第7話

ブラックライオン。かなり強い協力モンスターである。鋭い歯と爪四足歩行で狂暴。

身体能力も高い。


肉食で、他のモンスターも食べてしまう。高ランク冒険者専用討伐モンスター


ざっくり説明すると、黒いライオンの超強力版という感じだ。



今はそのブラックライオンが、草原で寝ている。今は一匹。このモンスターは基本的に群れない。

結婚をし、子供が出来るとすぐに手放す。

獅子が我が子を谷に落とす感じだ。


(寝てるな。魔法をぶっ放して、狩るか)


その時、ハクトの言葉を思い出す。


『ええ~?平均5000ってぇ~そんなに凄いんすかぁ?』


かなり自身のイメージで引っ張られているが、ハクトはこんな感じだった。


(、、、刀で倒したほうが、経験値高いかな、、、)


魔法で一瞬で、肩をつけるのではなく、あえて肉弾戦でいくことでステータスを少しでも上げようと

彼に差をつけようと考えた


(よし、、刀で行くか!)



刀を抜き、走り出す。ブラックライオンは気付きこちらに襲い掛かってくるが、華麗にかわし刀を鞘に納める


一瞬、。すでに、切っていた。

ブラックライオンは絶命した。すぐに荷台に乗せ移動を開始する。


(今日は、何しても無駄だが何か大きな戦果をあげないと、俺は、、、、咬ませ犬になる、、)


あの男も、何かとんでもない功績を上げるのではないかという焦りが彼を突き動かした


移動しながら、あちらこちら探している。何かいいモンスターはいないか、、、目立つ、功績が高いモンスターは、、


「雑魚は邪魔だ!」


あちらこちらでモンスターを狩りまくったのだが、結局見つからなかった。

数時間は探したのに大したものは見つからず終了した。



もう、夕方だ。ブラックライオン一匹でかなり凄いのだが、少し足取りは重い。

 

(アイツ、何かとんでもない物持ってこないよな?)


だいたい、ああいう輩は初見のくせに無駄に結果を出す。想像以上のものをだ



荷台を運びながら、村に入って行く。

村の人たちは、やはりいい人ばかりだ。、みんな驚いてくれる

荷台を持って歩いていると、聞き覚えのない声の主が俺に話しかけてきた


「うわーこれ凄いですね。なんてモンスターなんですか?」


後ろから声がしたので、振り返るとこの町に合わない格好の学ランを着ている


奴だ。天道ハクトがブラックライオンを興味深そうに見ていた。


(、、、出たな。あんまり関わりたくない。適当にあしらってギルドに行こう。)


「ブラックライオンだ。」




歩くのを再開して、淡泊に答えた。話はこれで終わりと言わんばかりで

普通はここで会話は終わりなのだが、、

奴はハクトは、俺の隣に来て一緒に歩き始めた


(えっ?コミュ力高すぎない?いきなり隣くる?初対面だよね?)


「今日から、新人冒険者なんです。よろしくお願いします。」


ご丁寧にあいさつまで、彼はしてきた。村の人でさえクールな感じの彼には、よほどのことがないと話さないというのに


「そうか、、、」


(え、何?Sランク冒険者です。よろしく、とでも言えばいいの?、、それは嫌味みたいになるから言えないが、、、、)


いきなり隣に来て、自己紹介されてもこちらは何といえばいいのか、マドウはそこまでコミュ力は高くない



「ちなみに、僕の名前は天道ハクトです。貴方は何というのですか?」


(何なんだ、、こいつは、、俺はそこまでコミュ力高くないんだ。、、しかし、ここで言わないのも、、悪いよな、)


「マドウ・ロッタール、、、」


「よろしくお願いします。マドウさん」


人懐っこい少年だ。雰囲気もそこまで悪くない


(悪い奴では、無いのかもな、、)


しかし、この印象は数分後に崩壊する。





ギルドはモンスターを持っていく場所がある。

鑑定所だ

そこにモンスターなどを持っていき、そこにいる鑑定士のおじさんに頼むと、鑑定してそれをギルドの受付でお金としてもらうという


感じだ


この、いつもマドウが使っている荷台はこの鑑定所で無料貸し出ししているものだ。使うとモンスターの血とかで汚れるので、ちゃんと洗ってから返すのが主流だ



マドウはハクトにずっと話しかけられながら、ここまで来た。


(こいつ、めっちゃ話しかけてくるんだが?、、コミュ力が高いとかそんな、レベルじゃないぞ、、コミュ力のステータスも5000越えってか?)


