Day16

さて、朝になったので朝食済ませて整地職人です。

今日は2回職人する予定です。

レンガ職人も兼任です。


…根性入れても2mが限界でした。午後も掘ろう。

レンガ整理、体力は大丈夫だけど精神的に疲れました。

ちょっとお茶しよう。


まったりお茶してたらソード君登場です。

一人で来てるけど、ちゃんと槍持ってます。

えらいえらい。

でも、いつものホットドッグも持ってます。


「ねえ、いつもお昼持って来てくれるけど、お金大丈夫なの?」

「ん?ああ、俺、一応貴族。貴族は子供にお小遣いあげるのが常識なんだ。いらないって父上に断ったら、貴族って世間体大事だから貰ってくれって言われた。大して使わないからどんどん貯まってくんだ」

「ほへー、初めてそんな人に会ったよ。辺境じゃ考えられないことだよ」

「…辺境に来たから、これも止めた方がいいか?」

「いや、騎士様の面子大事でしょ。そこは辺境だからって変える必要はないんじゃない」

「そうか…。でも、貰うのが当たり前になってたな。お嬢は…」


あ、私の境遇思い出したね。


「気を使わなくても大丈夫だよ。このへんの子供の場合、親が必要だと思うものを買い与えて、子供は欲しいものがあったら親に相談するの。で、親が必要かどうか判断する。ダメって言われても欲しかったら、お手伝いして自分で稼ぐの。私は薬師になったから自分の稼ぎで生活して、欲しいものを買うよ」

「改めて思った。お嬢、すげーな」

「えへへ、辺境の女は逞しいのだー」

「お、おう…」


一緒にお茶しながらホットドッグ食べて、スライムぷすりました。

8匹溜まっててよかったー。


ぷすり後、ソード君の素振りを修正したりてたら魔力が回復したので、ソード君に家の事話して再度整地作業入りです。

ソード君はしばらく素振りしてたんだけど、終わったのか、自主的にレンガ積みしてくれました。


「おー、ありがとう。それ、地味に大変なんだよ」

「なんか、すげー疲れにくくなってんだ。これって祝福の影響?」

「うん。力の上限が上がって、持久力が増えて、魔力が増えて、目が良くなって、早く動けるようになるの」

「すげー有益じゃん。あ、それで王都の兵士には年1回討伐任務があるのか。納得した」

「え?年1回しかないの?」

「ああ、年3回、1000人単位で3隊の持ち回り。毎回20か所くらいに50人づつで分かれる」

「ダンジョンそんなにあるんだ。でも討伐数少ないよ!スタンピードじゃなないんだよね?普通にダンジョン潜って50匹だったら一人1匹。4回祝福受けるのに…15年も掛かっちゃうよ」

「ダンジョンって、50匹くらいなのか?」

「ここはね。倍居るとこがあったとして7,8年掛かるよ」

「…俺、今晩4回目だよな。これで終わりか?」

「いや、6,7回は欲しいよ」

「…街に帰ったらばけもんって、マジだったんだ」

「私も大げさに言ったつもりだったんだよ」

「辺境に来たら一か月もしないうちに王都の中堅兵士クラス…。辺境すげえっ!!」


あー、ガッツポーズしてる。

ソード君は強さにあこがれあるんだよね。

変な意味で辺境気に入ったみたい。


「でもね、強さに関連してるらしいことはまだあるんだよ。だから同じ祝福回数でも強さは違うよ」

「えっと、体格とか修練?」

「それもそう、だけどもっと大きい影響があると私は思ってる。多分祝福1,2回分違ってくるんじゃないかな」

「なっ!まじか!?俺、ここ数日で2回上がっただけで、すげー実感してるのに、それほどのもんがまだあんのか!?」

「これは実証で来てないから、多分だよ。それに、ある意味修練だし」

「教えてください!」


うわ、びっくりした。突然90度礼だよ。


「う、うん。じゃあ道具がいるから小屋に入ろう」


小屋に入ってソード君をテーブルに着け、私はあるものを取り出した。


「ん?算盤か?壊れてるな」


この世界にも算盤あるんだよ。

でかいけど。

A4サイズより少し大きめで、何と玉10個。玉の大きさも五つ玉の倍くらいあるね。

壊れてて上辺が外れちゃってるけどね。

私のお留守番のお供だったんだよ。

玉だけ全部外してソード君に渡しました。


「算盤の左右持って立たせて」

「おう」

「テーブルに置いた玉を、1個づつ端から魔法で浮かして入れてってみて」

「こうか?…これ、すごく難しいんだが…」


あはは、より目になって空中の玉、にらんでる。

変な顔ー。

あ、やっと1個入った。

私は、テーブルの対面から、5個づつ玉を浮かせて、ひょいひょいと反対の軸に入れてみます。


「すごいな。でも、これが強さに関係あるのか?」

「多分ね。祝福あって魔力が上がると身体動かしやすくなるでしょ。あれ、魔力で身体動かしてると思うんだ。だから魔力が切れると肉体的な強さだけに戻って身体が重く感じるの。そうじゃなきゃ、子供の私が大人以上の力なんて出せないはずだから」

「言われてみればそうだな。力は明らかに上がってるのに筋肉は変わってないよな」

「うん、それで、魔力の制御がうまくなれば、使える力も増えると思うの。例えばその玉、ふらふら動くのは余分な方向に力が入ってるからだよね。そんな制御で身体動かしたら?」

「ああ、真面に歩けなくなるな。だが、俺、ふらふらはしないぞ」

「うん、無意識にふらふらしない程度の魔力しか使わなくなってると思うんだ」

「……じゃあ、俺は祝福の恩恵の何割かしか使えない状態なのか」

「もし、全部使えたら?」

「…やばい、燃えてきた。帰りに算盤買って帰る」

「それ、あげるよ。私はもう使わなくていいだけ制御できるから」


そう言って、10個いっぺんに軸に放り込む。


「…もしお嬢の仮説が正しいとすれば、お嬢の出せる力は、1個に苦労した俺の10倍以上ってことにならねえか?」

「元々の筋力が違うから、そこまでじゃないと思うけどね」

「…やる。今日から毎日、寝る前に魔力が尽きるまで」

「話といてなんだけど、根、詰めすぎないでね」

「わかった。…他に注意事項は?」

「さっき使った魔力を10とすれば、2か3の魔力を意識して。そうすれば細かな制御が身に付くから」

「ん?力抜くのか?」

「そうじゃなくて無駄を無くすの。ろうそくに火を点けるのに、焚火は要らないでしょ」

「おお!お嬢の例えは分かりやすいな。今晩からやってみる」


あー、また目をきらきらさせてるよ。

一見畑違いなように見えることにも全力だな。

強さっていうか、自分を磨くのに余念がないのかな。

君はいい男になりそうだね。


さて、ソード君は早く算盤鍛錬したいのか、そわそわしてたので、さっさと登り口まで送って行きました。


小屋に戻って来た。

魔力は半分ちょっとか。

でも、全回復待ってから整地作業すると夜になっちゃうから、今から再度整地です。

夜、ランタン点けて作業してたら、明かりを遭難者と間違えられるからね。


夕食を適当に済ませ、裸族して就寝です。

やっぱりお風呂入りたいなー。

おやすみなさい。

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