第15話

「、、失礼する」


マドウは、館の中に入るといかにもと言った感じの怪しい感じだ。壁は紫、変な絵もある

中には、机と椅子がが三つほど置いてある。机の上には、水晶が輝きを放っていた

自分と向き合う位置に、ローブ姿のおばあさんがかなりお年を召している

マドウは席に着く。


「いらっしゃい。早速だけど何を占いたいんだい?」


マドウが座るといきなり話しかけてきた。彼女はタロット名前だ。この王都で何年も活躍する占い師だ


「、、適当に今後の運勢でも頼む」


「はいよ。少し待ってな、、、」


彼女は水晶に手を置いて、目を閉じた。


(そう言えば、タロットと言う名前なのに、占いは水晶使うんだな、、、タロット占いかと勝手に思っていたんだが、、、しかも、結果的に目を閉じてるし。水晶意味あるか?)




マドウは、目を閉じている彼女の占い結果を待ちながらツッコミ的な事を考えていた


「、、これは、驚いたねえ、、」


静かに彼女は、呟いた。


「こんな、星の大きさは見たことないよ、、、今までで一番だ」


(星?結局何が、見えてるんだ?この人は?まさか、適当に言ってるんじゃないだろうな?)



彼女は尚目をつむり続けている。少し疑いたくなってしまうマドウ。

そこから数秒すると、彼女は水晶から手を放し目を開けてこちらを見た


「こんな人間とは、あったことないよ。とある鍛冶師以来だよ。驚いたのは」


「そうか、、、」


(ここまで言われて、悪い気はしない、、、俺つえええ、、、とは少し違うか。、、)


心の中で若干喜びつつ、やはりそれを顔には出さない


「凄いけど、、最近あまりうまくいってないようだね?」


ぴたりと当てられ、僅かに眉が少し動く。それが、タロットにも分かったようで


「やっぱりね。でも安心しな。その星の大きさなら、直ぐに何でももうまくいくよ」


「、、星とはなんだ?何があんたには見えてるんだ?」



先ほどから見えていると言っているが、本当に見えているのか?そもそも、星とは何か。追求せずにはいられない


「あたしは、人を星のように見ることが出来るんだよ。近くの人限定だけどね、、そして、その先や今を何となく見通す。そういう占いなんだよ。」



「それは、水晶が必要なのか?その来ているローブも、、、」



先ほどの占いでは、水晶をに手を置いて目をつむった。普通は水晶をのぞき込むものだ

それに意味はあるのか、来ている怪しげなローブにも意味はあるのか疑問が尽きない


「うーん。あんまりないね。本当は何もしなくても、人が近くにいれば見えるからね。ようは、形が大事なんだよ。何事もね」


(確かに、、俺も形や格好は、大事にしているな、、)


「なるほどな、、」


普段の自分もかなりそういうところが、あるので納得してしまう。


「あんたには、特に言うことは無いね。それほどの大きさなら何処でもやっていける。」

「そうか、、、邪魔をしたな、、」


マドウはそのまま席を立ち、扉に手を掛けた。開けると先ほどまで晴れていたが、少し曇っていた


館から、出ると先ほど列で前に入れてくれた二人の女の子がいた


「あ、終わりました?」

「ああ、先ほどは助かった。礼を言う」

「気にしないでください」


「そうそう、流石に始めからは可哀そうだと思ったから、私たちが勝手にやった事だしね」

「そうか、」


流石にもう笑ってはいない、二人はそのまま、館の中に入って行った


(占いか、、、結局何をすればいいのか分からないが、、、、、帰るか。)


