序章

プロローグ





「そんな事があるわけがないだろ!何なんだ一体…って…」


 とある場所で1人の政治家が混乱していた。



 それは、数日前に世界中の人々の頭に響いた声が発端である。


【Loading Biometric Information...】


【Confirmation Completed】


【システム言語を『日本語』に設定】


【この設定は「言語設定変更」と、明確な意志を持って発することにより変更可能です】



世界中の人々の脳内に響く、どこか無機質な音声。


【世界に『迷宮』を設置します。また、それに応じて『魔物』の生産・活動を開始します】



という馬鹿げた言葉だった…しかし、それだけに留まらず、



【全人類の能力値を数値化。「生体情報確認」と明確な意志を持って発すると『生体情報』を表示します】


【現在の対応言語は、『English英語』『中国人中国語』『русскийロシア語』『日本語』など、計23言語に対応しています】


有り得るはずのない事を告げる声、信じられる筈がない。


どうせ何かのイタズラに片付けられるだろう……全てが嘘ならば。



「本当にそんな事ができるのか…『生体情報確認』」



しかし、それらの事が事実であれば世界は変わる。




生体情報


名前:大場 大智

職業:政治家

HP:30

MP:50

ATK:14

SPD:10


スキル

・政治 ・詐術 ・話術



大場は、人々はこの日から世界が変わることを理解してしまった。




 その翌日、【世界各地での迷宮や魔物の出現や魔法の存在が確認】という1つの報道が更に混迷を極めさせた。



 本来ならば「そんな事はありえない」と一蹴すればいい、しかし『生体情報』という目に見える証拠がある。




認めるしかない。



 しかし、認めると共に対策を求められてしまう…銃火器でも死なない魔物が大勢いる、スキルや魔法という力を得たことで犯罪者が多く現れた、どうすればいいのか頭を抱えていると、



【日本国第7ダンジョンが攻略されました】


【攻略人数1人 総討伐数691体 攻略者に報酬を贈与します】



あの日、世界を変えた声が頭に響いた。


今度は希望を持たせて。

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