己の全てを注ぐのに何の躊躇いがあろうか。


 子供ゆえの豊かさで、弟子は私の全てを吸収してゆく。私は惜しみなく持てる全てを与えた。保身を囁く輩もいたがそんな必要は無い。子の望むものは何でも与えてやるつもりだった。

 私はその瞳の揺らぎに気づくべきではなかった。

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