マドウは村に向かって歩み始めた



今から、少し前のスタッツ村。



村では、朝から働く者が多い。冒険者も、ただの村人も

活気があふれていた

村の入り口に二人の男が立っていた


「ここが、龍殺しの居る村か、、」

「我ら、魔王軍の邪魔になるものを排除しましょう。」


2人のしっぽが生えた男。斧を持った筋肉質の男、杖を持った老人を様な男

は村に入って行く


すぐに、村人が入ってくる2人を見つけた。最初は、ただの旅の者かと思ったが

よく見ると尻尾が生えてる


しかし、獣人ではない。人間と同じ容姿で尻尾がある種族は、一つしかない。


魔族。

他種族と敵対し、恐れられる種族。そして、彼らの上には

魔王。頂点に立つ。最悪最恐の王

村人は、直ぐに大声で叫びながら逃げ出した


「魔族だ!魔族が出たぞ!」


大声で村中に知らせる。


「バレたけど?いいのか?」

「構いませんよ。こうしたほうが、龍を殺した人間も出てくるでしょう、」


2人の魔族はそのまま、村を歩き始めた



ギルドには、ハクト、ザコル、などが集まっていた。他にもライズ、リーゼンも居る



「今日は、何の依頼しようかな?」

「お前なら何でもいけるだろ。我らが<ドラゴンスレイヤ->」


掲示板の前で、ハクトと取り巻きが依頼を選んでいた。ザコルはハクトに腕を組む

ライズとリーゼンは、ごみを見る目だ


「あの野郎。調子こいてるな。」

「ああ、切るか?」


2人は、マドウの件もありイライラが止まらない様子。最近はマドウの噂が良くないためイライラに拍車を掛けていた


しかし、これはなんだかんだ、いつもと変わらない。

はずだった、、、


「大変だ!」


1人の冒険者が慌てながら、ギルドに入ってきた。全員が何だと視線を向ける


「ま、、魔族が攻めてきた!」


リーゼンとライズは真っ先に反応した


「本当か!?」

「馬鹿な!?」


2人が驚きの声を上げると。知らせに来た冒険者は声を震わせた



「ほ、ほんとうだ。尻尾が生えて、、人間の容姿を持った、男二人が今村を歩いてる。」



そこに居た、ほとんどが驚愕と恐怖を持った


「ここは、魔族の地域から大分離れているのに、、、、、」

「嘘だろ、、」

「ヤバいんじゃないか?」


不安な声や感情が上がる中、ハクトだけは気の抜けた態度だった


「あの、魔族ってそんなにヤバいんですか?」


ほぼ全員がこいつ何言ってるんだという目で見た。魔族の悪名、特に魔王の話は有名だ


リーゼンが代表して、話した


「魔族は、なんども他種族と戦争を繰り返した種族で、危険と言われている種族だ。」

「そうなんですか、、」


そう言われると、少し恐怖な様な感情が浮かんだ。


「とりあえず、2人なら、どうにかなるかもしれない。全員で討伐に向かおう」

「そうだな、、2人だけなら、、、」


ギルドが魔族を討伐する方向で話が進んでいく。そこにギルド職員も


「皆さん、その話が本当なら依頼を発注します。報酬は後で決めますが、参加者には全員報酬を支払います」



1人の職員がそういうと、全員武器を持ち始める。報酬が出て、相手は二人。

こちらは何人も居る


「我らが<ドラゴンスレイヤ->が居れば軽いもんだな」

「えっ?どうですかね、、魔族は戦ったことは無いですし、、、」


ザコルは乗り気だが、ハクトは須古自身がない様子。


「龍を討伐したあんたなら、行ける。」

「そうだよな。」

「<ドラゴンスレイヤ->がいれば、、、」



周りはハクトに期待と希望を乗せる。ドラゴンを二体倒した彼に、もはや敵はいない。確信していた


「よし、我らが<ドラゴンスレイヤ->行こうぜ!」

「分かりました。行きましょう」


ハクトを筆頭に全員がギルドから出て行った。ギルド内は、魔族が攻めてきたことでどうすればいいのか、パニックが少し起きているものも居た

この村に、魔族なんて攻めてきたことは無い


「大丈夫かしら、、、」


ツバキは不安が心から出てしまった。この村には、自身の両親も居る。もし、と最悪の結果を想像してしまった


「大丈夫?」


ハランが、心配そうに椿を見ていた。


「ええ、大丈夫よ」

「本当に手震えてるよ?」


ツバキの手が震えていたことに、ハランは気付いていた。いきなり魔族が攻めてきて、怖くないわけがない


「彼が、、居れば大丈夫。」

「マドウ君?」

「ええ、でも今日は、彼を見てないから、、」


今日は、一度も見てない。偶に休むことはあるが、彼の姿がないと不安になってしまった



「大丈夫だよ。マドウ君は、ピンチになったら絶対来てくれるから、」

「、、そうね。彼なら、何かあったら必ず解決してくれる」


まだ見ぬ彼を思って、心臓に手を置いた


