悪魔との契約30

私『透明人間になりたいのだ!』


悪魔『たやすいことだ』


私『ただし、中身が透けていたり、着ている服が消えなかったり、そんな片手落ちはやめてくれ!』


悪魔『よかろう』


 ーーーこうして、私は透明になる能力を得た。


 さあ、いざゆかん!

 恋焦がれし、かの娘の住まう秘密の花園へ!


 道中、誰も私に気づかない。

 すっかり透明になっているようだ。


 大通りにさしかかった。

 信号が青になったのを確認してから、横断歩道を渡り始めた。


 そこに、信号無視をしたトラックが飛び込んできた。


 ーーーああ、見えてさえいれば、こうはならなかったろうに。

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