかかるから、らしい。

 ほとんどがベッド上安静が終わった直後に、看護師さんとトイレまで行ってみるようだった。

 ちなみに、指に挟む機械は次の日の朝回診の時まで着けているように言われた。食事やトイレなんかの時は外してもOKとのことで、着けたり外したり若干面倒臭い。

 暇なのでスマホでも……とも思ったけれど、麻酔の影響なのか、目がなんとなくおかしくて、びっしりとした文字を追うのは難しそうだった。


 安静も解けて元気なのを確認すると、両親も旦那も帰って行って、結局、少しテレビを見て夕食を食べて(3分の1くらいしか食べられなかった)、血抜き管の写真を撮ったりして過ごしていた。

 絵面がどう見てもホラーなのでツイッター等へのアップは断念。胸と、のどの間に(血で)真っ赤な管が入っているのはなんともシュール。

 夕食は全粥。でもおかずは普通の物と変わりなく思えた。飲み込むときに咽喉が上下に動くので、それで皮膚がひっぱられるようで少し痛む。とはいえ薬のお世話になるほど、というわけでもない。

 それでも血抜き管の入っているところが痛かったので、当初の予定通り痛み止めと胃薬を毎食後飲むことにした。薬が効いている間は、やっぱり楽な気がする。

 全粥は次の日の昼食まで続いて、その後は普通のご飯に戻ったのだった。

 色々繋がれて出来ることも少ないし、この日は消灯前に横になって、寝てしまうことにした。




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