いつかまた三人でⅥ

 それでも現実はどうしようもなくて、足掻けども足掻けども光明は見えないまま時間だけが過ぎる。ファヴェーラの姿にかつての美しさはない。元々細かったが、今は骨と皮だけ。咳込み、どす黒い血を吐き、また消耗していく。

 状況は、絶望的である。

 それでも彼女は子どもたちの前では気丈に、明るく振る舞った。二人の前では笑顔を綻ばせ、近くにいたウィリアムが驚いたほどである。

 知らぬ間に彼女はこういう表情が出来るようになっていたのだ。

 大人として、母として――

「……あれは、良いのか?」

 窓の外で遊ぶ子どもたちを指さし、カイルは顔を歪めていた。

「元気があっていいじゃないか」

「ふふ」

 ウィリアムは苦笑しつつ肯定。ファヴェーラは小さく微笑む。

 現在、窓の外ではミラとアルフレッドが雪の降り積もった庭で遊んでいた。問題はその遊び方である。ある日を境に態度こそ軟化したが、そもそもミラの遊びとはお上品ではなく、普段からして結構荒っぽいのだ。荒っぽい彼女に振り回されるアルフレッド。比喩ではなく、実際にミラが足を掴んで振り回している。

 そして――

「ふんがっ!」

「うわぁぁぁぁあああぶへッ⁉」

 思いっ切り放り投げた。栄光の放物線を描き、最後は雪に突っ込むアルフレッド。もはやボール代わりである。

 その光景にカイルは頭を抱え、ファヴェーラも苦笑い。

 ウィリアムは口を押さえ、爆笑を何とか堪えている様子。

「もういっかい!」

「あきた」

「おねがい!」

「しつこい!」

 べこ、ミラの右ストレートがさく裂。日頃の教育を問い質したくなるほど、この少女手が早い。カイルが比較的厳しいのは先日見せた通りだが――

「甘いのは君の方か」

「可愛いから、怒れない。怒り方がわからない」

「……わかる」

 甘党のファヴェーラの意見に同党に所属するウィリアムも頷く。

「お前たちは甘過ぎるんだよ。なんで女の子なのに、ああなってしまったのか」

 少しでも上品に、そう思っていたのに気づけばこのざま。男の子を放り投げ、ぶん殴り、立派なわんぱく娘が出来上がってしまった。

 ああなってからだと、矯正も結構大変である。

「気質は父方に似たと思うがな」

「馬鹿言え。俺が元々どれだけお上品だったか」

 カイルはそう言いながら、部下の子を殴って怒られたことや、悪戯をして怒られたこと、等々を都合よく記憶から消した。

「あれと同じこと、カイルもしてた」

「そんな記憶はないぞ。いくら俺でもアルカスでそんなこと――」

 ファヴェーラが指さした先、そこにはウィリアムが悪戯っぽく微笑んでいた。

「殴られたことも、ぶん投げられたことも、どっちもある。しかも、雪のクッションなどない季節にな。覚えていないか?」

「……え、そ、そんなことしてたか、俺が?」

「やった方は覚えていないものだ。やられた方は、存外覚えているものだがな」

 ウィリアムの言葉にカイルは背中に嫌な汗をかく。全く記憶にないのだが、二人がそう言っているのであれば事実ではあるのだろう。

 そうなってくると自ずとミラの気性が誰に起因するのかも明らかに――

「でも、その後……石を投げて逆襲してた」

「あっ、思い出した! あれはそもそもお前が悪いだろ! 俺の怒りは正当なものだったし、むしろ反撃されて怪我があの後結構長引いたんだぞ!」

「……さて、どうだったかな」

 絶対に顛末を覚えていたのであろうウィリアムの貌を見て、カイルは憤慨する。ファヴェーラもそれを見てくすくす笑っていた。

 ファヴェーラはこの屋敷に来てから一度も、アルの名を口にしていない。今のようにルトガルドが外に出ていて不在にしていても、頑なにそれは守っていた。彼女なりのケジメなのだろう。その一線は二人と一人を分かつもの。

