次元の勇者様は今も異世界に影響を与えている

霜月ふたご

Chapter0【現実世界に忍び寄る異世界の影】

Prologue000.勇者『不思議な感覚』

それはとても不思議な感覚だった。

僕が今居るこの場所に、他の誰かの気配を感じた。

でも、実際にここに居るのは僕だけだった。

それなのにすぐ側で誰かが張り付いているような──そんな不思議な感覚にとらわれて仕方がない。


人の温もりを身近に感じた──。


何だか──懐かしい気持ちがした。


──これはなんだろう?


この場所から一歩たりとも動きたくない。動けばもう二度と交わることがなくなってしまう。


見えないそんな恐怖の感情が湧き上がって来て、僕はそこから動けずにいたのであった。

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