第26話 花庭の廃墟

石造りの壁 円形の床

壁の1部は崩れ落ちるも 赤いレンガの屋根残る

ドールハウスの様相帯びる 名の知らぬ家


白く眩しい曇り空

住む人がいないながらも美しく

管理のされた家に見える

されど生活感はまるでなく

穴の空いた空虚さが滲み出る


階段降りると 石の庭

家の外には花の園

かつては色とりどりに咲き誇ったであろう

その姿を垣間見る


花の向こうに見えるは人の影

あれは父と弟か

だが私にとっての知らぬ人

あれは誰だったか

今となってはわからない

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