 こうして冗談を言い合いながらも、彼らもそれは承知している。

 そしてこの冗談の掛け合いも、

「ごほ、げほ」

「「大丈夫か⁉」」

「だい、じょうぶ」

 彼女の気を紛らわせるために、あえて二人はここで話したり、少し笑わせたり、元気づけようとしていたのだ。もはや、それぐらいしか打つ手がなかったから。今準備できる手は全て打ち尽くした。例え全てが揃っていれば攻略できたかと言えばそうではないのだが、この雪によって十分な用意が出来なかったのもまた事実。

 情報も、薬も、限られた分しか手に入らなかった。

 雪が全ての足を止めていたから。

「げほ、あの子たちが、仲良くなって、よかった」

「ああ、そうだな。本当に、そうだ」

 カイルがファヴェーラの肩を抱く。落ち着いてくれ、こらえてくれ、奇跡よ起こってくれ、そう言わんばかりの表情で。

「俺は――」

「感謝、しています。ウィリアム、さん」

「……気に、するな。俺も何だかんだと楽しくやっている。このままお役御免となれば、まあそこそこ充実した人生になるだろう。俺は幸せになった。誰かのおかげで、幸せになったんだ。だから、抱え込む必要はない」

 ウィリアムの笑みを見て、ファヴェーラがかすかに――

「幸せな家庭が二つある。それでいいさ」

 窓の外では先ほど殴られて泣かされたばかりなのに、ちょっと慰められただけで涙を引っ込め、またぶんぶんと振り回されているアルフレッドがいた。あそこには何の垣根もない。何の隔たりもない。ただ、仲のいい友人が二人。

 それだけが、これほどに遠く感じるとは、とウィリアムは思う。

「それとも君は幸せではないのかい、ファヴェーラさん」

 ウィリアムの問いに、ファヴェーラは笑みを溢し、

「いいえ。とても、幸せです」

 そう言って微笑んだ。

「なら、生きねばな。折角幸せになったのだから」

「そう、ですね」

 ここには嘘吐きが二人いる。どちらの幸せにも澱みがあるのだ。あの日友を切り捨てた後悔と、恩讐の人生を選択した己自身への後悔。どちらもそれを片時も忘れたことはない。だから、どれだけ幸せの中に在ってもそれは消えず、拭えない。

 それでも二人は互いを想い、そうではないのだと言い切った。

「……いい天気だな、『今日』は」

 カイルの脳裏には、いや、三人の脳裏には同じ嵐の日が浮かぶ。

 決裂の、日が。

「ああ」「そうね」

 三人は窓の外に広がる、かつての幻影を見つめていた。雪まみれになって笑い合う二人の子ども。真っ青な空の下で、彼らの嬌声が響き渡る。

 それはきっと、彼女にとって、いや、何かしらの悔いを引きずる三人にとって、何よりもの癒しであった、だろう。

 その夜、ファヴェーラは眠るように息を引き取った。

 とても幸せそうな、顔つきで。


     ○


 雪解けを待ってから帰ればいい、その提案に対しカイルは首を振った。十分に、十二分に世話をしてもらった。これ以上は罰が当たる、と。

 その結果、わんわん泣く二人の子どもたちをルトガルドが何とかなだめている所である。しばらくは旅立てそうにない。

「お前の選択が泣かせたんだぞ」

「長くいると、未練になるからな」

「……そうか」

 ファヴェーラが死に、ミラは泣いた。たくさん泣いた。つられてアルフレッドも一緒に泣いた。今みたいにずっと泣いていた。

 だから、きっと少女は少しだけ早く、立ち直ることが出来た。

「遺体の件、感謝する」

「あいつは墓に納まるような性質じゃない。気にするな、役に立っても立たなくても、俺もあいつもそう望んでいる」

「役に立つさ」

「自信満々だな」

「失敗したという結果を残すことが、大事なんだ。何もない世界で正解を引き当てるのはただの奇跡だが、失敗が積み重なったことによって見えた正解はブレない。失敗によって形作られた轍こそが、本当の意味で価値ある正解となる」

