第10話

巨大な迷路の遊具を舞台に。


体術のトレーニングをする。


すみれ。


忍者の如く。


自由自在に飛んだり降りたりしてみせる。


あかね。

「そこまで出来るの?」


すみれ。

「体の扱い方がすべてやで。」

「体の使い方を知らへんの?」

「体は使い方次第でどうにでもなるんや。」


あかね。

「魔法少女は魔法で身体能力を強化するけれど。」

「ノーマルでそこまで出せるんだ。」


すみれ。

「あかねちゃんもできるやろ?」


あかね。

「わたしは2倍まで強化できるけれど。」

「さすがにノーマルでそれは無理。」


すみれ。

「一緒にやってみる?」

「おいかけっこ。」


あかね。

「なにそれ楽しそう。」

「行くよ!」


身体能力を3倍にまで増やして。


とんでもないスピードで迫るあかねちゃん。


すみれちゃん。


軽々とノーマルで避けていく。


追いつけないあかねちゃんと。


ギリギリで避けるすみれちゃん。


あかね。

「もう魔力を消耗できない。」


すみれ。

「ギリギリやった!」

「魔法の使い方ほんまにうまいで。」


あかね。

「そう?」

「魔法を上手に使おうと考え抜いたけれど。」

「まだまだかな。」


すみれ。

「あかねちゃん本気出したら相手さんかわいそうやわ。」


あかね。

「そうかなあ?」


すみれ。

「いろんなものの使い方が上手やから。」

「何か秘技でもあるんやね。」


あかね。

「能力に頼ったりしないから。」


すみれ。

「どうりで手強いわけやー。」


帰宅して。


ふたりのアトリエにて。


絵画について考察。


あかね。

「ねえねえ。」

「魔法少女って特別なのかな?」


すみれ。

「例外のない規則はないで?」

「どんな規則でも、必ずそれにあてはまらない事例が出てくるもの。」

「規則には例外がつきものであるってことや。」


あかね。

「そうかあ。」


すみれ。

「ところでどうやってあの絵画の能力を得たん?」


あかね。

「美術館には相当通ったよ。」

「ピカソには悩まされたけれど。」

「ゴッホは奥が深い。」

「そもそも絵ってのはああいうこと。」

「大人の趣味やから一筋縄に行かない。」


すみれ。

「きちんとした基盤があるんやな・・・。」


あかね。

「すみれちゃんは?」


すみれちゃん。

「ポイエーシス。」

「創作はな?」

「わざと不完全に仕上げるのが秘訣や。」

「完璧な物なんて創れはせんやろ?」

「不完全に創るのが秘訣なんやで。」


あかね。

「なるほど。」

「そのとおりだと思う。」


千夏ちゃんが来客。


千夏。

「いますかー?」


すみれ。

「いますよー。」


千夏。

「絵画の資料集めてきたんですけどー。」


あかね。

「一緒にページをめくろう。」


美香。

「見学しに来たよ。」

「これお菓子。」


日葵。

「ジュースもあります。」


すみれ。

「ありがとなー。」

「一緒に勉強会してたんや。」


みんなと雑談。


会議したり。


絵画について語ったり。


そして解散。


あかねちゃん。


少し暗くなっている道を。


早めに通り抜けます。


公園を通る時に横から。


紗莉奈。

「早く帰宅しなよ。」


あかね。

「えっ?わかった。」


美香。

「あかねちゃんまたねー。」

「紗莉奈に加わるから。」


乃土香ちゃん。

「今日は少し多いかも。」


あかねちゃんは走っていくも。


外国の魔法少女と魔法使いに襲撃されました。


攻撃が跳弾したので無傷。


追いかけてくる敵。


美香。

「おっと?そうはいかないよ。」


乃土香ちゃん。

「待ち伏せってやつ。」


紗莉奈。

「姉貴にも通報してやる。」


あかね。

「わっ!?」


敵側と三人の魔法少女で戦闘が発生。


外国の魔法使いがまだ追跡してきたので。


マッド・グレネードを投げました。


土の塊で。


起爆すると土をばら撒いて。


目などに命中すると大変。


魔法使いは追跡を諦めて。


美香ちゃんと交戦するも。


紗莉奈ちゃんと乃土香ちゃんの攻撃に敗退。


あかねちゃんは急いで帰宅。


ニュースを見ていたすみれちゃん。


小雪ちゃんと小毬ちゃんから伝えられる。


正統派の魔法使いが名乗り出て。


異端を排除することに決定。


外国も大変な事になっている。


小雪・小毬が国際連携を提案。


魔女狩りならぬ。


魔女討伐作戦が展開されることになっていた。


すみれ。

「うちの出番無さそうやね。」

「でも手柄のひとつでも挙げたいわ。」

「とりあいずこの街でも戦闘があるっていうから。」

「用心せなあかん。」


政府が魔法使いの戦闘に危機感を覚えて。


対処部隊を配置。


必然的に立場が上がっていく役所。


日本の戦闘が終わったら。


外国。


特にヨーロッパで戦闘があることを知った。


新しい戦争の形であることは事実のようで。


第三次世界大戦を仕掛けるのではなく。


自国の利益の為に。


中規模の戦争の口実を求め。


隙を作りたいのだと専門家は意見しています。


シャルロッテの発言は本当のようです。


この付近の戦闘はあっけなく終わり。


日本に潜伏していた異端側の魔法使い。


国外にすべて逃亡。


外国で新たな戦いが展開されます。


尽きぬ業に喰まれる人々の姿でしょうか。


歴史は姿を変えて。


いつでも私達の前に写し出てくるのだと。


すみれちゃんはこう記しています。


「胡蝶の夢」と。

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