淡々と読ませる

カクヨムのランダムピックアップから手に取りました。
田舎暮らしと「カウントダウン」というストレートな言葉の取り合わせが、とてもかけ離れており、とても異化されている。

生命の残り日数をカウントされた画家志望の青年38歳バツイチが見知らぬ村で15日間の最後の日々を豊かな筆致で描いた作品。

平穏に日々は過ぎ、生命と日々の価値を再確認した合田が迎える終盤は、視点が乱れ時系列が不透明になる等のスリリングな展開が待つ。

結末の先に、残された人々にもたらされるものとは。夏に染み入る傑作だった。