第14話  体育館の救助を急げ!

「よし、まずは体育館か寮のどちらを助けに行こうか……」

やはり、気配察知と敵意感知のスキルではモンスターと人間の区別は付かないな。敵意がないものが人間かもしれないが、スキルを信用しすぎるのも良くない。やけに吹き付ける風が冷たい。しかしこのままうだうだ考えても仕方ないので、体育館の方に向かって情報を手に入れたらいいだろう。俺は影から抜けて体育館がある南校舎を注意して歩いていく。

妙に静かだな…あれだけ広範囲に渡って敵意感知に反応していたモンスター達はどこに行ったのだろうか?そう思っていると3匹のオークが見回りをして周囲を警戒していた。


「あのオークはマンションの周りを徘徊していた下級オーク達だな」


あのステータスなら戦闘には問題はない、罠を作るまでもないだろう。そう思い俺は身体強化をして地面を強く蹴り一番手前にいたオークの後ろから回し蹴りを放つ。ドパンっと頭が破裂し体が倒れると赤い小石の魔石を残して死体は消えた。残りの2体も風属性を付与魔法で手刀で心臓を貫いたり頭を殴った勢いで首の骨が折ったりして倒すことができた。

南校舎の入り口に3体しかいないってことは体育館の方に集まっていると言うことだろうか?俺はそのまま体育館を目指す。しばらくして体育館の外装が見えてきたが、ものすごい数のモンスターが徘徊していたり、扉を壊して今にも中に押し入ろうとしているようだ。物凄い音が響いてくるのが聞こえてくる。この感じだと扉を壊されて攻め込まれるのも時間の問題だろう。


俺は「間に合えっ!」と思いながら渾身の力を足にこめ、地面が抉れるくらいの物凄いスピードで廊下を駆け抜けるが間に合う気がしない。ちっしょうがない、シャドウ・ウォークを発動して影で移動しよう。もう魔力がどうのこうのと言ってられない。それにいくら身体強化して駆逐してもあの数では時間がかかり、どのみち間に合わないので魔法銃を取り出す。そしてシャドウ・ウォークを発動し一番後方にいるオークの影から出てありったけの魔力を込めて魔法を発動する。


<<ダーク・インベイジョン!!>>

体から物凄い量の魔力が流れ出ていくのを感じ取れる。同時に激しい頭痛やめまい、そして立っていられるのがやっとほどの疲労感が俺を襲う。そうすると虚空の空から黒い渦が発生し、モンスター達がその黒い渦の中心に吸収されるように飲み込まれていった。まるでブラック・ホールのようだ。この魔法は俺が意識した物しか吸収しておらず、建物や廊下などの建造物はピクリともしていなかった。まじ魔法便利だわー。そう思っているとあらかたのモンスター達を吸収した黒い渦が消え辺りには静寂が支配する。そして後に残ったのは大量の赤、青、黒の小石や少し大きめの石がモンスター達がいた場所に落ちていた。その後にアナウンスが頭の中に響く。


《経験値を獲得しました》

《経験値が一定に達しました》

《アイサカ セイヤのLV7から8に上がりました》


《経験値を獲得しました》

《経験値が一定に達しました》

《アイサカ セイヤのLV8から9に上がりました》


《経験値を獲得しました》

《経験値が一定に達しました》

《アイサカ セイヤのLV9から10に上がりました》



《経験値を獲得しました》

《経験値が一定に達しました》


《アイサカ セイヤのLV10から11に上がりました》

《経験値を獲得しました》

《経験値が一定に達しました》

《アイサカ セイヤのLV11から12に上がりました》



《経験値を獲得しました》

《経験値が一定に達しました》

《アイサカ セイヤのLV13から14に上がりました》



《経験値を獲得しました》

《経験値が一定に達しました》

《アイサカ セイヤのLV14から15に上がりました》


「………やったのか?」

俺はレベルアップのアナウンスを聞いた後、気絶してしまうのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る