1 「天ぷらうどんとカレーと肉まん」

「天ぷらうどんとカレー、あと肉まんください。」


「お、今回は『高希こうき』君がジャンケンに負けたんだね。はい。じゃぁ呼ばれたら来なよ。」


「はいよー。」


 いつものように食堂のおばちゃんに食券を渡し、俺は友人2人が取っておいてくれているであろう隅の席に向かう。

 今は授業の4時間目が終わり昼休み。中々早めに食堂に来たと思っていたのだが、結構な混み具合だ。


 ところで突然だがこの俺、『佐藤さとう 高希こうき』は前までは食堂ではなく教室で弁当を食べていた。


 確かに出来たてを提供する食堂のご飯は冷えた弁当よりもはるかに魅力的である。出来たては最高だ。だが、俺は混みあった所でご飯を食べるのはまぁ我慢できなくはないのだが、出入りが激しい入口付近だと人の動きが気になってしまいゆったりとご飯が食べられないのだ。


 なので前までは悲しい目をしながら冷えた弁当を教室で食べていた俺なのだが、その嫌な部分を友人の1人が入口から遠くリラックスできる隅の席、いわゆる最高スポットを確保する係と、皆の食券を1人で並んで買って、おばちゃんに渡してくる係を決めるというナイスな作戦を思いつき、俺は温かいご飯を静かな席でゆったりと食べれるようになったのだ。


 まぁこのことで何が言いたいのかって言うと、友人は最高だぜってことだな。


「遅いぞ。たかが3人分の食券を買い食堂のおばちゃんに渡すだけなのに何分かけているんだ? まったく。ジャンケンに負けたクソザコは行動も遅いみたいだな? ナメクジだってもう少し機敏きびんだぞ。」


 そのくだんの友人の1人は食堂の1番隅の席に腕組みをしながら座り、俺を見るや偉そうにそう言い放った。


『友人は最高だぜ』という前言は撤回させてもらうとしよう。


「おいなんだ高希? その道端に吐き捨てられたガムを見るような目は?」


 よくもまぁじゃんけんで負けただけの人を罵倒出来るなと呆れていると、その男は前髪で若干隠れている持ち主の心を映したかのようなよどんでいる瞳を俺に向けながら言葉を続ける。