 無数の失敗によって形作られた道。失敗の数が多ければ多いほど、その道はより鮮明に、明確に、正解まで導いてくれる。

「……急に難しいことを言うなぁ」

「無駄にはしないって話だ。例え俺が復権せずとも、ここの研究はいずれ必ず外へ出す。今はただの奇人変人の集まりとしか見られぬだろうが、結果を出したのち、俺がしかるべき道筋を立て、世に出せば広めることも出来るだろう」

「それがお前の仕事、か」

「そうだ。世が白騎士を必要とせずとも、出来ることはある」

「大変だな」

「ひとり親ほどじゃないさ。頑張れよ、カイル」

「……ああ」

 カイルはかつて親友であった者を見て、何処か誇らしさすら感じていた。何があってもこの男は歩みを止めない。何かを遺そうともがいている。

 それはきっとかつて刻んだ罪への罰。彼らへの罪の意識が男を動かし、それによって少しずつ世界が変容する。奪われた者たちに関しては申し訳ないが、カイルはそういう選択をした友を誇りに思っていた。

 こんな時代なのだ。生きていれば脛に何かしらの傷を持つ。大半の者はそれに対し深く考え込むことはないし、仕方ないと割り切っている。言い訳だって無数にある。戦争、身分、貧困、欲望、いくらでもある。

 カイルだってそう。生きるために殺したことはある。剣闘士として若き頃は何度もそう言う『失敗』をしたから、加減も身に付いた。

 そのことを彼は深く考えない。考える気もない。それは仕方がないことであったと心の底から割り切れているから。

 友はそれが出来ない。出来ないから苦しみ、出来ないからもがく。

 狂うほどに、壊れかけるほどに、彼は弱く、脆く、繊細だった。

 それでも立ち、悔い、進むと決めたから今がある。

「では、さらばだ」

「ああ。さようなら、だな」

 その弱さと強さを、カイルは誇りに思う。自分には真似が出来ないから。そして同時に、哀しく思う。彼はきっと最後まで、本当の意味で幸せにはなれないから。

 ファヴェーラと同じように。彼もまたきっと嘘をつき通す。

「ミラ、行くぞ」

「……ぐず、あんたがアルカスにきたら、こんどはあたしがまもってあげる」

「ひぐ、うぐ、べつに、それは、いらないぃ」

「むがぁ!」

 真っ赤な顔をして、ミラの拳がまたしてもアルフレッドをノックアウトした。雪原に沈むアルフレッド。それをムッとした表情で見下ろすミラ。

「……すいません、最後まで」

「いいえ。いいさようなら、だったと思いますよ」

「奥方様も、お世話になりました」

「また来てくださいね」

「ええ、また」

 ムッとしながらも動こうとしないミラを持ち上げ、暴れ回る娘を抱えて去っていくカイルを見つめ、ウィリアムは少しだけ眉間に手を伸ばした。

 そのしぐさは、何かを抑え付けるかのようで。

「……歳、かな」

 そしてウィリアムは妻に目配せをして、一人工房へ足を向ける。医家だけではなく、世界中から集めたスペシャリストたち。彼らを生かすのが自分の仕事、彼らが創る明日を上手く立たせるために、既存の停滞した世界を破壊する。

 それが――

「……まだ、まだ」

 『ウィリアム・リウィウス』の仕事、である。

 その先に今日の失敗を生かす道があると信じて――


     ○


 グレヴィリウスの王宮、かつての美妃が愛した花園を模した場所で、ミラがじゃんじゃん肉を焼いていた。花園の風情が台無しで、煙もそこかしこから立ち上っていた。花園の手入れを父から受け継いだ男は泡を吹いて倒れそうである。

