八月の葬式

墨ノ江なおき

青と白

あの子が死んでから、四日が経った。



とても暑い夏の日で、そして……

みじめで酷い最期だった。



空が、青い……


湿った風が、吹き抜けた。



……



一日目で殺意が芽生え、



二日目で復讐を決意し、



三日目で……成し遂げた。



……



次は、私の番。


あの子を助けられなかった。

裏切り者は、私。

犯した罪を償う。



流れる雲が、

心臓の音が、

私をせめぎ立てる。



月の夜。

思い残すことのないように、涙を拭い、精一杯の笑顔をつくる。


あの子の写真を抱いて、水面に沈んだ。


……


でも、終われなかった。



ノイズが走る。


ノイズが、走る。


雑音が、聞こえる。


ノイズが、ノイズが、ノイズが、


ノイズが、耳障りな雑音が、


私を、私を、私を、


あの子が、


私を、


いつまでも、いつまでも、


責め続ける。



鋭い光に、目を細める。



あれ


あれ……は


いつ……どこで……


なくし……た……



目が覚めると、机の上に、花が飾られていて。


私と、あの子の写真が、並んで置かれていた。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る