 この道端に吐き捨てられたガムのような友人の名称は『毒島ぶすじま もみじ』という。


「遅くて悪かったな。でもちゃんと頼んできたぜ。椛の『ビーフ・シーフード・チキン丼』。」


「なんだその陸・海・空を網羅した妙に語呂が良いメニューは!?」


「お値段7200円。」


「値段高くね!? 学食で出していい値段じゃねぇよ!」


「因みに食べると死ぬ。」


「値段だけじゃなく殺意も高いのかよこの食堂!?」


 俺は椛とくだらないやりとりをしながら椛の横の席に座る。


「いや高希、自然な感じで俺様の隣に座るなよ。カレーをちゃんと頼んだんだよな? な?」


 椛はまだ何か言うがめんどくさいから無視をする。


「高希。椛なんかのカレーは別にどうでもいいとして僕の肉まんはちゃんと頼んできたよね?」


 すると前から声が掛けられた。


 そこにはもう1人の友人がその可憐かれんな顔を真剣にさせ俺を見ていた。

 まったく。どんだけ俺は友人達から信頼されていないのだろうか。


 この可憐な、可愛い顔をしているにもかかわらず何故か男用の学生服に身を包んでいる美少女は『早乙女さおとめ 紗希さき』。


 小柄で声が少し不規則でかすれている。いわゆるハスキーボイスというやつだ。

 童顔で艶の有る黒髪を肩まで伸ばしている。パッと見は女子で、じっくり見ると美少女。


 だが性別は男……らしい。


 まぁ『僕は男だ』と紗希本人が言っているだけなので十中八九じっちゅうはっく女だろう。


「買ってきたから安心しろよ。というか、紗希はお昼が肉まんだけで足りるのか? いくら女子でも高校2年生なんだからもうすこし腹に入れた方がいいぞ。」


「まって。高希はまだ僕の事を女子だと思ってるの? 許さないよ?」


 紗希は呆れたように言う。そんな呆れたような表情もうっかり恋をしてしまいそうなほど魅力的だ。


「おいおい俺様を無視か?」


「はいはいどうしたのさ椛? まさかその顔でかまってちゃんなの? えっ、そんな面白い顔で?」


「しばくぞ紗希。」


「まぁそんな煽るなよ紗希。それに、椛の顔のことは言わない約束だったろ? ……にしても確かに今日はいつにもましてうっとおしいな椛。ほんとお前はうっとおしいな。なにかあったのか?」


 椛にどうしてそんなにイライラしてるのか聞いてみる。


「なんでうっとおしいを2回いったのか問いただしてやりたいが、とりあえずよくぞ聞いた。実は、さっきの授業中にスマフォで日課のサイト荒らしをしていたんだが、この学校の裏サイトで俺様の悪口が書かれていたんだ。『人類共通の敵』とか『関わるとロクな事がない』とか『この世から争いがなくならないのは全てあいつのせいだ』とか『神様の失敗作』とか『生理的に無理』とか……」


 そう得意げに椛は語っているが、自分の悪口に悲しくはならないのだろうか?


「……とまぁ目を覆いそのまま眠りにつき、全てを忘れて希望に満ちた明日に羽ばたいてしまいたくなるような悪口の数々が書かれていたわけだ。俺様の精神じゃなきゃ耐えられなかったな危なかったぞお前ら。」


 何が『危なかったぞお前ら』なんだろうか?


「とまぁそういうことでだ! 昼飯を食ったら俺様に心ない悪口コメントを書き込んだ犯人を探しに行くぞ。」


何が『そういうことで』なのかさっぱりわからないし興味もないが、椛はまるで俺と紗希が犯人探しに協力することが決定事項であるかのように不遜ふそんに言う。


「そんな不毛な事に時間を使いたくないんだが?」


「うるせぇぞ高希。おい紗希。俺様と高希で犯人を見つけるから、殺害するのは頼んだぞ。」


「自殺はやだなぁ。」


 椛の頼みを聞き、紗希は困った顔をして言った。


「……犯人紗希かよ!?」


「そしてそのコメント全てに『いいね』をしたのは俺だ。」


「やたら俺様への悪口コメントにいいねがされていると思えば高希か!? クソが俺様に味方はいねぇのかよ!?」


 椛は涙目で当たり前の事を叫ぶ。

 椛は最初から孤軍だったぞ?


「ニクァマンφθΩ51δωニクァマン!! /?юсъбовχ√βδ殺害γ=анн46ольニクァマァン!!」


 そんな話しをしていると、食堂に奇声が響いた。


 声のした方を見ると、この世のものとは思えない美しい美女がそこにはいた。

 完璧な目鼻だちをしモデルばりにすらりと長く伸びた手足。銀色に輝く髪を腰まで伸ばしている。大きくてナイスで夢がつまった胸をダサい食堂のエプロンで無理やり包んでいるさまはもはや歩く18禁。

