第四話 柑奈咲政策②
「王子様がこの学校にいます!」
うんうん、それは100%俺のことだ。
そこで俺がイケメン陽キャなら、「それ俺でーす」的な感じで行けたのかもしれないが、現実は非情だ。
俺は隠キャなのでそのように立ち回ることはできない。
そして、俺だと見破られるつもりはないので秀介に「そろそろ行こうぜ」と声をかけ、秋介も「おう」と教室に向かって歩き始める。
俺のことを探し始めることは予想できたが、あのように大胆と仕掛けてきたことには少しばかり驚いたが、柑奈咲の取った手段はなかなか良いものだと俺は分析をし始める。
柑奈咲は自分の価値を把握しているのだろう。
だから、わざと女性にとっての憧れの異性などに使う「王子様」なんて名称を使い、主に男子生徒に強い興味を持たせようとした。
現にそれは成功している。
そうすることで必然的に王子様探しと言うゲームが成り立つので、捜査の人員を大量に獲得できる。
俺は、全校生徒800人いるこの学校の半数である400人ほどの目を掻い潜らなければいけない状況になった。
なかなか上手くやってるんだな。
厄介だとは思ったもののそれでは俺にたどり着くことはないだろう。
何故ならば俺は空手と柔道、剣道、ボクシング、レスリングを完璧にマスターしていることをクラスの人たちに知られていないからだ。
まあ、ひとまずは大丈夫だろうと考えたりしながら教室のドアをくぐる。
やはり、クラスは先程の話題で持ちきりだった。
しかし、俺にはこのクラスで業務連絡ぐらいしか話さないので(話せない)そんな悲しい現実から目を背けるように椅子に腰掛け、読書を始める。
今日の一冊は不思議な世界観と可愛いヒロイン達が売りの「青春ブタ野郎シリーズ」だ。
少し切ない気持ちを抱きながら読み進めていく。
「それにしても麻衣さんかわいいな」あっ、やばいと思った時にはすでに遅し。
おもわず口から出てしまった一言が周りの視線を集めてしまったようだ。
そして皆、表紙と俺の顔を交互に見ているのだが、顔がひきっている。
そんなに何回も見ないで恥ずかしい〜、、、はいはいそこのお嬢さんあなたは6度見しましたよね。
現行犯で逮捕しちゃうぞ⭐︎
すまないまたキャラ崩壊が起きてしまったようだ。
そして俺がブックカバーを帰りに買いに行くことを決意しているとチャイムが鳴り担任の斎藤先生が入ってきた。
斎藤先生は可愛くて、良くも悪くも天然だ。
生徒の間では絶大な人気を誇っていて、綾学院大付属高校 BEST TEACHER グランプリ前回選挙では2位の先生との票が600も開くという珍事を巻き起こした人物だ。
逆にそんなに差がつくと他の先生達が嫌われてるのか心配になるな。
俺が言えることではないのは自覚しているが。
確かその時の優勝スピーチで斎藤先生は
「私のこと知ってる人はいるかな?」
「いるだろ600人も」
と突っ込まれ納得したように笑顔になった後
「なんか嬉しくなってきちゃった! 次の国語のテストは簡単にしまーす」
などと無意識に生徒からの好感度を爆上げしていた。
天然美人恐ろしや、、、
とろあえず、こんな先生なので怒ることは勿論、声を荒げるところも見たことがないのだが、今日の先生は一味違った、いや、あの真剣な瞳、三味ぐらい違いそうだ。
クラスメイト達もただならぬ雰囲気を感じたのか、視線が教壇の上にいる先生に集まっている。
先生はうんと満足そうに教室を見渡してこう言い出した。
「皆さんに伝えなければいけないことがあります。」
「それは」
「それは?」
ゴクリと生徒たちが生唾を飲み返答を待つ。
「柑奈咲さんの王子様探しを学校全体でレクリエーションとして行うことにしましたー!」
はぁ?
_______________________________________
あとがき
こんにちはブレックファーストです。
さあさあいよいよ始まりました 本編!!
盛り上げますよー!
この小説は長くて呼びにくいのでなんか良い略し方ないでしょうか?(切実)
ハート、フォロー、お星様をポチぽちぽちとよろしくお願いします!
みんなが押してくれたら一日三本投稿も夢じゃない!?
では、また
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます