もののけさうし

なゆた黎

ここにご披露させていただくまでのおはなし、という思い出話(ネタバレはありません)

ここは読まなくても、物語には全く影響ありません。



ずいぶんと昔のことである。


ついこないだのように思うのですが、誘鬼と同じ年の頃に作ったこの話も、気付けば数十年前です…。


一番最初は、クラスの友人たちとやっていた、交換日記ならぬ交換漫画。主人公の誘鬼くんは忍びの頭領の息子。刀だけでなく、なぜだかバズーカをぶっ放すカットやなんかを描いていました。そして、妖怪退治。

妖怪退治、当時はなんの疑問も持たずに「退治」という言葉を使い、でも十代なりの知恵と理屈で物の怪を諭していたようです。水戸黄門のような、勧善懲悪を目指していたのですな。


忍者と妖怪の組み合わせは、単純に、幼少の頃より妖魔や怪談奇談が大好きで、さらに当時は忍者ものにどハマりしていたから。手塚治虫先生の「どろろ」、『りぼん』で連載されていた楠桂先生の「妖魔」、浦川まさる先生の「九太郎がやってきた」、岡田あーみん先生の「こいつら100%伝説」が大好きでした。


タイトルですが、(仮)です。いまだに決まっていない。タイトル考えるのが本当に苦手。今回とりあえずこれにしましたが、ずいぶん長い間「物怪草紙(仮)」でした。漢字をひらがなにしただけ。既出タイトル感ハンパない。

中学時代から(仮)ですが、高校生の時には「八百万霊異絵詞やおよろずりょういのえことば」なんてタイトルのこともありました。「日本霊異記」と「三宝絵詞」のタイトルが目についたんですね。あと「八百万物怪草紙」とか。


さて。

主人公の誘鬼ゆうきくんの名前ですが、「ゲゲゲの鬼太郎」大好きだったワタクシは、鬼太郎のように鬼のつく名前を考えていました。ユウキという読みはわりとすぐに決まったと思います。あとはユウの漢字。国語辞典やら漢語林をペラペラめくっていて、誘の字が目に留まりました。鬼を誘うでいんじゃね? というわけで「誘」に決定。

その次は父親の名前。勇さんはすんなり決まり、弟が、ユウキのキと韻を踏ませたいということで、しばし考えツルギを候補に。そしたら母親はカタナにしたら、みんなどことなく繋がるぞ、と。勇はユウキと聞いて真っ先に出てくる漢字が勇気かなというところから。

鶴戯つるぎは初めは鶴偽でしたが、偽物の鶴よりも鶴が戯れる方が、なんか自由でいいじゃんと、そんな感じで変更されました。この子の絵面は、つのだじろう先生の「うしろの百太郎」。クリンクリンした髪の毛とか赤いちゃんちゃんこが。

華多菜かたなさんも、最初は「菜」が「奈」でしたかな、確か。変更になったのは菜の方が華と近いから。もっと艶やかな字面を見つけたら、また変わるかも。

それから、紫苑しおんさん。彼は、私が敬愛する片山愁先生の「ドラゴンフィスト」の主人公・飛龍の従兄である小雷が、従兄という設定とビジュアル面でのモデルです。私は、世の中で小雷が一番の美人さんだと思っております。名前は、紫苑の古名で別名に「おにのしこぐさ」なんてあったから。かわいい花なのにねぇ…

ちなみに、誘鬼のビジュアルモデルですが、「魔動王グランゾート」というサンライズの大人気だったアニメのラビと、当時偶然目にしたレディコミに載っていた漫画に出てきたキャラクター。人ではなかった。和風の霊とかそっち系だったかもね。レディコミは、怪談特集のページがあったからです。夏休みの頃だったので。余談ですが、怪談読んでいて「怖いなー」と思ってたら、停電になりました。…台風きてたんでね。でも、びっくりした。


昔からすると、私も年を経て考え方もそれこそ当時リアルに中二だった頃のそれからすると、悲しいことに現実に寄りぎみになっています。退治って言葉にも少々抵抗を感じる、難しいお年頃。コンセプトも当時からは変わってしまったなぁと感じています。

そのせいかどうかはわかりませんが、それほど派手にドンパチやりまくるシーンはないと思います。バズーカぶっ放すこともないです、きっと。

でもアクション嫌いじゃないので、格闘シーンなど含めアクションシーン多めにしたいと意気込んではいますが。

キャラクターも、できた当初からすると設定や立ち居振舞いが改良されていたりしますが、それを知るのは私だけ(笑)。



和物で袴少年、狩衣黒髪長髪少年、妖怪、怪談奇談等々、好きなものを詰め込みまくった趣味丸出しの世界です。

偶然にもお立ち寄りくださり、そして何かの気の迷いででも読んでくださった方が、少しでも楽しんでくださったら、幸せです。

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