第17話 その後と、、とある職員の胸の内

「いや~。決まったね。あそこまで決まると、清々しいよな!」


屋敷で食事をしながら、悠長に語る。マドウは満足げ


「最後の、<煌めく世界>も良かったよな!。あれ咄嗟に名前浮かんで、言ったんだぜ。センスの塊じゃない?」


ずっと、自身の今日の活躍を語る。


「あれから、周りの反響が凄い!いやこれは、流れが来たよね!」


倒した後は、ミナミに大声で褒められつつ、周りの印象もがらりと変わった

いつも道理、カッコつけたがニヤニヤが出そうになるのに必死だった



「分かりましたから、もう黙って下さい。何回も聞きました。」


すでに、何度も聞いているのでうんざりした態度でリリィが止めた。そう、既にこの話三回目だ



「悪い。悪い」


軽い感じで謝りつつ、これからを想像しにやけてしまう


「だけど、魔王軍四天王を二人を退けたんだぞ!勇者デビューかな?遂に、、、、」


「、、、、それは、おススメしません」


何やら、冷たい表情を浮かべた。先ほどとは少し違う、、何時もなら気付いたかもしれないが、マドウは舞い上がっているため気付かない


「えー。まあ、俺は魔王を倒したいわけじゃないけどさ、、、俺つえええ、できれば何でもいいんだけどさ」



複雑そうな、リリィに気づくことなくマドウは食事を口に運ぶ


「魔王軍四天王を退けたとなれば、厄介事が向かってきますよ」

「それも、まあ一興だよな、、、」

「だといいですね、、、、」



リリィは、何か心残りがある様子。反対に満足げなマドウ。

四天王を退けた偉業。しかしこれは、これから、彼らの物語の僅かな序章に過ぎない





私の名前は、ミナミ・カイール。スタッツ村の冒険者ギルドの職員だ。

毎日、色んな冒険者と接して楽しく過ごしている。頼れる仕事仲間達と、やりがいのある仕事が出来て満足している


基本私は、受付なのだが何故か、冒険者たちは私の元に多く依頼を持ってくる。

何でだろう?

少し不思議な事もあるけど、毎日楽しく過ごせています。

いやーこの仕事できて幸せだな~~


ってそんなわけないだろ。


怠いわ。毎日、毎日同じことの繰り返し、女上司は私の人気に嫉妬して嫌味を言ってくるし


あああああ!怠い


他にもたくさんある。一つ、一つ説明していこう

先ずは、先ほどの上司だ。とにかく私への嫉妬であふれている


「ミナミさん。あまり男遊びは控えなさい、仕事に支障が出るから」

「、、そ、そんなつもりは、、」


こんな感じだ、、、


でも、これは、仕方ないだろう。私は可愛い。エルフであり、スタイルも、、、、、まあ、、悪くない。


性格も良く、人当たり良し、こんな私に嫉妬するのは仕方ない。許してやろう。という心の広い私。


そして、他にストレスになるのは冒険者への対応だ。

、、、、これは、私に責任がないわけではないが。、私は毎回リアクションを大袈裟にする。そして、聞こえのいい言葉を並べるという高等テクニックを合わせて使う


それにより、異常なほど私が受付に居ると群がってくる


これは、大袈裟なリアクションなどをする私にも責任がなくはないが怠い。



もっとイラつくのが、勘違いして私を食事に誘おうとする奴らだ。確かに私に好意を持ってしまうのは仕方ないが、いい加減ダルイ。


何かと理由は着けて断るが、それでもしつこく来るものも居る。勘弁してほしい。



ここまで人気が出た、理由の一つには、私流の冒険者が聞くと大体嬉しくなる言葉を抑えているからだ




私の、高等テクニックの一つ。それは、冒険者に効く、さしすせそ、だ



この五つのキーワードで、大体何とかなる


先ずは、さ


「ええ~?こんなに!、、流石です~」


今の言葉の、流石に注目してほしい。さすが、と言えば、馬鹿みたいに喜ぶのだ。奴らは

正直普通だろ、と思うがそこは気を使う




次に、し


「嘘?一人でこんなに?信じられない!」


信じられない、これは、、まあ、少しは凄いな。やるじゃんと私が思えば使う。





次に、す


「凄すぎです。」


これは、特に何とも思わないけど、何か言っておこうと思った時に使う。

さすが、すごい、これを適当に交互に使うことがおススメだ。




次に、せ


「センス、いいね!」


これは、主に何か新しい装備や、服を着けている奴に使う。絶対に使うわけではないが、偶にこういう気が利いたことも言わないとね!