 だが、ミラは気にしない。

 何故ならお腹が空いているから。

「じゃんじゃん焼け! ガンガン食え! 力を付けろォ!」

「おお!」

 すっかり若手の兵士たちと打ち解けた彼女の意向で開催された立食パーティ、とは言い難いラフでワイルドな雰囲気が満ち満ちている。

 招かれたネーデルクス勢も、文官畑の者たちは顎が外れんばかりに驚いている。ただし軍部の代表、今回はシルヴィであったが、彼女はいち早く適合し、肉にかぶりついていた。品性の欠片もないが、一応彼女は名門の出である。

「ミラ!」

「気取るなジジイ! あたしらの経歴で品格だ何だって言っても意味ないでしょ? 美味しい肉がある。この名産を推していかないでどうすんのよ!」

「う、ぐ、た、確かに羊も豚も牛も、有名ではあるが」

「さあさあ食いねえ食いねえ」

「おかわり願います!」

「はいよぉ!」

 覚悟を決めて今一度立つと決めたカイ・エル・エリク・グレヴィリウスであったが、たった一人の娘であり王女となった彼女の尻に敷かれまくっていた。

 もう哀しいほどに、若手はあっという間に彼女が制圧した。

『ん、やろか? 拳で』

 半ば力ずくで。

 想像していた王家の重圧も、娘の腕力の前では無力。それに来賓であるネーデルクス側も、昔じゃ絶対に許さなかった無礼であっても、まあいいか、と言う空気であったのは驚いた。時代が違うのだな、と思わされた一幕である。

 それにしても――

「皿の空きを見逃すな!」

「御意!」

 王女が肉を焼きながら、兵士たちがせっせと焼けた肉を配膳する姿は、昔の社交界を知るカイルには中々、受け入れがたいものがあった。

 これが新しいグレヴィリウスの形。

「……父上、母上、俺は戻ってきて良かったのでしょうか?」

 カイルの問いに応える者は、いない。


     ○


 その夜、一応形式的な会合を終えたカイルは未だ若干獣臭が漂う花園で腰を下ろしていた。とうとう、自分はこの地に戻って来てしまったのだ。

 全てが終わった後で。

 それでも皆は喜んでくれた。昔の知り合いも何人か生きており、彼らが中心となってこのグレヴィリウスを存続させてくれていた。

 この景色が残っていることが嬉しい。

 そこに何の関与もしていなかった自分が、間抜け面で玉座に座っているのが、どうにも落ち着かない心地であった。

「何してんの、パパ」

「パパじゃなくて陛下だ。せめて父上と呼べ」

「やだ」

「こ、この」

「今更取り繕っても意味ないでしょ。ここの人たちがパパに期待していることなんて血統、ぐらいのもんじゃん。戦争もないしさ」

「う、まあ、そうなんだが」

「それに若者からしたらパパのパパが王様で、何て言われてもわけわかんないだろーし。そっちはこのあたしがカリスマで抑え付けてやるっての」

「力、の間違いじゃないのか?」

「同じでしょ?」

「……我が娘ながら、どうしてこう」

 カイルは最初、ミラをアルカディアに置いていくつもりであった。大事なのは自分がグレヴィリウスの王となり、彼女が王女となること、それだけであったから。これで彼女の血に箔が付く。望む道を歩める、そう思っていた。

 それなのに――

『パパ一人じゃあねえ。ママがいないとダメ男だからなぁ』

 そう言ってミラはグレヴィリウスに付いてきた。娘に慕われているのは嬉しいが、『彼』と引き離すことになったのはどうなのか、とも思う。

 いくら鈍いカイルでも娘の想いは理解しているつもりであった。

「そう言えばさ、アルフレッドがまた子どもを産んだって」

 ビクリ、と反応するカイル。思考を読まれているのか、と驚いてしまった。

「そ、そうか。お盛んだな」

「ほんと。エル・シドの真似かっての」

(……あの男が、この扱い、か。時代の流れは恐ろしいな)

