第11話 約束


「今日は何から何までありがとう。迷惑かけてごめんね?」

「ううん。全然。高木さんという人が知れてよかったです。もし、大丈夫ならこれからも一緒に帰りませんか?」と上目遣いで聞いてくる。

「…いいよ。その代わり、あまり目立つところでの待ち合わせは、やめてくれると嬉しい。」


(仕方ないよね?可愛い子に上目遣いでお願いされたら、興味ないといいつつも健全な男子高校生だし良いって言っちゃうよね。)


「本当ですか!?約束ですよ!言質とりましたからね!」

「うん。大丈夫。約束は守るから。」

「ありがとうございます!では、日も落ちて暗くなってきたので、今日は帰ります。」

「白崎さん待って。さすがに日が落ちて暗くなってきてるから、危ないし家の前まで送っていくよ。」

「えっ、いいんですか?お言葉に甘えてもいいですか?その…お恥ずかしいのですが…私暗いところが苦手でぇ…」

「うん。大丈夫。じゃあ、行こうか。」



日が落ち暗くなっていることもあり、家の前まで送ると言ったはいいけど…

会話が続かない…なにか話題をださないと…何か、何かないかな…


そんなことを考えていると、白崎さんが、


「高木さん!あっ、あの…。」

「どうしたの?」

「高木さんは、先ほど毎日コンビニのお弁当が夕飯だとおっしゃっていましたよね?」

「そうだね。お恥ずかしながら…。」

「これから、を作りに高木さんのご自宅に行ってもいいですか?」

「!?」

(白崎さんは何を言っているんだ?毎日夕食を作る?聞き間違えだろ。きっと聞き間違えだ。そんなこと言うはずない。)

「高木さん!どうですか?夕飯を作りに行ってもいいですか?」

(……聞き間違いじゃなかった…)

「えっ、えーと。それは…」

「でも、スーパーで大人しく従うと聞いたような…」とボソッと白崎さんがつぶやいた。

「ぐふっ、それを言われたら…。じゃあ、お願い出来ますか?」

「ふふっ。喜んでぇ!高木さんとの約束が1つ増えました!それに、コンビニのお弁当ばかり食べてると栄養が偏ってしまい後々、病気にかかったりする可能性もありますからね。それが心配なので。」

「白崎さんには適わないな…よろしくお願いします。」



「高木さん。ここで大丈夫です。すぐ目の前のアパートなので。送っていただきありがとうございました。」

「そうなんだ。じゃあ、またね。おやすみなさい。」

「おやすみなさい…。」

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