 初めて見た男は、いや女ですら見とれてしまうであろう絶世の美女だ。


「あっ。今日は密入国者みつにゅうこくしゃのケーシィがいるんだね。」


 紗希が今言ったように、あの絶世の美女の名前は『密入国者のケーシィ』。

 噂では行き倒れていたところを食堂のおばちゃんに助けられ、そのままおばちゃんの家に住み着き、そしてどうしてか一緒にこの食堂で働いているらしい。

 性格は明るく気がきき、笑顔がとても魅力的な素晴らしい女性だ。



 だが言葉は一切通じない。



「相変わらず食堂のメニュー以外で何を言ってるか聞き取れないな。」


「いや、俺様には今明らかに『殺害』って聞こえたぞ。」


「アハハハハ。椛は何を言ってるのさ? 密入国者のケーシィがそんな事を言うわけ無いじゃないか? とりあえず肉まんは多分僕のだから行ってくるよー。」


「はいよー。」


 俺は軽く手を振り肉まんを取りに行く紗希を見送る。


「密入国者のケーシィなぁ……。あれで日本語が通じたら最高なんだがなぁ……。なんで日本語はおろか英語も通じねぇんだよ。いったいどこの田舎の国から来たんだか……。というかほんと密入国者のケーシィは破廉恥だな。最高。」


