カブトムシ

息子の友達が泊まりにやってきた。


「何がしたい?」


「カブトムシが採りたいです」


おおっ、やっぱり男の子だなぁ。


最近の子ども達は、野生のカブトムシよりホームセンターなどで売っているのしか見たことがない。


森の木にとまっているカブトムシをつかまえてみたいのだ。


これはなんとかゲットしなければ。


「カブトムシは夜行性やから夜に採りにいくけど大丈夫か?」


「ハイ。大丈夫です」


これはかなりのプレッシャーだ。


なんとか一匹は採らないといけない。


1日目、夜の8時に山の麓のクヌギの木がある場所へ向かった。


「いるかなぁ」


ワクワクしながら懐中電灯を照らす。


「オバケいないよね?」


「さあ、わからんな」


「えー」


「ウソウソ」


そんなことを言いながらクヌギの木を照らすと


「いた!」


ノコギリクワガタが


「スゴイ!あれ何?」


黒い虫が


「ゴキブリやな」


夜間はスズメバチはいないが、いろいろな虫がいる。カミキリムシ、ムカデなど。


「あっ、カブトムシ」


よくみるとメスのカブトムシだ。


「捕まえてみ」


恐々、捕まえると満面の笑みを浮かべる。


「ヤッター」


最高の瞬間だ。


帰り道


「ぼく生まれてはじめてカブトムシ捕まえた」


こんなに喜んでくれたら、こっちまで嬉しくなる。


「明日はオスだ!」


さあどうなるか?

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