2
少女の眼前に広がるのは、重く
「お前はここで、一生戦闘奴隷として戦ってもらう」
「戦闘……?」
「そうだ、自身の鍛錬を怠るな。死にたくなかったらな。俺のことは主と呼べ」
そう言い残すと、右手がない男、主は暗い建物の中へと入って行った。中庭には屋根のついたベンチがある。そのベンチに座る白髪の少年。彼の腕には小さな鳥たちが乗っていた。先ほどの牢とは大違いの空気に一瞬心が落ち着くのが分かる。
「鳥が好きなの?」
「君、名前は?」
しばしの間、静寂が続く。少年の瞳は少し
「……
小さく開かれた口から、冷たく言い放つ少年、ヒカゲ。同じくらいの歳の子がいる事に安心したのだろうか。少し少女は、微笑んだ。
「私は
先ほど、主から言われた言われた通り、戦闘奴隷と名乗る。先ほどから無表情であるので分かりづらいが、その言葉を聞いてヒカゲの瞳は少しばかり開かれた。そして、戦闘奴隷となった二人は、
──拒否権などなく、生きるのを諦めたら死が待っているだけの世界を歩む事になるのだ
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