第2話 朝の日常その1

 お腹に凄い衝撃をくらって、夢から覚めた俺こと西畑裕樹(年齢は今年で17歳で自分で言うのもおかしいが、友達もいるし、勉強もそこそこ出来、運動も出来る方で、多分陽キャラの分類に属するのではと思われる)はこの衝撃を与えてくれた人物にジト目を向ける。


 そこには、あまりの満面の笑みでこちらを見ている幼女の姿が目に入った。


 この幼女は俺の妹の飛鳥で、今年で6歳になり、黒色の髪をいつもポニーテールに結んでおり、目はぱっちり二重で、鼻筋は比較的高く、兄弟目線を抜きにしても、凄く可愛い容姿をしているのだが、いかんせん元気潑剌で女の子とおままごとをするよりも男の子と外で遊んでいるのが好きと本人も言っているが、大怪我はしないか、何処ぞの馬の骨ともしれないやつと変な約束をしていないかなどらちょっと心配になってしまうのだが、こんな可愛い妹なら、誰でもそう思うよな?


 てか、今はそんな事よりも普段なら俺の顔をペチペチと叩く感じで起こすのに何故今日はこんな起こし方をしたのかを問い質さなければ!!


 「飛鳥ちゃ〜ん?

  なんで今日はお兄ちゃんにお腹ダイブ 

  をしたのかなぁ?

  今日、なんか特別な用事でもあったっ 

  け?」

 

 「ううん、違うよ!

  あのね、おねえちゃんがね

  『実はお兄ちゃんは、起こしてもらう時

  はお腹ダイブで起こして欲しいって

  言ってたから今日からそうしてあげ

  て』って言ってたから、今日やってみ

  たんだよ!」


 諸悪の根源はあいつか!?

 俺はなんか恨みでも買ったのか?

 いたいけな妹を使って、俺を抹殺しようとは…

 これは、是が非でも問いたださなければなぁ〜!


 ただ、とりあえずはこの誤解を解かなければ、俺の明日からの睡眠がいつか永眠になってしまう。


 「飛鳥〜、それはお姉ちゃんの誤解だ。

  俺は今まで通りの起こし方の方が嬉しい

  から今後はお腹ダイブで起こさないよう

  に!」


 「え〜!

  お兄ちゃん、ウソはよくないんだよ!

  本当はお腹ダイブで起こして欲しいでし

  ょ?」


 「いやいや、そんな訳ないだろ!

  あんなの毎日食らったら幾らお兄ちゃん

  でも限界がきちゃうよ!

だがら、絶対にやらないように!」


 「うーん…

  でもおねえちゃんが、お兄ちゃんはツン

  デレ?さんだから、本当はやって欲しい

  のに、それをやらなくていいって言うと

  思うから、その時はやらなくていいって

  言った事をやってあげましょうね。って

  言ってたよ!

  だから、お兄ちゃんはお腹ダイブをして

  欲しいだよね!

  どう、当たってる?」


 …あ•い•つ•わ〜‼︎

 そこまでして、俺を永眠させたいのか!

 あー、飛鳥がこんなにつぶらな瞳で見つめちゃって…

 これは後でお仕置きをしなければいけないようだなぁ〜


 もう、お腹ダイブに関しては、飛鳥には後で冗談無しでやらないように言っておけば問題ないかな?

 今は、それよりも…


 「飛鳥〜、取り敢えずお兄ちゃんお着替えしないといけないから、一旦そこどいてくれるか?」


 「え〜、お兄ちゃん、さっきの答えは〜?

  それを聞くまで、どかないもん!」


 「いや、そんなほっぺたパンパンにしても…

  取り敢えず、それに関しては学校終わって

  からちゃんと伝えるから…

  ほら、飛鳥も幼稚園に行く準備しなきゃ

  だろ?」


 「ぶー、わかった、絶対だからね!

