第11話 うちの晩御飯

「ただいま〜」


玄関のドアを開けて帰宅を知らせる。


「あ、お兄ちゃん。おかえり〜」


「おう。」


リビングから顔を出す桜。

よし、これから夕飯の準備をしようとしたら

キッチンの方から何やらいい匂いがしてくる。


「もうすぐご飯できるから〜あ、こういうときは……」


桜がご飯を作っているのか。珍しい事もあるものだ。

にしてもこの匂いは………カレーか。


カレーの香ばしい香りが俺の腹ぺこなお腹の食欲をさらに掻き立てる。


「ご飯にする?お風呂にする?それとも、わ·た·し?」


「カレーが出来るまで風呂食ってくる。」


「ちょ、なにそれ!?てかノーリアクション!?

せめてツッコミぐらいはしてよ!?」


「ナンデヤネーン」


「ツッコミすら適当!?」


俺はツッコミを放棄し、早々に風呂場に向かうのであった。




____________





「はぁ…………あったまるわぁ………」


俺の疲れ果てた体にお湯の効能?が染み渡る

ような感覚だ……


「にしても……今日はめっちゃ見られたな……」


登下校している時も、ジロジロ見られて俺の精神は

疲労困憊だった。


「この生活が続くのか………」


俺は良からぬ予感がしたが、そんな事は、

ぐゅるるるる……という音で忘れてしまった。


俺の腹の虫が一際大きな音でなる。


もう出よう。

そして桜の手作りカレーを食べてさっさと寝よ。


「よっこいしょ……」


俺は重い体を動かし、風呂場から出る。


そこで事件は起きた。


「お兄ちゃん。そろそろご飯食べ……よ………」


「あ」


タイミング悪く、俺が出た瞬間に脱衣所のドアを開け、桜が入ってくる。不意のことだったので何も隠せなかった。


つまり……あれだ。モロだった。


桜は俺の顔を見ると、どんどんと目線を下にしていき、俺のを見る。


桜は顔を真っ赤にしていた。

さながらトマトのように。


「ご、ごごご……ごめんなさいッ!!」


バンッとドアを勢いよく閉めて、ダンダンとすぐさま走り去るのが足音でわかった。


「見られた……」


俺は不意とはいえ、俺のを見られた事に時間差で羞恥心が来た。


遅刻だ。羞恥心。反省文書いてこい。






~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~






「「……………………」」


気まずい雰囲気がリビングを支配する。


桜はさっきからずっと黙々とカレーを頬張っていた。だが、さっきから目を合わせてくれない。


「帰ったぞ〜ってどうした?お前ら?」


「親父……」


俺の親父の折本翼おりもとつばさ

男手ひとつで俺たちを育ててくれた俺の自慢の親父だ。でも重度の親バカ。


「実は……かくかくしかじか……」


俺は親父だけに聞こえるように耳打ちをして、

事情を話した。


「なるほどなぁ………桜。ちょっと来い。」


親父が手招きをして桜を呼ぶ。


お、なにか話をすんのか。


頼むぞ……

親父。俺たちの絆はあんたに託された……


「桜……空のはどれぐらいだった?」


「ちょっと待てーい!!!!」


「どうした?」


「どうしたのこうも無いだろ!?なんで桜にサイズを聞いてるんだよ!?俺の話聞いてなかったのかよ!?」


はぁ……はぁ……と息を切らしながらも親父に話の趣旨を理解させようとする。


「だって気になるんだもん。」


「なにが、『だもん』だ!?ふざけてるのか!?

桜!!気にするな……よ……」


俺は桜を見ると、片手でこれぐらいと示していた。


「ほほ……ノーマルでそんなものなのか……」


あ、もうイヤだ。この家族。主に親父が。


「桜、お前はお兄ちゃんにどうして欲しい?」


……………ちょ、なに言ってんの?

近親相姦は人道に反するぞっ!?


俺は桜が大好きな自他ともに認めるシスコンだが、流石にそこまで落ちぶれてない!!!


「許して……欲しいです……」


「はへ?」


俺はようやく理解した。『あ、俺勘違いしてるわ』と。同時に恥ずかしくなった。


俺は本当に変態だ。


「おい。そ〜ら?お前ナニを考えていた?」


ニマニマと笑っている親父を見て俺は、

抱いちゃいけない感情さついを覚えた。


「お兄ちゃん……」


俺は親父への感情を必死に抑え、桜の方を見る。


「ごめんなさい。ちゃんと確認しないで入ったりして……許して下さい……」


深々と頭を下げる桜。


別にそこまで怒ってないのだがな……

まぁここはお兄ちゃんらしく、ちょっと説教するか。


「桜。もう確認しないで入ったりしないか?」


「はい」


「今回の事は反省してるか?」


「はい」


「………お兄ちゃんの事は好きか?」


桜が顔を上げて俺の顔を見る。

目頭には少し涙が溜まっていた。


「……はいっ!!」


桜が俺に抱きつく。俺は胸で泣いている桜の頭を撫でて、囁いた。





今日のカレー美味しかったぞ。と……






















にしても親父すごいな。

なんで下ネタから入って俺たちの絆をさらに深めるとは……




この親父……できるっ!!


















───────────


※作者から雑談


今回のお話はどうでした?

自分では無理矢理すぎないか?と思ってます。


まぁ、所詮学生の書く下手くそな物語なんで妥協してくださいまし。


そして、これからもちょくちょく雑談を入れようと思ってます。


是非、これからも「モテなかった(過去形)俺のラブコメディ。」をよろしくお願いします。

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