「未だに来ませんね。」

「ああ、村の真ん中に居るのにな」


村の中央広場で、魔族の二人はじっと待って居た。二人はそこで、ここに複数の足音が近づいているのに気付いた


「来たようですね」

「ああ、そのようだ」


二人が、足の鳴る方を見ると、何人も冒険者が、装備を整えて近づく


ハクトが前に立つ。



「貴方達が魔族なんですか?」


「その、通りです。私は、魔王軍四天王の一人。デンゼル。」

「同じく、ハドウ」


四天王。魔王軍、魔族に置いて、魔王の次に強い者。


杖を持った年を取った老人の様な魔族が、デンゼル

斧を背にしている筋肉極まっているのは、ハドウ

二人とも、尋常じゃないオーラを感じた


「四天王?、、」


「嘘だろ。。なんでこんな村に」


冒険者達に、亀裂が入る。四天王の名は世界に響いている。悪い意味で

その強さと、恐怖は誰もが知る所だろう


「私たちは、龍を殺した人間に用があります。その他は、特に興味ありません。今すぐ消えれば、見逃してあげましょう」


デンゼルが言葉に、足を一歩引いてしまう者が複数いた。勝てるわけがない

なら、逃げたほうが良いと


「大丈夫だ。我らが<ドラゴンスレイヤ->に任せれば!」


ザコルはハクトの背を叩いた。それで四天王の二人は気付く


「ほう?あいつが、、、」

「そのようですね。では、小手調べに、、」


デンゼルが杖を振る、彼の前に魔法陣が現れた。そこから、炎が噴射。

ハクトは慌てて、風で相殺する。


「<エアロブラスター>!」


風と炎の激突。両者拮抗してるように見えたが、ハクトは、決死の表情で耐えるが、デンゼルは眉一つ動いていない。今彼が相殺していなかったら、死者が出ていたかもしれない

やはり、と全員が敵と見定めた


「いきなりかよ。魔法使い、こいつを援護しろ!」


不味いと思った、リーゼンが他の魔法使いに指示を出す。そうすると風の魔法を使いハクトを援護する


風に風が加わり少し押し返し始めた


「よし、俺はもう片方を!」

「俺も行く」


リーゼンとライズがそれぞれ、大剣と剣を持つ。他の冒険者もそれぞれ武器を持った


「行くぞおお!」


リーゼンが雄たけびを上げ、それにつられるように他の冒険者も、反撃を始める

四天王のハドウは、ゆっくりと歩み始めた。そして、


「喰らええ!」


リーゼンが大剣でぶった切ろうと、大きく振りかぶる。そのまま、振り下ろし

首に刃が当たった。


しかし、そこから動かない。目の前の事実に全員の時が止まった。錯覚だがそう思えた

目の前の現実が、脳が許容しなかった



鉄以上の強度。いや、そんなものではない。


目の前にいるのは、自身の常識など微塵も通用しない。異次元の存在

ハドウはそのまま、首止まった大剣を手を乗せた

そして、握りつぶした



「こんなものか?まだまだ、甘い。」


リーゼンは慌てて距離を取る。こいつは勝てない。全員が現実を突きつけられた


「どうした?もう来ないか?」


腕を組んだまま、彼は動かない。しかし、冒険者たちは動けない。

今の攻防で、いや、そんなものではない


ただ、立っいただけ。それだけなのに次元の差を見せつけられ、戦意が喪失

冒険者達は武器を下に下げた

最早、降伏に近い。


「所詮こんなものか、」


がっかり、期待外れと言った感じだ。勿論彼は期待何て最初からしていない

デンゼルの方も、決着が着こうとしていた。一時は勝てるのでは、と思ったがそんなことは無い


噴射の勢いが、どんどん強くなる。あり得ないほどに、

二倍、三倍、四倍、五倍と獄炎が強くなり、迫ってくる。


「やばい、、、このままじゃ、、」

「死にたくない、、」

「、、、いやだ、、、、」


冒険者達の悲痛の声がこだまする。ハクトにも聞こえていた


「ク、、そ、こうなったら、、<エアロブラスター>!」


もう一陣魔法陣を作って、そこからさらに魔法を放つ。しかし、魔法陣は下にそのまま、風の通り道を作り炎を空に逃がした


「ほう、やりますね。魔法を同時に二つ行うとは。しかし、所詮は人間。最早、勝負は決しましたな」


炎が一度、空に逃がしたことでデンゼルは、魔法を解き感心した声を上げる

だが、勝敗はもう変わらない

リーゼン達も戦えない。魔法も通じない


「もう、終わりにしますか。」


杖を再びふると、魔法陣が出る先ほどより巨大なものだ


「無理だあーー、、、」

「俺もやってらんねえよ」



次々と逃げ出していく、ハクトもう終わりだと、膝を落とした。勝てない

自身のはるか上を行く存在。

最早死を待つだけ、、、


(こんなところで死ぬのか。、、日本から気付いたらここに居て、、ずっとうまくいってたのに、、、、、、、)