最後に、そ


「そ、そんなに、何処で?」


これは、依頼より多くモンスターを狩ったりした奴に使う。表面は凄く驚いているが、実際は、内心そうでもない。


もちろん本当にそう思って、この五つを使うときもあるが基本的には、そうでもないことが多い。


この五つを、ローテしたり、または同時に使ったりしていけば、可愛い私は自然と人気者だった。私に好意を持つのは仕方ない。


そう、例えば、この村のSランク冒険者であっても例外ではない。

マドウ・ロッタール。この村のSランク冒険者。小さい時から冒険者として活動し、上級魔法を使えるこの村では知らない者はいないくらい有名だ


依頼は毎回それ以上の事を成し、屋敷を所有する金持ち。要は、勝ち組だ、他とは全然違う

クールなイメージが着いており、少し近づきにくいなんて言われたりもしている

そんな、彼でも私に好意を持ってしまった。なぜわかったのかと言うと



彼は、分かりやすい!。いや、クール系どうした?っていうくらい分かりやすい

依頼はほぼ毎回のように、私に持ってくる。最初は、偶然かな?と思ったがそうでもない!


ほぼ9割は、私。そして、褒めるとどことなく嬉しそうになる。無表情だが、どことなく分かるのだ




最初は、私の魅力にひかれるのは仕方ないと、思っていた。でも、彼、、、悪くない。

依頼は真面目にこなす、冒険者あるあるの鼻に着いた態度も無し、そして屋敷持ちの金持ち。


これは、優良物件じゃないか?彼の元に行けば、衣食住は最高クラス。こんな仕事を続ける必要もない。

世の中を上手くわたる為に、仮面を付けて生活しているがそれも必要がなくなる、、、


彼が、どうしてもと言うなら特別な関係になってやらなくはない

そう思い、彼からのアピールを待った。彼が告白するのも時間の問題だろうと思いながら


 

しかし、一向にアピールなし、、、

奥手すぎる。毎回私に、少し褒められるだけで嬉しそうに帰って行く。


今日は、仕事終わった後暇だな~。


とか言っても食事に誘おうともしない。


いや、しろよ!分かりやすいように、お前の依頼の承諾しながら、言ってんだぞ!

お前の目の前で。誘えよ馬鹿。


ここまで奥手だと、少し予想外。もしかしたら、鈍感?気付いてない?、勘違いして今の関係を崩したくないのは分からなくはない。、、仕方ない、私からも何かアクションを起こしてあげるか。


しかし、これでも

私から、休日暇ですか?とか聞いても、依頼があるって言うし。

暇なときはありますか?って聞いても、依頼って言うし。

何なんだ?この男は?


奥手すぎる。、、



毎日依頼をこなしているのは、好感が持てるのだが、、、



そんな感じで、日々は過ぎて行った。


とある日だ。変な男が現れたのは、字が書けないと言う変わった格好の男。

この年で書けないとなると、普通にヤバい奴だと思った私は悪くないだろう。

そんな印象は、彼のステータスで吹っ飛ばされた。


異常。その一言に尽きた。


四桁になるだけで凄いのに、5000だ。思わず叫んでしまった。まあ、、、叫ばなくても良かったのだが、、、いつもの癖がせてしまった。


その後は、怒涛の日々だった。ドラゴン討伐。

あっさりと、偉業を成し遂げた。

そして、Sランクへ。


二つ名まで、尽き。彼と並ぶ冒険者に、、

そして、モンスターの襲撃、ここでもドラゴンを討伐


益々名声は高まった。だが、反対に彼は、、、

村を守るために彼は、戦った。そんなの見なくても分かる、ふだんの彼を見ていればそんな発想は出ない


だからと言って、私の様な意見を全員が持つことは無い。心無いうわさが駆け巡った


今まで、彼がモンスターをどれだけ狩っていたのか分からないのだろうか?

いきなり現れた。ドラゴンなんちゃら、のいい噂ばかり



励ましたいが、上手くいかない。受付に居る時話しかけようとしたら、ドラゴンなんちゃら来るし、、



彼は、ツバキの元に行ってしまう。ツバキは正直気に入らない。彼を好きと言うことは、直ぐに分かる。

尻尾を振り回しすぎだ。彼と話すときは、彼女はこうなる。



その後も、噂が改善されなかった。彼の噂が、子供たちまで、、

もしかしたら、彼はここから去ってしまうのでは?

そう言う考えも出た、、、、



そして、魔族の襲来。こんなところに現れるなんて、、、、

しかも、魔王軍の四天王。

やばい、誰が止められるんだ、、、



ギルド内でも、不安が場を支配していた。外からの轟音が聞こえる


長い間、なっていたが不意に止まった。

暫くすると、四天王撃退の知らせ。


村は喜びに溢れた。勿論私も嬉しかった

だが、それ以上に嬉しかったのは、彼が、、


そして、彼の噂が、一変した。勝手な奴らだと思うがそれでも、、嬉しかった。




















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