秋雨

久方ぶりの雨が 窓を強く打ち付ける


金木犀の花びらを散らし

むせ返る香を洗い流し

あちらこちらに残された夏の気配をさら


瑞々しい木々もいつの間にか葉を染め

思い想い 朱に黄に

緑眩しかった山までをも

鮮やかに 華やかに

秋色へと染め上げていく


見上げれば落ち葉

足元には葉擦れ 奏でる絨毯じゅうたん


瞳を焼くほどだった日射しは何処へか

耳には 遠く微か

波音の代わりに

物静かな 次の季節の足音が聞こえてくるよう


秋雨

激しく けれど短い雨

冬が訪れるまでに

あと何度 降るのだろうか

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