彼は自身の記憶を思い返していた


(そう言えば、俺今までそこまで、、苦労したことなかったけ、、、大体うまく出来てたからな、、本気で何かを望んだこと、取り組んだこと、無かったな、、、最後にこんなこと考えて死ぬなんて、、)



もう死ぬ、それを自覚したとき


「クソがああ!」


リーゼンが折れた大剣をデンゼルにぶん投げた。いきなり、投げられたがデンゼルは杖を持ってない手で剣を掴む。一度魔法はキャンセルされた


「おい!大丈夫か!立て。」


リーゼンはハクトの元に行き、呼びかける


「もう、、無理だ。あれは、俺のかなう相手じゃない、、、逃げても何しても無駄だ、、」


「確かにそうかもしれないが、もう少しあがこうぜ、、俺もさっき一度諦めちまったが、、アイツらをほっとけない。」


デンゼルとハドウを見た。二人とも余裕を保っている


「龍殺し、さえ渡せば貴方は見逃すと言ってるのですが?」


「、、、そんなことをして、嫁と子の所には帰れねえんだよ」


拳を握って、デンゼルに答えた。


「なかなかの人間じゃねえか。」


ハドウは気に入ったようだ頬が上がっている。リーゼンの言葉に他の冒険者にもう一度と


武器を取った!



「うおおおお!」


リーゼンが向って行く。再び冒険者たちはそれに引かれるように、全員が雄たけびを上げる


「「「「ううおおおお」」」」


デンゼルに向かうが、彼は魔法を使わず杖を使ってまず、リーゼンの腹部に杖の先を当てた


「ぐっほお、、」


数メートル吹っ飛ぶ。今度は、他の者たちも止まらない、

向って行くが、全ていなされる

しかし、


「まだあああ!」



何度も彼らは向って行った。何度も吹っ飛ばされる。デンゼルとハドウに向って行く


「なんで?、敵わないだよ?絶対に負けるのに、、、」


ハクトは彼らの姿を見て、心を大きく動かされるような気がした

そして、


「頑張れーー!」

「頼む、倒して!」

「<ドラゴンスレイヤ->頑張って!」

「この村を頼む!」

「あんた達ならできる!」


村の人。子供、大人。が何人も声援を送った


老若男女が本当は、逃げ出したいのをこらえて、応援。必死に

力なんてないのに


(ここで、やらなきゃ、、、いけない。例え敵わないとしても、、、、)



(何だ?これ?、、自然と力がわくような、、、勝手に力が入るような、、、、)



この時ハクトは理解した。


(これが、、本気になるって事か!)


