悪魔との契約18

私『愛しい娘が、猫に目がないと言うのだ! 私を猫にしてくれー!!』


悪魔『その願い、叶えてやろう』


 悪魔は、にやっと笑い、姿を消した。


 こうして、私は猫となり、愛しい娘の前に躍り出るや否や、実に可愛らしく、にゃあと鳴いたのだった。


 娘は、私のキュートさにノックアウト!

 白魚のような腕に私をかき抱き、住まいへと連れ帰った。


私『にゃんだ!?』


 そこには、多くの猫たちがいた。

 しかし、すべからく元気がない。


猫『この女に捕まるなんて、お前は運がないな』


私『猫好きじゃないのか!?』


猫『無類の猫好きさ。しかし、愛情の表現方法が良くない。痛めつける事を、愛情の示し方と、履き違えているのだ』


 どうやら、ノックアウトされるのは、私の方らしい。


私『もはや、君たちが謂れのない暴力に蹂躙されずとも良い! 私が全て引き受けよう!』


猫『バカな、死んでしまうぞ!』


私『愛の込められた暴力に晒される。これは、私たちの業界では、ご褒美に他ならぬのだ!!』

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