3.新しい音楽の探し方

 以前、とある音楽系サイトの記事で、「人は30歳半ばで新しい音楽を探さなくなる。新たな音楽を発見する年齢は24歳がピーク」という調査結果を目にしました。

 “何歳になったら”というのは最終的に個人差があるのでしょうが、要は、大人になればなるほど、次第に新しい情報を音楽を聴かなくなると。

 無理もないですよね、過去のストックが増えていけばそれだけで事足りるし、大人は趣味の話をする友達と毎日会えるわけでもないですから。


 でも、私は生きてる間は出来る限り、好きな音楽を増やし続けたいなと思っています。

 そうなると、やはり日頃から意識的に新しい音楽を探して、「新しい音楽を探さなくなる日」を遠ざける必要があるのです。


 今回は、せっかくの機会なので、どうやって日頃新しい音楽と出逢っているのかを、書き出してみたいと思います。

 もし、新しい音楽を探したいけどどうしたらいいかわからない……とお悩みのかたや、もっと新しい音楽を知りたい!というかたがいらしたら、なにかひとつでもお試し頂けると、ちょっぴり世界が楽しくなるかもしれません。


 ※ 以下は、全て国外の音楽についてです。邦楽だと、また違うやり方があるかもしれません。




 大きく分けると、1.レーベル、2.ラジオ局、3.フェス、4.YouTubeチャンネル、5.その他、が情報源です。


 では、それぞれの具体例をざっと挙げていきます。



●1.レーベル

4AD/ Brainfeeder/ Blue Flowers/Domino record/ Beatink/ Ninja Tune/ Asthmatic Kitty/ Nice Guys 等

 似た雰囲気のアーティストを扱う事が多いので、好きなアーティストが出来たら、レーベルを調べることが多いです。まだ規模が小さいアーティストであっても、レーベルがTwitterやInstagram等で情報を教えてくれますし、他にも良い音楽をたくさん知れます。

 好きなアーティストが主催しているレーベルも、あればチェックしています。掘り出し物の音楽を見つけられることが多いです。(例えば、上記では、Sufjan Stevens主催のAsthmatic Kitty。その系統のアーティストが集まっています)



●2.ラジオ局

KEXP/ BBC /NPR 等

 ラジオとは言え、ラジオライブのアーカイブや良い感じの企画等、YouTubeが充実してます。インディーズからメジャー、ジャンル問わず知れるので、幅を広げたい・好きな系統がわからない時には、とりあえず覗いてみると楽しいですよ。

 NRPのTiny Desk Concertあたりは、洋楽好きな方であればご存知の方が多いかもしれないですね。(日本人も時々出演しています)

 KEXPは、ラジオDJとアーティストの会話も含めたアーカイブが出るので、ラジオ感覚で楽しめます。

 そして、BBCは音楽チャンネルだけで6つくらいある肝の入れよう。金曜夜(日本時間土曜の早朝)はひたすらハウスがかかっていたりします。国営なのに振れ幅がすごい。

 いずれも海外のものなので、公式サイト上では、時々、地域制限で日本からは見られないので要注意。



●3.フェス

Summer sonic/ BBC big weekend/ coachella/ Bonnaroo/ Glastonbury Festival 等

 現地・配信問わず。自分にとっての掘り出し物を見つけるには一番良い! そして楽しい!

 ですが、今年(2020年)は、通常の形式でのフェス開催があんまり期待できないですね。この状況、実は新しい音楽探しに結構ダメージが大きいです。気分でしかないのですが、どうしても、アーカイブ配信だと、「既に知っていて好きな音楽」ばかり見てしまうので。

 現地やライブ配信で「時間が合って偶然見かけて好きになった音楽」というのは本当に多く、かつ、出逢いの衝撃も相まって、長い間好きでいることが多いため、この出逢い方は本当に大事にしています。早く、ライブが昔のように出来る時期が来て欲しいものです。



●4.YouTubeチャンネル

La Blogothèque/ Mahogany sessions/ COLORS/ Chillhop Music 等

 色んなアーティストが出ているので、きっかけ作りに◎好きなアーティストが出てるチャンネルを辿ると、似た雰囲気で掘り出し物が見つかる可能性が高い印象があります。

 また、変わり種では洋服ブランドでお馴染みBurberry。昔は、Burberryの衣装を着たアーティストが、アコースティックでライブをやる企画を出していました。今でも、新進気鋭のアーティストを、時々YouTubeで紹介しています。

 また、Chillhop Musicのように、コンセプトに合った音楽を、24時間ひたすら流し続けてくれるチャンネルも良いです。「こんな感じで何かください」に応えてくれるのが助かります。



●5.その他とはいえ強力な存在

・海外旅行

 飛行機内で利用できる音楽チャンネル(旅行先や飛行機会社の国のヒットチャート等)と、現地のCD屋さん。

 お店では、出来るだけ店員さんにその国で人気のアーティストを教えてもらうようにしてます。国によって、音楽やCD事情も違って楽しいです。あと、どこの国でも音楽好きは音楽好きに優しい。CD屋さんは優しい世界です。

 ただ、日本の都市部と比べて、CD屋さん自体が少ない国がほとんどです。(確か、東京あたりは、世界有数のCD屋さん密度の高さだったような。)営業時間含め、事前に調べてから足を運ぶことをお勧めします。


・Boiler room

 ざっくり言うと、世界中にある、DJ系・エレクトロニカのクラブです。なので、その他に含めました。

 クラブと書きましたが、その主目的はアーカイブを残すことなのかなーと認識してます。(お客さんも招待制だった気が。)

 YouTube内のアーカイブが充実していて、最近では、アーティストが自宅で演奏しているライブをたくさんアップしています。

 アッパーなパリピ系、サイケデリック系、アンビエント系と、DJやエレクトロニカと言っても多彩な音楽が聞けて、飽きません。


・More record

 大宮のCD屋さん。アンビエント系を中心に、セレクトの雰囲気が一貫していて、レーベルもお持ちです。最近では、ラジオも始められたとか。CDの紹介ブログを読んで、思わず購入してしまったものが、数知れず。


・好きなアーティスト

 影響された音楽や共演者を見てみます。意外と、好きな音楽と作る音楽って違うものですよね。文章も同じか。

 また、海外のアーティストは本人のSNSアカウントで気軽にライブをやったりしているので、見逃せません。


・Spotify

 無料会員だと、聴いてるうちに「好きな系統の知らない曲」に飛ばされるので、掘り出し物を見つけるチャンスが多いです。


・映画

 どうして楽曲紹介はエンドロールの終わりの方なのか……。最後まで目が離せません。


・YouTubeのサジェスト

 ピンと来たらクリック推奨。割と侮れません。


・知人

 ツボが合うorツボがバレてる人が何人がいるので、よく教えてもらってます。




 つらつらと書きましたが、結構あるものですね。


 もし、新しい音楽の探し方に苦戦されている方がいらしたら、好きなものから試してみて頂けると、楽しめると思います。

 そして何より、「こういうのもあるよ!」という耳寄り情報があれば、ぜひ教えてください。貪欲に探しに参ります。

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