9曲目『サマーヌード』(平成7年 1995)真心ブラザーズ

 大御所系の曲は前回までで終わり、ここからは、オリコンやらセールスやらと無縁の(当アーティストには失礼かもしれませんが)、私が大好きな佳作群を紹介していきたいと思います。


 といっても、この曲を“佳作”と呼ぶのは、本当に失礼かもしれません。“日本の夏の名曲”と評する方もおられるそうですから。


 車のラジオから聴こえてきたのが、この曲と真心ブラザーズとのはじめましての出会いでした。その足で、すぐにCDショップに行って、当時のあの細長いジャケットの8センチCDを買い求めました。


 どこか昔のディスコソングのような曲に合わせて、あの詞です。


♪5秒に一度だけ照らす灯台のピンスポットライト小さな肩


♪止まらない冗談を 諭すようについてくるお月様


♪走る車の窓に広げはためくTシャツよ誇らしげ


 ぱっと、頭の中に夏の海岸の絵が浮かぶ素敵な詞です。だのに…


♪胸と胸 からまる指 ウソだろ 誰か思い出すなんてさ


♪その髪の毛で その唇で いつかの誰かの感触を君は思い出してる


 この曲と出会う2~3年前に大きな失恋をした私に、この歌詞は傷口がふさがっていないことを自覚させました。



 この曲を知ってからというもの、夏に限らず、いつでも、どこでも、所かまわず唄っていました。唄うことで癒えていない傷口が少しでもふさがるような気がしていたんだろうと思います。自虐自傷。いいえ、自虐自笑することで癒そうとしていたんだろうと思います(笑)

 この曲を“日本の夏の名曲”なんて評している人は、その人のどこかにそんな傷を持っているんじゃないかって、今でも、時々思います。



♪『サマーヌード』(平成7年 1995)真心ブラザーズ

 作詞:桜井秀俊・倉持陽一 作曲:桜井秀俊

https://www.youtube.com/watch?v=AKxVuibD4OU


 このミュージックビデオに出演している二人の女性…

 今回、見直して、初めて誰だかわかりました(笑)





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