第26話 帰宅

翔と綾が帰宅し、キッチンでは白崎さんが晩御飯の準備をしている。


「高木さん。晩御飯もうすぐできるので準備をお願い致します。」

「了解。」


「今日の晩御飯は角煮にしてみました。圧力鍋で時短です!」

「すごいおいしそうだよ。早くたべよ」

「そうですね!暖かいうちに食べましょう!」


角煮をとって一口食べる。

口の中で、肉のうまみエキスが弾け、脂は甘く溶けてしまう。

とにかくうまい。これ一言でいい。余分なことはいらないぐらいうまいだろう。


「白崎さん。すごくおいしいよ。」

「ふふっ。ありがとうございます。そう言って貰えるだけで作ったかいがあります。」


いつも通り、白崎さんの手料理をおいしく頂いて食休みを取っていた。


「今日はとても楽しかったですね。」

「そう?僕はなんか疲れたけど。」

「はい。みなさん良い方たちで仲良くなれてよかったです。一つ残念なのは二人の秘密がばれてしまったことですかね…。」


白崎さんはずっとそのことを気にしているようだった。


「白崎さん。こんなこと言う恥ずかしいんだけど…お泊りのことはばれたでしょ?でもね、一緒に夜中に寝たことはばれてないんだ。僕たち二人の秘密ね?」

「えっ…。秘密ですか?」

「うん。白崎さんがお泊りした秘密を大切にしているようだったからさ。二人で寝たことは言わなかったんだよ。」

「ふぁぁ…。高木さん!ありがとうございます!」


白崎さんが笑顔になってくれた。元気取り戻してくれて良かった。


「じゃあ、明日からまた学校だしそろそろ送ってくよ」

「お願いします。」


白崎さんを送っている途中…


「あの高木さん。明日から一緒に学校行きませんか?」

「…」

「嫌ですか?」

「…いいよ。行こうか。」

「では、7時半頃に高木さんのお家に行きますね?」

「了解。」

「あと、お昼は私がお弁当作っていきますので。では、おやすみなさい。」


家につき、僕が断ることができないように直前で白崎さんは言った。

そんな白崎さんの後ろ姿を見ながらほんとずるいなぁ…と思った。

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