失態⑦

「ねぇまー君、一緒にお昼どうかなっ?」



 四限目終了のチャイムが鳴り響いたあと、春香が俺に席にお弁当を持ってやって来た。



「良いよ。じゃあ一緒に食べよう」


「やった!ありがとうまー君っ!」



 弾んむような声に弾むような笑顔。思わず、春香に見とれてしまう。

 お弁当を一緒に食べるってだけでこんなに笑顔になってくれるんなんて。この笑顔がずっと見れるのなら、俺は毎日でも一緒に食べたいと思う。


 まぁだけども、ことはそう上手く運ぶことはない。



「正幸君。私も一緒にご飯食べたい」


「……ダメ。まー君は私とご飯を食べるのっ」



 話しかけて来た名取を、俺の左隣りに座った春香が抗議をする。……なぜだかは分かんないけれど、この二人は敬遠の仲らしい。俺的にはどちらも大切だから仲良くして欲しいものだけど。



「あなたに聞いてない。勝手に答えないで欲しいこの屑犬女」


「はっ、はぁ!?誰が屑犬よっ!じゃああんたは泥棒猫ねっ」



 ワンワン、ニャーニャーと威嚇する二人。……うーんと、ペットショップかな?


 そんなアホなことを考えていたら、名取がタッタッタと駆け寄ってきて、俺の右腕に抱き着いた――っておっぱいっ!凄い当たっちゃってますけどぉっ!?や、やわらけぇ……。


 あぁでも、これはこれは。まことにいとおかし……。



「ほら、正幸君は私が良いって」


「ま、まー君ね……なに鼻の下デレデレと伸ばしてるのよっ!」


「……鼻の下だけじゃないかも?」


「は……?名取急に何を言い出すんだ……?」



 一瞬、理解が追い付かなくて俺は名取の方を向く。すると、名取がグググッ……と距離を詰めてきて、耳元でこう囁いた。




「――おち〇ちんも伸びちゃってるかなって……?」




 体中に電流が走ったような感覚を覚えると同時、俺の息子さんがおはようさんし始める。今起きるのはちょっとダメかなっ!?



「ふぅーん……おっぱい当てられただけで、大きくしちゃうんだぁ……?」


「いやっ大きくしてないから怒らないでくれ――はぅっ!?」


「体は正直だね。正幸君」



 名取が何を考えたのか、制服の上から息子さんをさすって来た。この子、見た目めっちゃ清楚だけど、ビッチなのかなぁ……?



「あんたっ何触ってるのよっ!?」


「だって正幸君は私のものだから、触るのも勝手。でしょ?」


「んっ……ちょダメだって…………」



 さすられているだけだけど、童貞にはこの刺激が強すぎる。もう興奮しすぎて頭がどうにかなりそうだ……。



「――まー君は、私のものだもんっ!」


「っ……!?」



 突然、春香は手を伸ばして息子さんに触れだしてきた。そして二人してさすりだすから、こう喧嘩し合う。



「まー君のおち〇ちんは私のものっ!」


「正幸のおち〇ちんは私のもの」



 お前ら俺の何を奪い合ってるのっ!ってかもう本当にどうなってるんだよ俺の青春はぁ!?














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