 戦場を知らぬ世代から見れば、何か戦争が強かった滅茶苦茶子だくさんな人、ぐらいのイメージしかないのだろう。実際に年配者にとって悪夢のような存在であっても、その時代を知らぬ世代にとっては歴史上の人物でしかない。

 代を重ねたなら、もっとそれは広がっていく。

「良かったのか、お前は」

「何の話?」

「その、アルフレッド君と、色々、あるだろう?」

「あー、それ? 別に、あいつ自身にそういう気がないでしょ」

「いや、だが、子どもを産んだって」

 意外と軽い反応にカイルは戸惑う。

「あはは、それはアルフレッドのこと全然わかってないわ。あいつが今やってんのはただの実験でしょ。自分の血統とどの血を組み合わせたら優秀な子が生まれるかっていう、実益を兼ねた遊び。で、子ども同士を競わせて選別し、優秀なのを次の王様にしたいなぁ、ぐらいの感じじゃないの? たぶん」

「え、ええ。そんな、感じだったか、アルフレッドは」

「昔から結構ドライなとこあるよ。湿っぽいのは全部、エル・トゥーレにでも置いてきたんじゃない? 知らんけど」

 ミラは少し唇を尖らせながら、湿っぽい下りだけは不服そうな貌を見せる。

「あ、あとさ、知ってる、クロードが襲われた事件」

「何の話だ? 今の彼が早々後れを取るとは思えんが」

「寝込みを襲われたの。しかも短期間に二人も。超ウケる」

「……え、ええ」

 もはや時代の波についていけないカイルは愕然とするしかない。

「それはちょっと面白いなって、思った」

「……ん?」

 カイル、はたと気づく。娘の発言の真意を。

「だ、駄目だぞ! そんな不健全なのはダメだ! 政略結婚しなさいとか言わないから、こうきちんとしたお付き合いをして、家庭を築くのが幸せと言うか――」

「パパ古い」

「いや、でもなぁ」

「ってか、あたし自分より強い人じゃないと嫌だし」

 ちなみにこれと同じことを宣うのがエスタードの星、ゼナであり、結構本国では色々と嵐を呼んでいるようである。それはまた別のお話だが。

「……フェンリス君とか戻ってきたらたぶん、良い男になっていると思うぞ。リオネル君とかもな、立派な青年だ。よく知らんけど」

「どっちも何か女々しいから嫌だ」

「ぐ、ぬ、では、オルフェ君とか、スコール君、とか」

「どっちもよく知らなーい。ってか、そいつらあたしより強いん?」

「……互角、ぐらいかなぁ」

「じゃあ、なし!」

「ぐぬぬ」

 我儘放題な娘に対し、カイルは渋面を創る。

「あたしってさ、面白い血統でしょ? 見た目ゴリラだけど高貴なパパとあたしに似てミステリアスで美人なママ。だから、あいつがそういう実験をしてるなら、結構うってつけな人材だと思ってる。あの馬鹿が大好きな理屈は、通ってる」

「それは、そうだが」

「だから断らせない。それにさ、何でか知らないけど、あいつとの子はね、愛せる気がするんだ。心の底から。……なんでだろうね」

「……ミラ」

 満面の笑みを浮かべるミラを見て、カイルは何かがこみ上げてくる。これではもう呪いであろう。親子三代に渡る、呪い。

 それでもカイルは、零れてくる涙を止められなかった。

「泣くな。良い歳したジジイが」

「ジジイだから泣くんだ。涙腺がな、年々緩くなる」

「ふーん」

 美しき花園を見て、真上に輝く星々を見て、

「あたしはさ、幸せになるよ。絶対に」

 美しい顔で微笑むミラを見て、カイルは泣いた。

 この幸せをいつか三人で分かち合いたい。心の底から、そう思った。

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