第7話 初見の神話級スキル

 四天王って……痛くない?

 やばい、骨折した時並に痛いわー。


 まぁ、そんなことは置いといて、

「軍の第4席って言った?」

「はい」

「つまり4番目に強い?」

「えぇ」

 まじか……。

 すげーなこの人この若さで?


 どんなスキル持ってんだろ……。

 気になる……。


「俺のスキルが気になるか?」

「!?」

 心を読まれたなんで?

「そりゃ俺の魔法だ」

 ……見たい。

 すごく見たい。


「そんな見たいなら見るか?」

「いいんですか!?」

「あぁ、別にいいぜ」

「なら是非」

「はいよ」


 プロットさんのスキルカードにはこう書かれていた。


 ―――――――――

 プロット=ケタール

 魔力量356000000/356000000

 スキル

 ・鎖

 ・自由自在

 ・魔視

 ・実像虚像

 ・透視

 ・並列思考

 ・分身体

 ・連撃

 ・以水減火

 ―――――――――


 ……ふぁ?


 ナンだロウ、特に魔力量トかチートじゃンネ

 こいつ主人公?


 って言うかあれ?

 別に心を読みそうなのはないけど?

 俺が不思議そうにしていると、


「簡単な事だよ、鎖ってスキルで俺と君の心を一方的に繋いだんだ。これを使えば念話もできるし、心を強制的に閉ざすことを出来るぜ。

 あ、もちろん鎖を出して闘うことも出来る」


 え、普通に強くね?

 これより強いのが最低3人はいるの?


「ちなみにどれくらいの速さで動けるんですか?」

 これは俺がずっと気になっていたこと。

 ゴブリンですらあんな速度だったんだ。

 気にならないわけが無い。


「大体1秒ありゃこの国一万周は余裕でできるぞ」

 ……まじ?

「他の四天王は俺が比べもんになんねぇくらい速く動くやつも、どうやってんのか知らねぇけど、なんもねぇとこから物質作り出したり物質を別の物質に変える奴もいるぞ?」


 え、チート

 後者の方とかなんだよそれ。

 氷塊が降ってきたらそれを空気にできるってことだろ?

 絶対敵に回したくない。


「……この鎖のクラスって?」

「神話級だが?」

「しんわきゅう!」

「でもこれくらいなら他の四天王も持ってるぜ?」

 四天王チート過ぎませんか。

 俺が持ってるのその下の英雄級だし、そんなチート出来ないよ?


 普通こうゆうのって異世界転移したやつが主人公で俺TUEEEEするってのが決まりだよね?


 あれ? もしかして俺、主人公じゃない?

 いやいや、異世界転移したんだ、きっとこれから何かあるんだ。

 うん、そうだ。きっとそうだ。


「んで、お前らはこんなとこで何してんだ?」

 改めて思うけどこのプロットって人、めちゃくちゃ気さくな人だ。


 だって自分の所属してる国の王女様にタメ口使えるんだぞ?


 やっぱ四天王ってそれほど地位があんのかな?

 まぁあんなチートだし、そうでも不思議じゃないか?


「シンさんが軍の訓練を見たいということで、ご案内してるんです」


 そんなことを考えていた俺の代わりにセレスさんが言ってくれる。


 あ、ごめん、考えてたら質問のことすっかり忘れてた。


「軍のか? そんなもん見たがるなんて珍しいな。ま、ちょうどいいな。俺も久しぶりに休みだから3年ぶりくらいに訓練に顔出すんだ。ついでに俺の戦闘見とけよ。いいとこ見せるからよ」


 四天王の戦闘を!

 それは是非見たいもんだ。

「でも、そんな簡単に見せていいんですか?」


「別にいいだろ。つかそれよかその敬語やめてくれ。俺は正直敬語苦手なんだ。平民出だからな。普通にプロットでいいしタメ口使ってくれ」


「そういうことなら……」

 正直俺もこっちの方が楽だから助かる。プロットとは気が合いそうだ。

「じゃあこっちついて来い」

 プロットが歩き始める。


「なぁ、セレス」

 俺はひっそりとセレスに話しかけた。

「はい?」

 セレスも声を潜めて話してくれる。


「四天王の戦闘ってそんな簡単に見せていいのか?」


「はい、大丈夫ですよ。別に見られても問題ない。それほど圧倒的すぎる力を持っている。それが『四天王』と言う存在なんです」


 え、かっこいい。

 いいな。

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