 椛が密入国者のケーシィの暴力的な胸を見ながらため息をつく。


「お。胸をガン見しながらの差別的発言。痺れるねぇ。」


「こんなバカバカしい話しかしてねぇのに酷い言いようだな高希。」


「お? 知的な会話してやろうか?」


「ほぉ。高希が知的な会話をか? どうか聞かせておくれよ?」


「……クジラって、哺乳類なんだぜ?」


「もう黙ってろよお前。」


 俺の知的な話題に椛は可哀想な奴を見る目で答えてくれた。チクショウ。


「ただいまー。知的って?」


「あ、紗希おかえりー。椛がバカバカしい話しかしないって言うから、知的な話をしようって事でクジラの話を少しな。」


「? 知的な話でなんでクジラ?」


「さぁな。まぁこの話題で分かるのは高希のバカさ加減だけだから別にどうでもいいだろう。」


 失敬な。クジラの話は軽いジャブで、次は食物連鎖の話しをするつもりだったんだぞ。


「なるほど、それもそうだね。にしても知的な話しかぁ……。この前の闇鍋は過去で一番苦しかったよね?」


「どうしてこの流れでその話題になるんだよ。」


 闇鍋。


 それは俺とこの友人2人、+2~7人で開催される月1のイベントだ。死人が出ないのが不思議な恐ろしいイベントでもある。


「この前の闇鍋、参加した奴ら全員が3日学校休んだよね。」


「俺様は5日だがな。土日をいれて1週間休んでやったぜ。」


「ほんと椛はなにやってんだよ。ゴールデンウィーク気分か。……でも『あいつ』も寝こむとは思わなかったな。」


『あいつ』と自分で言って、俺の頭に血まみれで倒れる人間達の中心で腰に手を当て高笑いをする女が現れる。

 恐ろしいのですぐに頭を振ってそのイメージをかき消した。


 横を見ると椛も同じイメージをしたのか少しだけ身体を震わせている。


「あっ。その『あいつ』だけど、またどっかの奴半殺しにしたんだって。それで今自宅に軟禁中だって。」


「怖っ。もう関わるのやめとこ。」


「高希それいつも言ってるよ。」


「つまり『あいつ』はいつも誰かを半殺しにしてるってことなんだよなぁ……。」


「……。」


「……。」


「……。」


「カレーの人ー。」


 微妙な空気にカレーという単語が飛び込んできた。


 これ幸いと椛は立ち上がる。


「じゃ、俺様だな。行ってくるぜ。」


「おう。二度と帰ってくんなよ。」


「朽ちろ。」


 返事をしてあげたのに椛に中指をたてられた。理不尽とはこのことだな。


「……で、知的な会話かな? 今の。」


 紗希は肉まんを両手で包みながら言う。


「いや、闇鍋の話は知的からは程遠いと思う。」


「……うーん。朝のテレビの話しでもする?」


「おっ、なんか気になるニュースでもあったのか?」


「今日の天気は晴れ。」


「ニュースですらないのかよ……。」


「ニュースだと未確認生物がでたり変な白いガスマスクをした集団が」


「天ぷらうどんのお兄ちゃん! できたよ!」


 紗希の話しを遮るようにおばちゃんの声が食堂に響く。


「おい高希呼ばれてんぞ。」


 俺が席を立つのと同時に椛が帰ってくる。


「分かってるよ。先に食ってていいぞ。」


「あたりまえだろ。だれがお前を待つかよ。」


「僕も肉まんが適温になったから食べてるよ。」


「薄情な奴らめ。」


 俺は2人にそう言い食堂のおばちゃんのもとにいく。


「おっと。」


 その道中、横から来た誰かにぶつかりそうになる。


 俺の反射神経でなんとかぶつかる前に避けれたが、相手もぶつかりそうになった俺に気づき頭を下げかけていた。


「あっ、すみません……ってなんだ。高希じゃんか。」


 だが俺だと気づき頭を下げるのをやめる。


「そう言うお前は同じクラスの『愛理あいり』だな。」


 愛理は俺を見ながら気まずそうに頬を掻く。


 俺の記憶が正しければこの困ったような笑みを浮かべる女子生徒は、俺と同じクラスの『大友おおとも 愛理あいり』だ。


 黒髪を背中まで垂らし、血色の良い肌とすらっとした美しいラインを描いた肢体。それなのにこれまたご立派な胸を持つ少女だ。クラスの中でも上位の可愛い女子だから顔と名前は覚えている。しかしそれ以上は分からん。なんなら話した事も片手の指で足りるくらいしかない。


 そんな何もわからないと言っても差し支えがないようなクラスメイトの愛理は、どういうわけかその場に立ちどまり困った顔で俺を見つめている。


 ……なんだ?

 まぁ確かにそんなに仲良くない異性のクラスメイトに反射とはいえ敬語で謝っちゃうとなんかきまずいのは分かるが、こちらもきまずいので早く立ち去るか何か行動をしてほしい。


「あー、奇遇だね? 高希って、今は食堂でご飯食べてるんだ?」


 !? 話しかけてきやがっただと!?


「お、おうそうだぞ。俺は前は弁当派だったが今は食堂派だ。何故かと言うと出来たての」


「愛理ー。なにしてんのー?」


 何故か会話をしてきた愛理に対しなんとかおかしい反応をしないで会話のラリーを続けようとしたところ、愛理の後ろから3人の女子が現れた。


「うわっ。高希じゃん。」


 そのうちの一人が俺を見て明らかに顔をしかめる。


 なんで? 

 今なんで『うわっ。』って言ったの?


「『3匹のバカ』の1匹が何でここに……。あっ、隅の方に残り2匹いるじゃん。」


「うわほんとだ……。愛理、はやく戻ろ。」


「えっ? えっ?」


「なに愛理、もしかしてナンパでもされたの? 同じクラスなんだから3バカに関わるとロクなことにならないのは知ってるでしょ? ほらいくよ!」


「ちょ、ちが、えっ?」


 現れた女子3人が戸惑う愛理の手を引きどこかに行く。因みに俺も愛理のように戸惑っている。というか絶望している。まさか俺があの『人類悪の椛』と『サイコパスの紗希』の仲間だと思われているだなんて……。


「天ぷらうどん!」


「え!? あっすみません!!」


 絶望に飲まれ金縛りにあっていると、食堂のおばちゃんに大声をかけられる。なんとかそれで金縛りはとけ、俺は謝りながらおばちゃんのもとに急ぐ。


「遅れてすみません。」


「いいよいいよ別に。それよりあんた。女子の悪口なんぞいちいち気にするのはやめなよ。こんなんでダメージ受けてたら人生は生きづらいだけさ。ほれ。この天ぷらうどん食べて早く忘れな。内緒で大盛りにしといたから。」


