サヨウナラ、とキミは言った。

マフユフミ

第1話

サヨウナラ、とキミは言った 

夕日に照らされた笑顔はとてもキレイで

でも潤んだ瞳がとても儚く見えて

ごくありふれたはずのその言葉の

意味なんて全く分からなかった


サヨウナラ、とキミは言った

風の中柔らかく微笑みながら

でもその目からキラキラこぼれる

涙が風に消えていくのを見て

きっとこれが最後だと知った


つなぎ止めようと触れた指先は冷たくて

そっと閉じ込めた僕の手も震えていて

ただ時だけがひっそり流れていた

濃紺の空に静寂が満ちていた

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る