ティーガー戦車異世界戦記 ~小さな希望を紡ぐ姫と鋼鉄の王虎を駆る勇者~

ティーガー戦車異世界戦記 ~小さな希望を紡ぐ姫と鋼鉄の王虎を駆る勇者~ - カクヨム https://kakuyomu.jp/works/1177354054887686785


弱きを助け強きを挫く、まさに英雄譚


 異世界チート勇者が悪役として登場する今作。まさに絶対的な理不尽にあっている魔族達はなすすべ無く蹂躙されています。そこに表れたテツオと王虎、ティーガー戦車。彼らはこの逆境を一転させます。

 この描写が痛快で素晴らしい。こ憎たらしいチート勇者が問答無用で倒される。これぞ勧善懲悪。良いぞ、もっとやれ!と合いの手を入れて楽しみました。

 また、真の英雄が召喚されてからの話は、もう大変大好きです。ネタバレになるので詳しく書きませんが、こういった話は条件反射で泣きます。苦境に立たされたテツオの前に表れる英雄達。圧倒的な実力に裏付けされた英雄感。安堵と共に呟かれたあのセリフ。あぁ、最高です。号泣です。

 これこそ、私が求めていた英雄譚。ヒーローがなんの憂いもなくヒーロー然としている姿が最高でした。


 ただ、読んでいて気になった点もいくつかあります。まず、ティーガー戦車って誰でもわかるような常識だったのだろうか。ティーガー戦車を見せられてもわからないのは自分だけなのか。と焦りました。

 また、英雄譚としては大変面白いのですが、ファンタジーとしての厚みをもう少し持たせても良いかな、とも思いました。魔法の設定や異世界らしい描写がもっとあった方が面白く読み進められます 。テツオと魔族の交流に深みも出ますし、テンプレートを越えた先を描ける作者であると思うので、そこは勿体無いと感じました。


 まあ、理屈抜きに好きな作品です。泣けるほどには。

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