第5話

ご飯を食べてから、サチと一緒にお風呂に入るのが日課だった。まぁ変わりばんこに母さんとも父さんとも一緒にお風呂に入ってたけど、ほとんどがサチと一緒だった。


物心ついたときから僕はサチと一緒にお風呂に入ってたから、サチのカラダの成長具合はたぶん僕が一番良く知っていた。あのころで僕の顔くらいあったからそこそこデカかったのかなぁ?あのころは綺麗だなぁと思ってたけど、今想像するとなんだか気分が悪くなるのはどうしてだろう?おばさんにまっしぐらだからか。


小学4年生になった途端、僕はフンじゃなくなった。サチが高校を卒業して専門学校に進んで、しかも県外だったから、一人暮らしをすることになってしまったんだ。


僕はショックで一週間学校に行かなかった。それは別に行きたくなかった訳じゃなくて、あまりのショックで高熱が出て倒れてそのままなぜか原因不明の二度目のおたふく風邪にかかったからだ。


そんなこんなでサチは遠い異国の存在になってしまった。そのおかげで僕の中のなにかのスイッチが切れたか入ったか、はたまたショートして、僕の悪ガキっぷりはエスカレーター、いや、エレベーター式に一気に上昇していった。


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