イメージが悪くなり始めていた。あれから、マシンガントークのように話され鑑定所に早くついてくれとずっと祈っていた




「おお、マドウ。そこにモンスターを置いてくれ。」


ベテラン鑑定士のロックだ。

昔からの知り合いであり、世話になっている人


「ああ、頼む」


荷台を置き、ロックが観察する。ハクトも興味津々と言った感じで見ている


「ほお、ブラックライオン。状態もいい。かなりの額を期待できるぞ」


「そうか、、、」


「おおー凄いですね」


ロックは何時もナチュラルに褒めてくれる。ハクトも手を叩いて感心していた


「受付には俺が言っておく、」


「頼む」


何時ものやり取りをして、マドウは受付へ向かおうとしたその時


「あ、僕も鑑定いいですか?」


マドウの鑑定が終わると、ハクトが鑑定してほしいと手を挙げた。


「おっ、いいぞ。荷台は持ってないから薬草か何かか?」


「ええ、まあそうなんですけど、それだけではなく、、。」


そう言うと、ハクトの目の目に黒い穴のようなものが開いた


(あれ、?ちょっと待ってこいつもしかして、、、)


嫌な予感が全身を襲う。認めたくない、だが、現実に起きている

ロックも見たことないので驚いていた。

ハクトは穴の中に手を突っ込んで、何かを探す素振りをする


「えーと、、あった」



中から、手を抜くとまさかの、常識ではない物を平然と取り出す

ドンと地面に置き砂ぼこりが起こる。何かと言うとそれは、それは、、、




「こ、これはドラゴンじゃねえか!」


鑑定士のロックが大声を上げた。その声で、他の冒険者達も、なんだ、なんだと寄ってくる

ロックは興奮冷めやらぬと言った感じで、ハクトを見た


「坊主これをどこで?」


「えっ、薬草探してたら、襲ってきたので倒しました。」


さも当然のように、大した事なんてないそ言う感じだった。しかし、周りはそうではなく


「おいおい、ドラゴンだって?」

「ドラゴンを新人が?」

「信じられない」

「<ドラゴンスレイヤー>だ」

「<ドラゴンスレイヤー>だって?」

「<ドラゴンスレイヤー>の天道ハクトだ!」


周りでは、ドラゴンスレイヤー、ドラゴンスレイヤーとうるさいが、またしても彼は、


「え?これって凄いんですか?」


(凄いんだよ!)


苛立ちを心の中でぶつける、ハクトはとぼけている。

ドラゴンは、普通なら出会えない。であったとしても討伐なんてできっこないのだ

もし、倒せたらSランク冒険者にいきなりなれる位の偉業だ

そんなすごい事なので、ロックは信じられないようだ


「倒したって、怪我はないのか?」


「ええ、まあ特には、、」


「すごいな。ここではずっと働いているがドラゴンを持ってきた奴なんて、初めてだ。なあ、マドウ?」


もう正直話しかけないで欲しい、と思っていたがそんな態度を出来るわけがなく。ポーカーフェイスを保って答える


「ああ、それに収納魔法なんて物も初めて見たな、、」


最早感想を言うくらいしかできない。こいつよりすごいものを、出すことなど不可能だった


「収納魔法じゃなくて、異空間魔法なんですけど、、、、」


「そうか、、」


(うっぜえええ。間違えたの俺かもしれないけど、、、うぜえええ。)


聞きなれない魔法にロックが反応する


「亜空間魔法?なんだそりゃ?」


「えっ?俺の固有魔法みたいなやつです」


おおおーっと再び歓声が上がる。固有魔法は珍しい



魔法は、火、水、風、土。の属性四つと。

それと、無属性、。

合わせて五つ

基本はこれで構成される。無属性は、身体強化と治癒だ


それ、以外の特殊性に特化したのが固有魔法だ


「おおーすげーー」


「なんだよ。あいつやるじゃん」


周りは大騒ぎだ。マドウは気まずくなって静かにそこを立ち去った


(畜生、、アイツ、、ドラゴンって何だよ?しかも、亜空間魔法って何だよ?

ブラックライオン凄いとか言って、自分はドラゴンって嫌味だろ。くそーー荷台洗うのってめっちゃ地味!)



水の魔法を応用して、荷台を洗いながら一人そう思った。


場所は変わってギルド。


「はい、依頼と換金の合計。」


「ああ、、、」


ツバキから、お金を貰う皆ドラゴンを見に言っているため人はほとんどいない。ギルド内も何やら忙しそうだ。

おそらくハクトのランク関連だろう。ドラゴンを討伐したのだから、いきなり高額ランクになってもおかしくはない


DからSで構成されているが、基本は地道に上げていくものだ。しかし、何事にも例外はある


「外が騒がしいわね」


「ドラゴンスレイヤーが誕生したからな、、、」


「ギルド内も大騒ぎよ。ドラゴンの相場なんて、わからないから、私以外、皆資料と睨めっこしてるわ」

「ドラゴンは何十年と討伐されてないからな、、、」


マドウはお金を懐に入れ帰ろうとする。


「もう行くの?」

「ああ、、」

「そう、、、」


そのまま。何か言いたげなツバキだったがマドウが帰るのを見送った























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