第28話 不安

白崎さんと登校し、それぞれのクラスに分かれた。

気分が悪いまま午前中の授業に出席していた。

そのまま、気づけば午前中の授業も終わりお昼になっていた。


お昼は白崎さんと食べるという約束があり、白崎さんのクラスも授業が終わったのだろう。お弁当を持ってきて顔を覗かせている。


男子生徒から、羨ましいそうな視線が僕に送られるが正直今はどうでもいい。

翔と綾、白崎さんと僕の四人でお昼を取るため机を並べようと立った時、僕の視界が歪みそのまま倒れた。


「高木さん!大丈夫ですか!高木さん!」

「おい!隼人大丈夫か!?綾!先生呼んできてくれ。俺は保健室に連れていく。」

「わかったわ。」





あれ…ここは何処だ?


目を覚まし、見知らぬ天井を目にした。

周りを見回すとベットの周りをカーテンで閉ざされていたので保健室に運ばれたことに気づいた。


「僕は…倒れたのか…あまり記憶がないな。」

「おっ、目を覚ましたようだね?良かった。君、お昼休みに倒れて保健室に運ばれてきたのよ?熱とかはないから寝不足かもね?ちゃんと睡眠とらないとダメだよ?それに、可愛い彼女さんに心配かけたらダメだよ?」

「すいませんでした。先生。ちなみに僕は彼女いませんけど?」

「そうなの?運ばれたときにずっと君のそばにいたんだけど、授業始まるから行きなさいと言ったら毎回小休憩毎に様子を見に来ていたからそうかな?って思ったんだけど…。」


そんなことを保健の先生が話してくれると、保健室の扉がノックされ白崎さんが現れた。

「そうそう、あの子よ。毎回来ていた子。じゃあ、邪魔者は消えましょうかね~職員会議があるのよ~。早く帰りなさいね~」


保健の先生は気をきかせてくれたのか、保健室から出て行った。


「高木さん!目を覚まされたのですね?とても心配しました。」

「ごめん。」

「私、怒ってます。朝、無理はしないでくださいと言いましたよね?」

「うん。でも、睡眠取ったから元気になったよ。」

「それなのに無理して。」といつものように頬をぷくぅと膨らまして怒っている。

「ごめん。心配かけて。それにせっかく作ったお弁当も食べれなくて。」


「とりあえず、もう放課後だし帰る準備しないと。」

「大丈夫です。私が高木さんのカバン持ってきました。」

「ありがとう。」


怒ってるといっても、普段通り優しい白崎さん。

「じゃあ、帰ろうか?」

「はい。少し予定があるので、私は先に自分の家に寄ってから高木さんの家に晩御飯作りに行きます。」

「わかったよ。でも、用事があるなら無理して作りに来なくてもいいよ?」

「大丈夫です。すぐに終わるので。では、駅まで一緒に帰りましょう。」


保健室を後にし、二人は途中まで一緒に下校したのだった。

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