第2話

 それは長くも短く明るく暗い場所を通り抜けたような感覚。

 詰まる所、気味の悪い不思議なモノを通り過ぎた。

 そして意識は唐突に呼び戻される。



「おお、ウィート様がお目覚めになった。はやく、はやく医者を」

「わ、分かりました!」



 煩わしい不愉快なそれが音であり、人の言葉であると理解するにはかなりの時間が必要だった。そして時間が経過すればするほど大量の情報が俺を侵食する。

 その情報の圧力に処理が追い付かず意識が朦朧とする。

 周囲が何やら忙しなく変化している気もするがそれに対応することは出来ない。

 覚醒した意識は再び微睡みの中に溶けていった。

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