第7話 時

だが目まぐるしく移り変わっていく世界は待ってはくれない。


対面して話すということが昔よりも減り、むしろそのような考えを持つアナログ人間を嘲笑あざわらうかのように猛烈な勢いで増えていく様々なコンテンツには一抹の不安と恐ろしさを感じさせられる。


世の風潮に寂しさを覚えつつ「お前が変わらざるを得ない」と後ろから巨大な刃物を持った、強大なもやのようなものにせっつかれる感覚に陥ることもある。


便利だと、いい時代になったと理解し、満足していても、現実はこの膨大な情報の海の中で溺れそうになっている「私」がいるのだ。


その様子を助けもせず、はるか上空から他人事のように見ている「私」も合わせて存在するのだ。


−ただ、この2人の「私」には似たところがある。

「誰かに助けて欲しい/誰かが助けてくれるだろう」というどちらに転んでも身勝手な考えだ。


事切れる前に、この腐敗した考えを払拭しない限り、もしくは受け入れた上で新たに動き出さない限り、私の悩みはいつまでも消えないだろう。



-まだ答えは出そうにない。

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