第12話 ポンコツ転校生のおっぱいハート

男子「(突然だが、エッチな夢を見たことはあるだろうか。世の男性には深く理解頂けると思うが、男性は見てしまう。僕はまさに今、女子高生のおっぱいを揉み揉み揉みしている。夢の中だと、どれだけ揉んでも、まさに揉み放題! 夢よ、もう少しだけ覚めないで! 必死で願いながらおっぱいに顔を埋める。あぁぁぁ、なんと気持ちのいい感触。おまけに揉むたびに女子高生が喘いでくれる。おっぱい天国。徐々に女の子の喘ぎ声が耳元で大きく聞こえっ………………っ……!!! ストップ。揉み揉み中止! いろいろ確認したいことがある。目を開けると、ぱかっと開いたTシャツからぽろり、と溢れた佐藤さんのおっぱいを僕の両手が掴んでいた! 記憶にございません! オーマイゴッド!! すでに、揉みまくってしまった)」


女子「山本君って朝は積極的だねぇ。次は私からの反撃開始だよぉ。おっぱい攻撃に耐えられるかなぁ。ソレッッ!!!」


男子「圧倒的なパワーで、一方的に佐藤さんのおっぱいが、僕の顔面を右に左にボッコボッコ。マジで気絶する。ギブギブギブギブ。もう限界!!!」


女子「――WINNER、リン! 今日の勝利のポーズはおっぱいハートだよぉ」


男子「死ぬかと思った。だが、解説だけはさせてくれ。おっぱいハートとは、おっぱいでハートを作る可愛いポーズ。最大の魅力は、おっぱいの柔らかさで愛情を表現することにある。ポイントは、指で乳首を隠すこと。はい、完璧なおっぱいハートに、僕は戦意喪失」


女子「山本君の解説ってウザいけど、ちょっと癖になるよねぇ。でも、情けないなぁ。昨夜はアニメ見て、あんなに元気に跳ねたり叫んだりしてたのにぃ」


男子「やっぱり。やっぱりか! アニメに夢中になっていたことを根に持っていらっしゃる。謝る。ごめんなさい。でも仕方ないんだよ。アニメは僕の人生なんだ。生きがいなんだ。そこだけは譲れない」


女子「そういう情熱は嫌いじゃないよぉ。鬱憤は全部はらしたし、別にいいよぉ」



男子「(気分を入れ替え、僕と佐藤さんが、部屋着から制服に着替え終わると、)」


 ガチャ


妹「ぉ……お兄ちゃん、そいつ誰?」


男子「お前、そのセリフを一体どこで???」


妹「……っ!」


男子「それは、妹系ラブコメのお決まりのセリフ。王道の中の王道。このセリフがなければ妹系ラブコメは始まらないと言っていいだろう。逆に言うと、このセリフから妹系ラブコメが始まるとも言える! つまり、僕の妹系ラブコメの始まりだ。まさか僕の妹がこのセリフを言う日がくるなんて。誰が予想しただろうか。いいや、誰も絶対に予想できなかったはずだ。兄として誇らしく思うよ」


妹「……ぎり……ぎり……」


女子「妹さん、歯ぎしりしてるよぉ」


男子「妹系ラブコメとは、そういうものだろ」


女子「今そういう話じゃないよねぇ。話すの3年ぶりなんでしょぉ?」



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