現実と異世界を行き来しながら無人島育成計画~爺ちゃんと僕の伝説で成り上がり~

MIZAWA

第1話 異世界へようこそって無人島じゃん

 楽島山明(がくじまやまあき)というのが僕の名前だ。

 僕は今、地獄と呼んでいい高校生活を送っている。


 高校に通う方法はバスに乗って地下鉄に乗り換えると、到着した駅から徒歩で3分程度で辿りつく場所が、大嫌いな高校だった。


 実家はお金持ちで、屋敷だ。

 父親と母親は小学生の頃はよく面倒を見てくれたが、

 今ではあまり話す事もしない、


 名家らしく僕が虐められているという事は告げる事も出来ない、

 小学生と中学生の時は、まぁまぁの友達がいて良かった。


 僕の家は金持ちという事もあり、沢山の家庭教師を雇ったのが父親だった。

 その結果とてつもなく頭がよくなるも、

 体育の授業だけは無理だった。


 僕はチビでデブなのだ。

 背丈は小学生の六年生とどっこいどっこいであり、

 めちゃくちゃ太っている訳ではないが、ぽっちゃりとしている。


 偏差値がよすぎて有名な高校に行く事になった時には、

 時すでに遅しで、友達は普通の高校に行ってしまい、


 友達関係のない零からのスタートとなった高校生活。


 そこで僕はクラスメイト全員から虐められていたのだ。


 ありふれた虐め等、トイレの個室に入ると、水をぶっかけられる。

 椅子にはボンドでつけられたガビオがあり、


 先生はその事を知りながら、授業だから座れと言い、

 お尻が血まみれになる事も。


 体育の授業の時は衣服を隠され、パンツ一枚で校内を探しまわり、

 先生に笑われながら怒られたり、


 弁当を窓から捨てられたり、

 お金でパンを買おうとすると、そのお金を強奪されたり、


 お腹が空いてきたりして苦しい中、

 授業が終わり、玄関で靴を履こうとすると、

 靴の中に土が詰められていたり、


 帰り道の時に高校の外ならと、ぼこすか殴ってきたり、

 顔は狙ってこず、お腹や胸や背中やお尻を何度も蹴ったり、殴ったり、


 ぼこぼこにされながら、


 それが3か月経とうとしていた。


 たまに高校の屋上で飛び降りたら楽ではないだろうかと、

 考えるようになってくる。


 もうぼろぼろだった。


 そんな時爺ちゃんの言葉が脳裏をよぎる。


【どんな時でも逃げるな、どんな時でも活路はある】


 その名言は今僕には重たすぎる内容だ。


 僕の山明という名前は、爺ちゃんが名付けてくれた。

 山のように大きくなり、その山のような大きさで世界を照らす。


 そんな規模のでかい名前だった。


 家に帰ろうとして、

 その日も靴の中に土が詰まっていた。


 クラスメイト、ほぼ全員、どうにかしたい、

 だけど僕にはそんな力はない、

 先生もどうにかしたい、ぼこぼこにしたい、圧倒的な権力で法律を捻じ曲げて、

 あいつらを拷問したい。


 怒りがふつふつと湧き上がる。


 その日は亡くなった爺ちゃんの書斎で爺ちゃんが書いた小説を読んでいた。


 爺ちゃんは売れない小説家だった。

 それでも政治家として成功したので、

 しかし小説は売れなかった。


 爺ちゃんの小説は無人島の話ばかりで、

 夢があった。


 僕は書斎にある机の下で爺ちゃんの小説を読んでいた。


 いつものようにげらげら笑っていると、

 立ち上がろうとして、頭をぶつける。


 すると何かが机の引き出しの裏から落ちる。

 それは巻物のようなもので、


 まるで忍者だなと僕は笑うと、


 試しにと、爺ちゃんの机を借りて、

 巻物を開いた。

 

 そこには魔法陣みたいなものが描かれており、

 次の瞬間には、僕は別な世界の屋敷に立っている事に気付いた。

 中の構造を調べると、どうやら祖父が使っていた書斎などの屋敷の一部を使っているような雰囲気だった。


 僕の部屋とか両親の部屋や玄関などは無くて、

 祖父の書斎から出られる玄関だけがあった。


 僕はここが祖父の屋敷の別館をそのままコピーしたものだと知る事となる。

 建物の中の捜索は後にして、

 心臓が早鐘をうつ、

 ここはもしかしたら異世界なのではないか?

 スライムとかゴブリンを倒して、

 レベルを上げて、強くなって、ハーレムだって夢じゃないだろうし、


 もっともっと強くなって同級生をぼこぼこにしたい。


 だが僕の夢は、

 扉を開けるのと同時に、

 崩れ去った。


 そこに広がるのは海、

 右を見ても海、

 左を見ても海、


 僕は希望にすがる。

 きっと屋敷の裏は、そこも海であった。


 ここは車6台分くらい停車させられるスペースのめちゃくちゃ狭い無人島でした。


 巨大な一本の木があるくらい、

 後は耕されていない土があるくらい、


 桟橋にはイカダがぷかぷかと浮いているだけ、


 どこにも島はない、


 もしかしたらこの世界にあるのは僕の無人島だけなのではないだろうか?


 僕は途方にくれながら分館のコピーそのものの屋敷に戻る事とした。

 この小さな分館、もしかしたら本館を繋げるだけの猶予が島にはなかったからなのではないだろうか?


 どうやったら元の世界に戻れるのか、

 色々と考えて、本棚などを調べるも、

 意味不明の本ばかり、


【攻撃魔法レベル1の基本】

 

 とか


【畑作業レベル1の基本】


 とかの本ばかりで、

 開く気にもさせられない、


 後は壁に箒がかざってあるけど、何か意味あるのか?


 僕はさまよい続けていると、

 地下倉庫を発見する。


 そこをゆっくりと開くと、

 そこには今のご時世ありえない物体がありました。

 銃刀法違反に抵触のあれです。



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