第10話 殴って殴って殴りまくれ


 500階層の最初の501階層目、

 そこで俺様は強敵と巡り合った。

 そいつは七つの大罪の1人であり、

 テイムすべきボスモンスターである。


 彼女達はテイムしてこそ、美女として、1人の淑女として活躍するであろう、

 ただしモンスターの時は容赦のない攻撃、そして容赦なく殺しにかかってくる。

 それは黒いポーションのせいでもあるのだろうけど、


 もしかしたら黒いポーションはその力を押し進んでくれるだけであり、

 元々は彼女達を一度倒す事、つまりテイムするという事が大事なのではないのだろうかと、

 思うようになっていた。



 現在俺様と強欲のゴブクイーンは睨みあっている。

 どちらが先に動き、 

 どちらが後になるか、

 拳と拳の語り合い、

 それでも俺様はメリケンサックを装備している、しかしゴブクイーンは爪のような物を装備しているので、

 一撃一撃がとてつもなく痛いし、


 なんとなく怪我をしているのだろうと気付きつつある。

 右腕の感覚と、

 右足の感覚が不気味なほどのろまなのだ。

 左目も少しくぼんでいる気がする。

 

 顔面を殴られた記憶がない、

 だが風圧そのもので圧迫された可能性はある。


 本当にゴブクイーンは恐ろしい強欲の美女だと思っている。


 俺様は睨み合いをする事を止めて、

 一歩また一歩と前に突き進む。

 そこに到達すると、ゴブクイーンがにやりと微笑む。

 また殴り合いが始まった。

 殴って殴って殴って殴り返される。

 顔面から血が噴出すると、右目が殴られた。

 激痛がある中、俺様はさらに殴る。腹を殴られると口から涎が噴き出る。

 それでも倒れる事はしない、



 倒れてしまえばそれは負けなのだから。

 渾身の一撃、

 それは全神経を右手に集中させたつもりの左手の攻撃、ゴブクイーンは両手の武器である爪を飛来させ、また顔面を狙う。

 なぜ俺様が顔面を爪で殴られて怪我程度で済んでいるのか。

 それは俺様のまだ見ぬレベルの影響と防御系のスキルが関係しているのだろう、


 それがなければ、爪で殴られた時点で眼の穴が開いているのだから。

 もはや顔面を捨てると右手と左手の武神のメリケンサックが飛来し、

 拳がゴブクイーンの胸に当たった。 

 その巨大な胸がぽよよーんと弾かれると。


 なんとゴブクイーンは真っ赤に顔を染めて、

 そのまま後ろに飛ばされ、壁に激突したのであった。


 そしてゴブクイーンのマッチョな姿から、すごいきわどいゴブリン美女が表れた。


 初めてこんなにゴブリンが可愛いと思った。

 ゴブリンで見た事があるのはオスばかりであり、

 メスがこれ程の美女だとは、

 胸なんて巨乳で、下半身だってすごい、


 胸を下半身を布のような装備でしか隠しておらず、

 もしその布が解かれたら。巨乳が見えてしまうだろう。

 それだけ危険な服だという事だ。


「あらまぁ、みなさんお久しぶりです。そしてそこの殿方、いいですか女性の胸を触ってはいけません」

「あ、はい」

「惚れちゃったじゃないですか」


「え? あれで惚れるのですか?」

「そうですわ、もう、これだから殿方は鈍くていらしゃるわ」


「ゴーナ姉さん久しぶりです。心配してないんだからね」

「まったくサリィーちゃんはいつものごとくという事でしょうか」

「ゴーナ姉さん、美味しい物つくって」

「いいですわ、料理道具がある場所でね」

「ゴーナ姉さんさすがはわたくしのお姉さまだわ、どのような質問にも答えるのだから」

「あなたはいつも上から目線です事ね、ルシュフ、たまにはお願いを覚えたらどう? ネメのように」

「はわわわあわ」

「レイディーはすぐにパニックにならないの」

「ぐーーーーぐーーーーー」

「ベリーあなたは、まったく眠たいなら夜寝なさい」


 僕は取り残されている間。

 皆が再開を喜びつつ。


「で、そこの殿方、こっちを見なさい、胸ばかり見ないの、さて、おいらはあなたを主として認めます」

「お、おいら?」


「姉さんは自分自身の事をおいらという癖があるのです。そんな事も知らないの?」


「知るかよ、なるほど、これからもよろしく」

「そこは敬語よ、おいらはあなたより年上なのですからね」


「よろしくお願いします」

「できるじゃない、さて出発侵攻」


 なんか恐ろしい言葉が出ていた気がするが。

 俺様はそれには気付かずに進んだ。


 それから僕たちはどのくらいの月日が経とうとしていたのか、

 沢山のゴミの中には食べられる保存食があったりして数か月のダンジョン攻略でも無理はたたらなかった。

 しかも賞味期限が切れていようと、ゴーナ姉さんが料理してくれる。

 料理した後の物をみんなで警戒しながら食べたりした。

 基本的に彼らの栄養補給は僕の体から出る魔力とされている。

 そうして僕達は999階層に到達していた。

 出てくるモンスターレベルは8000レベルに到達していた。

 それでも俺様は諦める事を知らない馬鹿なのかもしれない。


 999階層の扉を開こうとした。

 するとそこは巨大な広間があったのだ。

 まるで1つの街が入れるくらいの広間の真ん中には魔法陣が描かれており、

 真ん中には布で包んだものが立て掛けられている。

 人間の大きさと同じくらいだと思われるそれを、

 ゴーナの姉さんは解き放つ。


「ちょええええええ」


 僕は唖然として、ゴーナ姉さんがやった事に驚愕するが。


「この中身は、色欲のサキュラよ助けてあげて」

「でもゴーナ姉さん、その封印はまずいから封印しているのでは?」


「そう言う事ではないの、彼女思い込みが激しいから、魔王に封印されたのよ、闇には黒いポーションが効かなかったのでしょうね」


「それはどういう」


「こう言う事よ」


 布が取り外され、

 両目を閉じながら、

 口からは小さな牙が2本生えており、


 背中には黒い翼が体の2倍はあるだろう。しかも巨乳であり、黒いミニスカートとシャツを付けており、そのシャツには刺繍で七つの大罪と書かれてある。


 彼女はゆっくりと目を開けると、

 まず最初に巨大な悲鳴を浴びせてきやがった。

 その時、僕は俺様モードになっていた。


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