再び、手を突き出し魔法陣を三つ展開。


優れた魔法使いは、同時に魔法を複数展開できる。しかし、三つとなると出来るものは少ない


「三つも、、、これは、やはり排除したほうが良さそうだ」


デンゼルも魔法を展開する。特大な魔法陣を五つ。


二つの魔法がぶつかる。風と炎


先ほどの比ではない

ハクトも極限の中進化した。先ほど冒険者と合わせた風より大きい。

しかし、それでも、、、


「く、、、」

「諦めなさい。私には、勝てない」



炎が迫る。風が無理やり侵食される。そこで、僅かに炎が軽くなった



「!、、」



見ると先ほど逃げた、魔法使いたちが再び戻ってきて、風の魔法を放っていた


「どう、して?」

「新入りに良い格好させるもなって思って戻ってきたんだ!」

「さっきは逃げて悪かった。もう一度戦わせてくれ!」

「俺も、付き合うぜ。何処までもな!」


俺も、俺もと全員が強い意志を示した


「これが、、冒険者なのか、、」


ハクトはその時、初めて冒険者たちの真の姿を見た気がした


声援も強まる


「行くぞ!、一気に全員限界を絞り出せええ」


1人の魔法使いは叫ぶと、全員が魔力を引き上げる


「「「「「「「「「「うおおおおおおおおおお!」」」」」」」」」」」


村の人たちも応援を送った


「「「「「「「いけええええええ!」」」」」」」



炎を風が追いやり、そして、

風で炎を吹っ飛ばし、そのままデンゼルに風と炎のすべてが、直撃。

あの威力では、後ろの民家は吹っ飛んでしまっただろう。

しかし、そんなことを考える間もなく嬉しさが


「やったのか?」

「うおおお」

「やったぞ。1人倒した」


村人達が喜ぶ。ハドウと戦っていた冒険者たちも


「やったのか?」

「よし、後1人」

「いくぞ!」


しかしハドウは、不敵に笑っていた。上がっていた土煙が沈んでいく

そこにあったのは、全く民家にはダメージがない。

無傷。そして、禍々しい障壁を張りその中で、デンゼルは笑っていた



「、、、、嘘だろ」

「無傷って、、」

「もう、魔力が、、、」


冒険者、村人全員が、希望が失われた

これが、魔王軍四天王。

魔族のトップに居るもの。



「いや、、驚きました。惰弱な人間がここまでできるとは、、しかし、本当にここまで、、」

「良くやった人間。今まであって来た人間はここまでの者はいなかった。」


ハドウも褒めたたえる。ハドウに向って行った者たちは既に全員地面の上だ

全滅だ。


「まだ、終わらない。」


再び魔法を展開しようとするが、魔法陣が浮かばない。魔力切れ、あれだけ魔法を連射すれば当然


しかし、デンゼルは余裕に展開する



「もう、魔法を使えないようですな、、」


魔法が放たれる。


「や、やめろーーー」


1人の子供が、デンゼルに向って行った。それは、以前マドウが母をすくった子供。

そして、マドウを信じる子供


「待ちなさい。マモル」


母親が止めるが子供は、マモルは止まらない。デンゼルに向って行った


「何ですか?貴方は?」


その、尋常じゃない雰囲気に涙を浮かべるが、必死に吠えた


「やめろ。この村から出て行け!」

「出て行きますよ。龍殺しを殺したらね。」

「やめろ」


デンゼルの足にしがみつく、しかし、直ぐに足をわずかに振ると、吹っ飛んでしまう。


それを、慌てて母親が受け止めた


「お前なんか、マドウがいたら一発なんだぞ!」


子供がデンゼルに泣きながら、言った


「マドウ?、誰ですか?それは」

「この町で、、一番強いんだ!そして、カッコいいんだ!」

「なら、何故ここに居ないのですか?、恐れて逃げたのでは?」


他の者たちも何故いないのか、疑問だった。今日は一度も見ていない。

最近の噂が、拍車をかけ逃げたのでは、その場を殆どがそう思った


「逃げてない!」


「ここに居ないと言うことは、逃げたもでしょう。現にこの場のほとんどの者はそう思っているようですが?」


「うるさい!でたらめ言うなジジイ!」


僅かに青筋を浮かべるデンゼル


「人間如きが魔族である、私に暴言を、魔族以外の他種族は下等生物なのに、、、いいでしょう。先ずあなたから消してあげましょう」



魔法陣をマモルとその母親に向ける。ヤバいと、冒険者たちは動こうとするが、もう力が入らない


「なあ、俺あんまり殺しはしたくないんだけど?」

「貴方の事情は知りません。これは、罰です。人間如きが私を、下に見たね。。」



四天王同士でも、僅かな考えの違いがあるらしい。ハドウは無駄な殺しをしないが、デンゼルは他種族を下に見る



「では、、、さようなら」


炎が放たれようとした時、


風がどこからともなく、飛んできた。デンゼルは障壁を展開する



上級魔法<エアロブラスター>



しかし、ハクトはもう魔力は無い。なら、誰が、、デンゼルは


見る、、誰かが、こちらに近づいてくる


黒い髪、黒い目、刀を一本腰に装備してゆっくりこちらに歩いてくる



「おい、、あれって、、」

「マドウだ、、、」

「、、マドウが来た」


人々が次々に呟く。マモルが


「マドウ!やっぱり来てくれた!」



リーゼンも傷だらけになりながらも笑った


「ようやく、来たか」



デンゼルは、障壁を解いた、

デンゼルはハドウの隣に立つ


「誰ですか?貴方は?」


  


「マドウ。この村のSランク冒険者だ」



静かに彼は、呟いた。















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