  ちゃんと、教えてくれないともっと凄い

  ことしちゃうから!」


 飛鳥はそう言うと、俺のベットから降りて直ぐに、ドアの方に向かうのだった…


 「いや、凄い事ってなんだ⁉︎

  おーい、飛鳥さーん、一体何をする気な

  んだー!」


 飛鳥は俺の言葉など、まるで知らんっと言う感じに完全に無視をして、リビングの方に行ってしまうのだった…


 いや、さっき口にも出したけど、もっと凄いことってなんだ⁉︎

 あいつはお腹ダイブとは、別に他の事も教えたのか?

 そんな、俺の今後の睡眠の事を考えて、ちょっと恐怖を感じてしまったが、取り敢えずはいい時間帯になったので、今は高校に行く為にサッと着替えをする事にしますか…





……


 着替えが終わった俺は、洗面所で髪を軽く整えた後、リビングに向かった。

 リビングに到着した時、俺が目にしたのは、身体を揺らしながら、朝食を今か今かと楽しげに待ち続けている飛鳥と、キッチンで朝食を調理している1人の少女がいた。

 

 まぁ、この少女が先ほど飛鳥が言ってたおねいちゃんであり、俺の1つ下の年になる妹の香織である。

 香織は、周りの評判を聞いた感じだと凄く人気があるらしく、曰く、容姿端麗で大和撫子のようなお淑やかで物静かな雰囲気がいいとか、まるで、人気モデルのような体型で女性の憧れだとか、日々困っている人を助けている等の事を聞くのだが、俺からすると首を傾げざるおえない。


 確かに、容姿が優れている事は認めるが、こいつの性格は常に兄である俺を困らせる事を生きがいとしており、ネチネチ小言を言ったら、俺に対して悪戯を仕掛けたり、俺が飛鳥に甘いのいい事に、今日みたいに飛鳥を使って攻撃してきたりするのだ。

 

 もう、高校1年生になるのだから、いい加減俺の前でもお淑やかにして頂きたいものである…


 後、香織の体型には俺的には一つ大きな弱点があると考えており、それは胸がまるでまな板のようにたいr

 

 シャバッ


 突然、そんな音が俺の耳に聴こえて、恐る恐る後ろを振り返るとそこには壁に突き刺さっている1本のナイフが「チッ、外したか」って、おい!


 「おい、香織いきなりなんだよ!

  朝から、兄を抹殺しようとは一体どうゆ

  う事だ!」


 「うるさい、アホ兄

  朝から、人の体型に口出したんじゃない

  わよ」


 「えっ、もしかして口に出てました?」


 「ううん、口には出してなかったけど…」


 「じゃあ、別にいいじゃ…あっ」


 俺が口答えしようと、香織を見るとそこにはフライパンを右手に投げるようなポーズ持っていて、満面の笑みを浮かべているが目がまるで笑っていない香織の姿が…あれ、おかしいなぁ、なんかここだけ気温が下がったのか、体がどんどん震えてきているのですが…


 「兄さん〜、取り敢えず、遺言が有ればお聞

  きしますよ〜」


 「待て待て待て‼︎

  落ち着け!

  ちゃんとじっくり話そう!

  大丈夫、今は小さいのもステータスの一

  種だから!」


  ……ブチッ


 「…取り敢えず死に晒せー‼︎!」


 「うおー!」

 

 ヤベー、香織のやつ、なんの躊躇いもなくフライパンを顔に目掛けて、投げてきやがった‼︎

 これは、避けないと気絶する、そう思って迫りくるフライパンを右に避けた!

 そうして、避けた事に対しての安堵が出てしまい、気持ちを緩めてしまったのがいけなかった。


 その直後、俺の顔面に思いっきりフライパンが直撃した…

 

 俺は気絶していく中で不覚にも次のような言葉が出てきてしまった…


 あいつ、一つ目を囮にして、2つ目も投げてたのか⁉︎

 しかも、2つ目のほうが大きいだと⁉︎

 やるな、あいつ、そこまで計算していたとは…









 いや、なんであれだけの事でここまでされなきゃいけないんだ⁉︎

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