空走

第11話 「空を走る」の執筆記録という名の反省文。まじごめんなさい。


 スパルタ系文章企画「筆致は物語を超えるか」、まさかの三連発開催で「雪を溶く熱」が終了したと思ったらすぐ次のお題が提示されましたよね。


「ええええ、まじー? さすがにムリー!」と正直なところ思ったわけです。時期的に少し本業が忙しかったのもありますが。まじ今回はパスしようかと思ったもんです。


 まあ、それでも皆勤賞ほしさに無理やりお話をひねり出したのですが。


 先に白状しておきます。なんとかして書き上げた今回の「空を走る」、実は重大な、というかほとんど致命的なレギュレーション違反を犯していました。いつもあえてレギュレーションぎりぎりを攻めている私ですが、今回は本当に大脱輪しています。


 レギュレーションを確認してみましょう。


 ーーーーー

 葵は親友の詞の死により走る気力を無くしていた。

 そんな葵のもとへある日、死んだはずの詞から手紙が届く。

 そこには二人で目指した舞台への想いと、葵へのエールが書かれていた。

 葵は再び走ることに決めた。その姿を、天国の詞に届けるために。

 葵が再び走り出した時、日照り雨が降っていた。

 ーーーーー


 問題は三行目です。これ、正直忘れていました。後ろの解説でも「自分の死期を悟っていた詞が、葵に対して何らかの方法で何かを伝えようとした」とあります。手段は手紙でなくてもいいのですが、詞が葵に何かを伝えようとしなければいけませんよね。


 私の作品、すでにたくさんの方に読んでいただいていて感謝の極みであるのですが、レギュレーションのここの部分がばっさり欠落しているんですよ。詞は交通事故で不慮の死を遂げていますし、みずからの意思とは無関係な形で葵の手に手紙が届いています。当然、手紙の内容に詞の意思なんて何一つ関係ありません。……こりゃダメですねー。今回の作品は失敗作でした。はっきり言って参加を認められないレベルの失敗でした。

 ゆあんさんをはじめ企画に参加しているみなさん、読んでくださったみなさんに謹んでお詫びします。


 執筆開始した時点では、アオイとツカサ以外の第三者(今回は季節の逆を付く意味でユキエと名付けましたが)の視点でお話を進めるけど、その第三者こそがツカサが亡くなる原因者だった、というのが大まかな構想でした。全体的にミステリーとまではいかなくてもサスペンス仕立てにしようともくろんだのです。


 しかしこの構想の時点ですでにレギュレーションとはズレていますよね。第三者がツカサの亡くなる原因になっている時点で「ツカサが死を予期する」展開になりづらい。できなくはないですけどね。


 ならそこ修正すればいいんじゃね? とおっしゃってくださる心優しい方いらっしゃるかもしれませんが、そもそも根本が間違っていたんで修正が効きませんでした……。公開直前に気が付いて、無理やりオービスの写真で「詞の意思」を表してみたんですが、焼け石に水です。


 潔く取り下げようかとも思いましたが、今回は「失敗の見本」にしていただこうかということで残しておきます。


 いやあ、ホント、ゆあんさん、みなさん、ゴメンなさいです🙇🙇🙇


 レギュレーションはともかく、今回のお話しでは主に女性陣から「アオイが怖い」という感想をいただきました。執筆時点ではそこまでアオイ、腹黒にする意図はなくて、ただ将来はどうなるかわかんないよー、女の人って怖いからねー、ぐらいの雰囲気で締めたんですが、海より深い読解力をお持ちの女性作家陣の方々から散々指摘されてしまうことになりまして。男性陣はどちらかというと爽やかに終わったよねーという感想が多かったように思えるところが面白かったです(もちろん男性でもアオイ怖いとおっしゃられる方はいましたが)。


 ということで、今日は今回の筆致企画での反省文を書きました。


 次回は他推やってみようかと思います。今回も傑作ぞろいです。


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