第2話 放課後
「凪沙帰るぞ」
「💤」
凪沙は帰ることもできない。
授業が終わってクラスメイトが全員帰ってもずっと寝ているほどだ。
以前俺は風邪で早退してしまうことがあった。
風邪が治り、次の日学校へ登校して来た俺は凪沙が寝ていることに気づいた。
「凪沙起きろ」
「んっ!あっ、さっちゃんおはよ」
「昨日はちゃんと一人で帰れたか?」
「あっ。私ずっと寝てた」
「バカ」
ということがあり、1日も欠かさず凪沙と一緒に帰るようにしている。
俺は寝ている凪沙の頬をつねって起こす。
「んっ?さっちゃんどうしたの?」
「授業終わったから帰るぞ」
「もうそんな時間なんだ。でも、あと少しだけ...」
「だから寝るな。あと少しって言っても俺が起こさないと一生寝るだろ」
「そんなこと、、、ない、、よ...」
すぐにうとうとし始めて寝てしまった。
こんな時は凪沙の手を首に回して無理やり立たせる。
「さっちゃんありがと」
「なら自分で歩け」
「私は歩けないよ。歩くたびに寝ちゃう」
「どういう体質してんだ凪沙は」
「眠り体質?」
「確かに違いねぇーな」
「でもいつもさっちゃんが私を歩かせてくれるから何にも問題ないんだ」
「大有りだ。またには自分で歩け」
「やーだ。私はさっちゃんなしでは生きていけ、、、な、、い...」
そう言うと凪沙は立ちながらも寝てしまった。
俺と凪沙の顔はすぐ隣にあり、すやすやと凪沙の寝息が聞こえてくる。
俺は脱力し切った凪沙の身体を引き寄せ、歩く。
こんな状態を周りに見せないために生徒がほとんど帰った時に俺たちは帰るようにしている。
「さっちゃん。いつもありがとね」
凪沙の方を振り向いたが寝言だったようで、気持ち良く眠っている。
俺は凪沙の寝言を聞き、凪沙が駄目人間になろうとも俺が身の回りの世話をしようと決めた。
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