「あ、有難う御座います!」


 どうやら一部始終を見られていたらしい。

 ……やっぱり食堂のおばちゃんは元気で愛想があっていいな。飯もうまいし理想のおばちゃんって感じだ。


 俺は先程の愛理達の件は一度置いておき、2人のいる席に戻る。


「……いやいや。それはタブーだろ。」


 すると椛と紗希は俺に起こった不幸には全く気付かずに次の話題で盛りあがっていた。


「戻ったぞ。」


「高希おかえりー。……でも椛。タブーとはいっても実際、これが一番僕たちに関わる話題でしょ?」


 紗希が肉まんを頬張りながら言う。


 俺は天ぷらうどんをテーブルに置き、椛に視線を送り話しを促す。


「あー……。」


 椛は片眉を器用に下げる。

 椛が言い淀むと言うことは、あまり楽しい話ではなさそうだな。


「僕たちの健康診断をした病院が襲われた事件。」


 だが紗希はそんな椛の態度を無視し言ってのけた。


「あー……。」


 その言葉に俺の反応も椛と似たようなものになってしまう。でも、これはさすがに食堂で談笑するような話題ではない……。


「実際のとこ、僕たちの健康診断書とか盗まれたって噂、本当なんじゃないかな?」


 そんな俺と椛の反応をやはり無視し紗希は話を続ける。


「ゆーてよ? そんなん盗んでどうするってんだよ?」


「それはわかんないけどさ。良くないことであるのは確かだよね。」


「確か闇鍋の後のだよな? 胃が壊れてないか心配で結果を早く知りたかったんだけど、それのせいで結果は分からないままなんだよなぁ。」


 実際俺は3日間ガチで寝こむなんて初めてだったから、本気で健康診断の結果が気になっていた。


「血まで採る割と気合入った健康診断だったからな。俺様も闇鍋のせいで身体どっか壊れてないか不安なんだが……。」


「先生方もそれの対応で最近はてんやわんやだったらしいし、僕も下校の時テレビの人にインタビュー受けそうになって大変だったなぁ。」


「全校集会でマスコミとかには何にも言うなってくぎ刺されてただろそれ。」


「もし金でも貰おうものなら個別指導するからなと脅すのはどうかと思うがな。……とりあえずこの話題はタブーだ。やめだやめ。」


 椛はそう言いカレーを食べる。


 ………………。


 盗まれた健康診断書か。


 なんとか犯人が捕まればいいが。


 ……いや、いっそ俺が犯人を探すのもありか?


「どうしたの高希?」


「うぉ!?」


 紗希が俺の顔を覗き込んできた。意識の外だったからいきなり紗希の可愛い顔が目の前に現れたように感じビビる。ビビるというかドキドキする。あやうく恋するところだぜ。


「そんな驚かなくてもいいじゃんか。」


「高希だせぇぞ。」


「いやほんと心臓に悪いぞ紗希!? お前は自分の顔面偏差値をもう少し意識してくれ!!」


「いやだって高希が難しい顔してたからさ? 高希の事だからなんとか犯人を自分で見付けられないかって考えてるんじゃないかとね?」


「バッ!?」


 まさかの図星で声が詰まる。


「そ、そりゃ人の為になるなら何かしたいだろ?」


「でも誰もお前には助けてを求めてねぇぞ?」


 なんで椛はそんなこと言うん?


「お前その息をするように喧嘩売るのやめろって。泣くぞ。」


「まぁまぁ。じゃぁ、高希は誰かに助けを求められたらどうするの?」


 紗希はニコニコと何が楽しいのか聞いて来る。


「そりゃ、なんか頑張るさ。」


「すみませぇんもっと具体的にお願いできませんかぁ?」


「椛は人を煽る天才かよ。」


 椛はご丁寧に困ったかのような表情を作って俺を煽る。


「頑張るか。言ったね? 期待しとくよ主人公ヒーロー。」


 紗希は紗希で何言ってるかよくわかんねぇし……。

 いやまぁ何言ってるかわかんないのはいつものことか。


「てか、早くクラス戻ってゲームしようぜ。悪口の犯人が分かって予定がなくなったしな。」


 いつの間にかカレーを食べ終えていた椛が話しの流れをぶち壊して言う。


「それもそうだな。」


 俺はそう言って、天ぷらうどんをすすった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る